転生男爵家五男は、忍びのあの子を囲いたい。

黒川

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第一章

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「なんだ?坊主、随分と狩ってきたな。4歳なのにえらいえらい」

ギルドの屈強な受付員が、クインテスの持ち込んだ「核」を見て褒めてくれました。
「核」とは、モンスターの中心です。倒した証明として「核」をモンスターから取り除き、冒険者はそれを持ち帰り、ギルドに報告をするのです。

「アリアに手伝って貰ったのか?」

「いいえ、坊ちゃまは1人で全て倒しました」
「ぼく、ひとりでがんばったの。アリア、てちゅだってくれにゃい。こんじょー!!しか言わにゃい」

プクっとクインテスが膨れると、屈強な受付員はガハガハと笑いました。

「そりぁ酷ぇな!しかしアリアよ、こっちの坊ちゃんは貴族のご子息ってやつだろ?万が一の事が無いように、しっかり守ってやれよ」

「言われなくとも、そうしますわ」

アリアはプイっと顔を背けました。

「アリア、たしゅけてね?ぼくがあぶにゃくなったらたしゅけてね?」

クインテスは、今日だけでも少しばかり恐怖を覚えたので、念には念を入れてアリアに頼みました。
すると、彼女はニッコリ笑って、

「当然ですわ。スケイルズ家の名に恥じない冒険者を目指しましょう!!」
「うんっ!!!」

何度目か分からない宣言に、クインテスも元気いっぱいに答えます。
貴族なのに冒険者…………
2人のやり取りを見て、周囲の冒険者たちは少しばかり思う事がありましたが、きっとこの小さな貴族の坊っちゃんにも、色々と事情があるのだろうと要らない想像力を掻き立て、お互い目を合わせて頷き合いました。

──なにかあったら、俺たちも守ろう、この小さな命を──

と。
そんな事を思われているとは微塵も思っていない2人は、次のモンスター討伐の依頼を眺めるのでした。

「アリア、しばらくはスライムよ?」
「いいえ、いいえ坊ちゃま、スライムは坊ちゃまには生ぬるかったですわ。次はマッドマッシュルームあたりを行きましょう」
「スライムは生ぬるくにゃいよ!!こわかったからね?ぼく、夜に夢見ちゃうかもしれにゃいよ!?マッドマッシュルームって怖いお顔のきのこだよね?ヤダヤダ!!夢にでりゅよ!!よるひとりでしっこいけにゃい!!」
「大丈夫ですわ、坊ちゃま。夢に出たら剣で一突きですわ、こう!!こう!!(光の速さの如くの剣技)」
「あ……アリア……速しゅぎ過ぎて見えにゃい……」
「大丈夫ですわ、坊ちゃまも根性があればこれくらいどうってこと無いですわ。直ぐにこれくらいのスピード出せますわ!」
「えぇー……」

ちなみに、アリアは冒険者登録を幼少期に済ませ、国の有事の際には必ず駆り出されると言う「SS」ランクを持っています。
なぜ、そんな彼女がスケイルズ家の使用人として働いているか?と言うお話は、また今度。
そんな事より、クインテスは冒険者になるための相談を、彼女にした事をこっそりと後悔するのでした。
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