転生男爵家五男は、忍びのあの子を囲いたい。

黒川

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第一章

2

クインテスは、脳筋使用人と一緒に冒険者ギルドに登録をしに行きました。
因みに、脳筋使用人の名前はアリアと言います。
齢16の可愛らしい女の子……の、筈です。

「クインテス・スケイルズ……あー、スケイルズ商会の坊主か。お前、商会の仕事を手伝わないのか?」

スケイルズは、まだ字が上手く書けないので、ギルド登録の用紙はアリアに頼みました。受付にそれを提出すると、屈強な受付員が経歴を見てクインテスに話しかけたのです。

「ぼく、まだ4しゃい

ピシッと右手で4本指を立てます。
屈強な受付員は、デロンと顔を緩ませてクインテスの頭を撫でました。

「そーかそーか、まぁだ父ちゃん母ちゃんたちの仕事を手伝うのは難しいか。とは言え、こっちの依頼も4歳でこなせるものは……多くは無いが、しっかり頑張れよ」

「はーい」

ピシッと手を挙げて良い子のお返事をすると、屈強受付員はクインテスとアリアに飴ちゃんをオマケにくれました。

「飴、んまんま」

「スケイルズ商会のはちみつ飴ですね。人気で入手困難と言われてる飴ですわ」

しょうそうなの?ぼくの家ってしゅごい凄いんだね」

「坊ちゃまも、スケイルズの名に恥じない冒険者を目指しましょう」

「うん!アリア、よろしくね」

「はい、坊ちゃま」

そんなこんなで、クインテスのギルド登録は終わりました。
因みに、ドコアルーノ国では0歳からギルド登録が可能です。理由は、冒険者同士で婚姻を結び、そして子ができた場合、赤子を乳母車に乗せながら、またはおんぶ紐で背中に赤子を括り付けたまま、依頼をこなす親がいるので、冒険者しか入れないダンジョン等に入る場合は子も登録が必須なのです。
故に、0歳からの登録が可能なのです。


◆◆◆◆◆


「うぇぇぇん!!アリアぁぁぁ!!!もんしゅたーモンスターこぁぁぁい!!」
「ぼっちゃま!根性ですよ!ド根性をお見せくださいませ!」
「うぇぇぇん!!!」

ペシペシ。
クインテスはアリアから与えられた木の剣でスライムを叩きました。
スライムはプルンプルンと震えています。
今日はモンスター討伐です。
ドコアルーノ国には、たくさんのダンジョンや魔の森が蔓延っており、日々人々を困らせています。
その討伐を一手に引き受けているのが、冒険者と呼ばれる人たちなのです。
ドコアルーノ国では、冒険者はきちんとした職業で、ギルドに登録することで身分証明がされます。
ただ、誰でも登録出来ると言うわけではなく、ドコアルーノ国民のみの登録となり、他国からの移住者は、この限りではありません。
他国からの移住者は、少しばかり面倒くさい条件をクリアする事で、冒険者登録が可能になります。
幸い、クインテスはドコアルーノ国の貴族なので保証人も保護者も不要で登録が出来ました。

それはそうと今日のモンスター討伐です。
クインテスは4歳児らしくピエピエ泣きながらスライムを攻撃しています。

(スライム怖ぇぇぇー!!!!こんなグロいの!?やめて!?俺のSAN値はもうゼロよぉぉー!!!)

前世の記憶があるせいか、現代は日本の甘えた大学時代を過ごした立派な現代人の感性を持つと、スライムさえもキモくて怖いモンスターに見えるのです。

「うぇぇぇぇん!!!アリア!!アリア!!たしゅけてぇぇぇー!!!」
「なりませんっ!!なりませんわ!!ぼっちゃま!!己のそのつるぎで、えいやっと一突きするのですわっ!!」
「うぇぇぇぇん!!!アリアの鬼ぃぃ!!!(ザシュ)」
「あら」
「おん?(ザシュ、ザシュ)でちた出来た

クインテスは、剣の先をスライムに向け、ザシュっと一突きすると、その後は躊躇なくスライムに剣を突き刺しました。

(な……なんかクセになる感触っっ!!)

「アリア、ぼくもうちょっとたおしゅ倒す
「その心意気ですわぁー!!!」

クインテスは、スライムに突き刺す剣の感触に嵌まったのでした。
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