monster

Nono

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3話

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  進は図書館でひと通り調べ物に区切りが着くと自動ドアを潜り、
帰路に着いた。
〈これで思うように力が使えるはず…〉
そう考えながら帰る道を歩いていくと
突如、携帯のバイブ音がジーンズの
ポケットから鳴り響いた。
「早速か…」
携帯を再びポケットに仕舞うとリュックサックから黒いコートを取り出し、
羽織りがならバック片手に駆け出した。
          ◆
「ふぅ」
仁は書き終わった原稿を保存すると
身体を伸ばした。
ガチャっと音がすると野上が自分の席
向かっていた。
丁度いい今日あったこと含めて嫌味を
言ってやろう。
自分でも悪い笑顔しているのがわかった
もう抑える気もない。
横にいる舞が苦笑いしながら、見ていたが止めはしなかった。
仁はズカズカと編集長の席の前に歩いていくと、
「やってくれたなぁコノヤロウ!」
「へっ?」
「へっ?じゃあねぇわ!
全く収穫ない上に書かせるとかバカか
あんたは!」
「あ~ごめんごめん」
ヘラヘラと野上は笑っている。
「本当、何回目ですか!無茶ぶり言うのも!」
「本当ににごめんって~ただの興味心
だったんだ~ハメようとは断じてしてないからさぁ~」
「無茶ぶりはいいとしてもJKにいい歳したおっさんを合わせに行くのは辞めてくださいよ!
もうこれっきりにしたいんですから!」
流石に危ない橋を渡るのはこれっきりにしたい。
警察の世話になるなんてごめんだ。
「本当にに悪かったって今日1杯奢るからさ」
この言葉に食いついた薫が
「それホント~?」
とニヤニヤしながら顔を出している。
ナイスタイミングだ。
「そうですよ~責めてもう1人分位奢って貰わないと誠意が感じられないですからねぇ~」
「ぐ、」
効果覿面だったらしく、
「わかったよ奢ればいいんでしょ奢れば」と不服そうな顔で言った。
「ジンジンやるぅ♬︎」
「かおるっちもぉ~」と気色悪い声を
2人で上げながらハイタッチすると、
早々に自分の荷物を片付け、居酒屋に
繰り出す準備を進めた。
          ◆
「さぁ~で飲むわよ~!」
薫は早く退社出来たことと奢りで
いつも以上にはしゃいでいる。
「なんでこうなった…」
「自業自得ですよ」
「まさか薫ちゃんも乗っかるとは思わないじゃん」
「そりゃそうですけど」
ここまで不服そうな顔をする野上も珍しい。
よっぽどこの事が効いているみたいだ。
「まぁ今日ぐらいは腹括ってください」
「そーそー!また今度うちらが奢ってあげるからさ♪」
「期待はしときますよ」
苦笑いで野上が言う。
こうやって3人で飲みに行くのも久しぶりだ。
「顔、ニヤケてますよ」
「へ?」
どうやら腐れ縁の飲みに胸を踊らせているのはお互い様らしい。
野上も少し緩んだ顔持ちだった。








本当に一瞬だった。










その悲劇が起きたのは




「え?」
野上の首と身体は
誰もが理解する前に
1本の直線により離れた。
一瞬の出来事すぎて何がなんだか分からなかった。
だが目の前にいるどう見ても普通じゃない男がゆらりと身体をこちらに向けた。
目は焦点が定まっておらず、
口元はまるで三日月のように歪んでいた
「なにしてんの!はやく逃げるよ!」
薫のその言葉で正気が戻った仁は強引に
手を引っ張られその男から離れた。
目撃した人達も悲鳴を上げながら、蜘蛛の子を散らすように逃げて行く。
「なんですか!あれ!急になんなんですか!」
「私だって知りたいわよ!
急に走って来たと思ったら野上さんが
殺されてたんだから!」
本当にに意味が分からない異常事態だ。
後ろを振り返るとまるで獣のように、
男はぐちゃぐちゃながらも刀状に変形した右腕を掲げながら追いかけてくる。
ヤバすぎる。
「やべっ!?」
足元にある段差に引っかかり、転んでしまった。
「仁くん!!」
気を違えた男は
〈Ksyoooooooooooo!!!!!!!!!!〉と言う
咆哮を上げながら、
意味のわからない形状の右腕を振りかざして来る。
〔終わった〕
そう思い、目をつぶった。



 





ガギィン!









まるで金属がぶつかるような鈍い音が
辺り一体に鳴り響いた。
不思議なことに痛みは全くなかった。
「間に合った!」
顔を上げるとそこには男の右腕を
受け止めたひとつの人影があった。
よく見てみるとその顔はまるで
ヒーローのような仮面に包まれていた。
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