地下アイドルを推してたワープアコミュ障陰キャな僕だけど気付いたら執着系ハイスペイケメンに僕が推されて(性的にも)磨かれました？

第二章：本編

24-カナタキリ の、災難

サガリ君はデイブさんに、僕はマネージャーと人事部にダブルワークの事を掛け合った。
そして、話し合いと交渉の結果、僕のダブルワークは、ほぼ確定。
あとはデイブさんの会社との手続き待ちとなった。
残念な事と言えば、完全にダブルワークが始まったら清掃会社の方ではチームリーダーから外され、現場も離れる事だ。
ここは……ちょっと粘ってみたのだけど、希望する働き方をするなら現場配属は難しいと言われてしまったので、受け入れた。
ただ、現場経験が長いから、スポットでヘルプに入る事はあるかもだって。
それはそれで楽しそう。
異動先は人事部教育課だ。
主な仕事は新しく入社してきた方への実務研修。

「君の実務はお手本の様に正確だって、マネージャーが言っていたからね、適任だと思うよ」

と、面談してくれた人事部の方が言ってくれた。
自分が清掃するのと、それを人に教えるのは、また勝手が違うからと、異動はまだ先ではあるけど、定期的に本社に出社して人に教えるための研修も受けている。


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仕事が充実するって楽しい。
そこに今度はデイブさんとの仕事も始まるなんて、僕の人生どうなっちゃうんだろう？
プライベートでは推し活だって充実しているし、恋人も居る。
凄くない？
こんなキラキラした人生なんて。
サガリ君と出会ってから凄く人生が変わった。
これからもずっとサガリ君と一緒にいられたらいいなぁ。

なんてフワフワした気持ちになりながら毎日充実した生活を送っていたら、僕のスマホに知らない携帯番号から着信がたくさん残っていた。
しかも番号は2つあった。
たまに知らない番号からかかって来る事があるけど、こんなに同じ番号からたくさん入るのは初めて。
しかも、僕が電話に出られる時間にかかってくる事もあるのだけど、毎回すぐ切れてしまうワンギリ。

ちょっと気味が悪い。

それとも、僕の知ってる人なのかな？
留守番電話は何も録音入ってないし、ショートメールも入ってない。
そんな事が数日続いている。
本当に連絡を取りたいなら、繋がらなければどちらか入れるだろうなと思って、その2つの番号には折り返しの連絡は入れなかった。


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「着拒しろ」

もう何度目か分からない、1コールの着信で切れた僕のスマホを睨みながらサガリ君が言ってきた。

「そうだね、ちょっと悪質だよね」

ここのところ、2つの番号から毎日電話がかかってくるから、気が付くと10件以上の着信履歴が残っている。電話に出ようにも、すぐに切れちゃうから出られないし、用件が分からないから折り返しも何となく怖い。サガリ君も折り返す必要は無いって言ってくれているし。
なので、僕は2つの電話番号を着信拒否登録をした。

そしてその翌日、母親からショートメールが届いていた。

『妹と弟に電話をかけなさい』

僕は、2人の連絡先を知らないので、自宅の固定電話に電話をかけた。

「あれ？使われてない」

電話をかけると、使われてない番号だとアナウンスが流れた。

「お前の家族ってマジでめんどくせーな？ちょっとスマホ貸せ」

一連の流れを見ていたサガリ君が、僕のスマホを取り上げた。
そして、素早い手つきで母親とメッセージのやり取りをしている。

『固定電話が繋がりません』
『携帯にかけなさい』
『番号知りません』
『あの2人は毎日あなたにかけてるって言ってるわよ！』
『番号を知りません。知らない番号は出ません』
『何言ってるのよ！家族でしょ！』
『だから、2人の番号を知りません。どの番号ですか？』
『×××-、と×××-よ。毎日かかってきてるでしょ！』
『毎日ワンギリされて気味が悪かったので着信拒否しました』
『折り返しなさい』
『着信拒否は解除するので、そちらからかけてください。あとワンギリはやめてください。出られたら出ます。出なかったら留守電なりメッセージで用件を入れてください』

凄いやりとりだった。

「あの馬鹿2人かよ」

サガリ君がぼやいた。