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第二章:本編
24-マチナカサガリ の、なりすまし
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キリは清掃会社に、俺はデイブに交渉を行い、ほぼキリの希望通りのダブルワークが確定した。
あとはデイブの会社の開始待ち。
清掃会社では完全なダブルワークが出来るよう、配属への配慮がされるらしい。
キリは現場勤めを最後まで粘って交渉していたみたいだが、叶わなかった。
本社人事部付の教育担当になるらしい。
それはそれで実質昇格なんじゃないか?とも思うのだが、キリは少し残念そうにしていた。
今は、今まで通りの現場と今後を見据えた教育担当向けの研修に追われている。
新しい事を覚えるのは大変だろうが、心なし楽しそうにしているのが幸いだ。
下手に言い包めてキリを管理しなくて良かった。
今の結果を「自分で選択した」事で、だいぶ前向きに仕事をしている。
やっぱり見守るのも大事なのだと改めて俺も学んだ。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
忙しくも、それでいて楽しそうに仕事をしているキリを見守る日々を送っていたら、ある日を境にキリのスマホにまぁまぁの着信件数が残っていた。
キリに聞いても電話主の心当たりは無いと。
電話番号は2つ。毎日の様にかかってくる。
たちの悪い事に、毎回ワンギリだ。
留守電も無けりゃショートメールも来ない。
何がしたいのか全く分からない。
強いて言えば折り返しさせたいのだろうか?
こんなご時世で心当たりのない番号からワンギリされて折り返すか?
俺だったら絶対にしない。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
「着拒しろ」
俺の目の前でワンギリされる。
悪質にも程があるだろうがよ。
せめて意図が分かればと静観させていたが、気づくと10件以上履歴が残ってるとキリから報告を受けていた。
本当に連絡を取りたいのなら、そのうちワンギリ以外の手段で何かしら繋がりを求めてくるだろうと思っていたが、相手も頑なにワンギリするだけだった。
「そうだね、ちょっと悪質だよね」
キリはそう言ってスマホを操作してしつこかった番号の着信拒否をした。
そして次の日、電話の主が判明した。
キリの母親からショートメールが届いていたのだ。
『妹と弟に電話をかけなさい』
なんで親からの連絡がメッセージなんだ?電話かけて会話すりゃいいのに。
と、割とこまめに家族と電話をする俺の家族と比較した。
「お前の家族ってマジでめんどくせーな?ちょっとスマホ貸せ」
とは言え、こちらから電話するのも癪なので、俺がキリのフリをして母親とやりとりをする。
『固定電話が繋がりません』
『携帯にかけなさい』
『番号知りません』
『あの2人は毎日あなたにかけてるって言ってるわよ!』
『番号を知りません。知らない番号は出ません』
『何言ってるのよ!家族でしょ!』
『だから、2人の番号を知りません。どの番号ですか?』
『×××-、と×××-よ。毎日かかってきてるでしょ!』
『毎日ワンギリされて気味が悪かったので着信拒否しました』
『折り返しなさい』
『着信拒否は解除するので、そちらからかけてください。あとワンギリはやめてください。出られたら出ます。出なかったら留守電なりメッセージで用件を入れてください』
ワンギリ電話の犯人は、キリの弟妹だった。
あんな電話のかけ方で誰が折り返すかよ。
「あの馬鹿2人かよ」
思わず溜め息と一緒にボヤきが出てしまった。
あとはデイブの会社の開始待ち。
清掃会社では完全なダブルワークが出来るよう、配属への配慮がされるらしい。
キリは現場勤めを最後まで粘って交渉していたみたいだが、叶わなかった。
本社人事部付の教育担当になるらしい。
それはそれで実質昇格なんじゃないか?とも思うのだが、キリは少し残念そうにしていた。
今は、今まで通りの現場と今後を見据えた教育担当向けの研修に追われている。
新しい事を覚えるのは大変だろうが、心なし楽しそうにしているのが幸いだ。
下手に言い包めてキリを管理しなくて良かった。
今の結果を「自分で選択した」事で、だいぶ前向きに仕事をしている。
やっぱり見守るのも大事なのだと改めて俺も学んだ。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
忙しくも、それでいて楽しそうに仕事をしているキリを見守る日々を送っていたら、ある日を境にキリのスマホにまぁまぁの着信件数が残っていた。
キリに聞いても電話主の心当たりは無いと。
電話番号は2つ。毎日の様にかかってくる。
たちの悪い事に、毎回ワンギリだ。
留守電も無けりゃショートメールも来ない。
何がしたいのか全く分からない。
強いて言えば折り返しさせたいのだろうか?
こんなご時世で心当たりのない番号からワンギリされて折り返すか?
俺だったら絶対にしない。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
「着拒しろ」
俺の目の前でワンギリされる。
悪質にも程があるだろうがよ。
せめて意図が分かればと静観させていたが、気づくと10件以上履歴が残ってるとキリから報告を受けていた。
本当に連絡を取りたいのなら、そのうちワンギリ以外の手段で何かしら繋がりを求めてくるだろうと思っていたが、相手も頑なにワンギリするだけだった。
「そうだね、ちょっと悪質だよね」
キリはそう言ってスマホを操作してしつこかった番号の着信拒否をした。
そして次の日、電話の主が判明した。
キリの母親からショートメールが届いていたのだ。
『妹と弟に電話をかけなさい』
なんで親からの連絡がメッセージなんだ?電話かけて会話すりゃいいのに。
と、割とこまめに家族と電話をする俺の家族と比較した。
「お前の家族ってマジでめんどくせーな?ちょっとスマホ貸せ」
とは言え、こちらから電話するのも癪なので、俺がキリのフリをして母親とやりとりをする。
『固定電話が繋がりません』
『携帯にかけなさい』
『番号知りません』
『あの2人は毎日あなたにかけてるって言ってるわよ!』
『番号を知りません。知らない番号は出ません』
『何言ってるのよ!家族でしょ!』
『だから、2人の番号を知りません。どの番号ですか?』
『×××-、と×××-よ。毎日かかってきてるでしょ!』
『毎日ワンギリされて気味が悪かったので着信拒否しました』
『折り返しなさい』
『着信拒否は解除するので、そちらからかけてください。あとワンギリはやめてください。出られたら出ます。出なかったら留守電なりメッセージで用件を入れてください』
ワンギリ電話の犯人は、キリの弟妹だった。
あんな電話のかけ方で誰が折り返すかよ。
「あの馬鹿2人かよ」
思わず溜め息と一緒にボヤきが出てしまった。
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