地下アイドルを推してたワープアコミュ障陰キャな僕だけど気付いたら執着系ハイスペイケメンに僕が推されて(性的にも)磨かれました？

第二章：本編

23-マチナカサガリ は、支える

キリの方向性が決まると、色々と話は進んだ。
まずは清掃会社の方の労働条件を確認。
その際、念の為とキリには今後も継続してそっちの会社で働く意思があるかどうかは、なるべく暈しておけと伝えておいた。

デイブの方もそうだが、相手の要望に全て応えようとコチラが動けば、会社だって自分の方を優先させるように条件を結ばせたがるのが心理だ。

「まぁ、キリん所はデカい会社だから個人の感情で勤務形態が変わる様な所では無いと思うけど、念の為な？」

と、キリに釘を刺せば、神妙に頷く。
面談時に、どう返しているか不明だが、ここは俺の入り込めない領域なので本人に頑張って貰うしかないだろう。


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「ほーん？割と自由度が高くなるな、これだと」

「うん。所属が何処になるかでも変わるけど、僕としては今まで通り現場で働きたいんだよなぁ」

マネージャーから渡されたと言う、ダブルワークの規定書を2人で確認した。
基本は労働基準法に則っており、かなりフラットな文面で条件は組まれていた。
これならわざわざ今後の意思を暈す必要も無かったかもな。
デカい会社は違った。
法定労働時間で双方の労働を管理するなら、割合が必要になってくるだろう。

「割合的にはどうしたい？」
「半々が理想だけど……無理かな？」
「言うだけ言ってみればいいじゃん」
「そうだね」

希望は言うだけは言っておいた方が良い。
けど、現場でのリーダー職は確実に降ろされるだろう。
キリもそれを予測出来ているのか、心なし落ち込んでいる。
しかし、全てが自分の希望通りになるわけではないのだから、通したい所は通して、飲み込む所は飲み込むべきだろう。
キリの第一優先は時間だ。
どちらも平等に仕事をしたいと思っている。
それであればと、双方が上手く両立出来そうな希望をいくつか提案を出した。

「じゃぁ、希望としては……こんな感じで、デイブにもソレが通用するか聞いてみる」

「う、うん。デイブさんの方は完全にサガリ君に頼っちゃうね」

「頼れ頼れ」

デイブの方は完全に俺の交渉。
清掃会社は一旦キリの持ち帰り、上司に相談をするよう指示を出した。

「ありがとう」

と、お礼を言われれば自然と頭に手が伸び、随分と成長を遂げたキリの頭を撫でた。

「キリは偉いな。出会った頃とは大違いだ」

ラキが人生の全てだと豪語し、己の変化に興味を持たず、将来も見据えて無かった陰キャでコミュ障だったあのキリが、だ。
今じゃ外見も中身も良い方向に変わっている。
外見は、俺の手柄だ。
どんだけ磨いてどんだけ維持させていると思っている。
おかげで年齢不詳の美青年だ。
中身だって陰キャでコミュ障な雰囲気は拭えないが、他人との受け答えはかなり成長しているし仕事の向上心も芽生えている。
向上心が無けりゃダブルワークなんてしてない。
しかも、どちらも手放さないためにどうしたら良いかと自分の意思で動き始めている。

「昔のキリも好きだが、今はなんだろうな……好きなのは変わらないが、愛おしくも思う」

素直にキリへの気持ちを伝えると、

「ふへっ……ぼ……ぼくも……っ、サガリ君の事……好きじゃ足りないくらい好き！」

なんとも色気皆無な反応ではあったが、俺が満足するには十分な態度だった。

愛おしい、愛してる。

共に過ごす時間が増える度に、その気持ちが膨れ上がる。




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いつも本作品をお読み頂きありがとうございます。
11月、始まりましたね。
お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、実はこちらの作品、第13回BL大賞にエントリーしております！
なので、よろしければ今後もお付き合い頂き、もし、もしですね、票が余ってるなーなんて方がいらっしゃいましたら、本作品への投票をご検討頂ければと思います！

わかる！！わかるよ！！今年もきっと3票しか握りしめられないもんね！！足りないよね！！自分も毎年少ない票を握りしめて血の涙を流しながら3作品に絞り込んでますので！！そのお気持ち、分かります！！
ので、気が向いたら～で良いので、本作品もちょびっと思い出してくださると嬉しく思います。


そして、11月には本編完結させるべく、本日より更新頻度を上げて行こうかと思っております。
目指せ！毎日更新！！

ここまでお読み頂きありがとうございました。
これからも、本作品をよろしくお願いします。