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第二章:本編
23-カナタキリ は、歩む
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マネージャーからの回答はすぐだった。
そして、もし本格的なダブルワークをするなら人事部へ必要書類の提出と面談の必要がある事と、相談窓口として人事部の電話番号と相談に乗ってくれる担当の方の名前を教えてくれた。
「もし、カナタ君の希望通りの勤務にならなかったら……ここを辞める可能性ってある?」
マネージャーが恐る恐る僕に聞いてきた。
僕は、少しだけ首を傾げて曖昧に濁した。
「まだ何とも言え無いです。ダブルワークを希望してますが、それが叶わなければ……悩んじゃうかもです」
サガリ君に希望通りの勤務形態にならなかった場合の事を聞かれた際、念を押された。
それは「貴方の要望に応えます」と宣言しない事。
僕がどのみち会社を辞めないって事を、相手が知っていると自分の会社に有利になるように事を進める可能性があるかも知れない、とサガリ君は言った。
「まぁ、キリん所はデカい会社だから個人の感情で勤務形態が変わる様な所では無いと思うけど、念の為な?」
だって。
だからマネージャーには申し訳ないのだけど、ちょびっとだけ言葉を濁した。
「そうだよね。私もね、カナタ君がダブルワーク出来るように協力するから、これからも何でも相談してね」
「はい」
騙しているわけでは無いけど、少し心苦しい。
でも、これも必要な事だってサガリ君が言っていたので、僕はグッと喉を引き締めて返事をした。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
「ほーん?割と自由度が高くなるな、これだと」
「うん。所属が何処になるかでも変わるけど、僕としては今まで通り現場で働きたいんだよなぁ」
マネージャーから渡されたダブルワークの規定書を2人で確認した。
細かい字がいっぱいで最初は理解出来なかったけど、サガリ君が噛み砕いて説明してくれたので、僕も理解する事が出来た。
あらかじめ出勤日数や勤務時間を減らす事でダブルワークを成立させるんだって。
「割合的にはどうしたい?」
「半々が理想だけど……無理かな?」
「言うだけ言ってみればいいじゃん」
「そうだね」
そうなるとチームリーダーは外されるだろうなぁ。
せっかく現場のパートさんとも仲良くなれたのに、ちょっと残念。
「じゃぁ、希望としては……こんな感じで、デイブにもソレが通用するか聞いてみる」
「う、うん。デイブさんの方は完全にサガリ君に頼っちゃうね」
「頼れ頼れ」
「ありがとう」
サガリ君は、上手く両立出来そうな提案をいくつか出してくれた。
僕はそれを持ってマネージャーにもう一度相談してから人事部に連絡をする予定だ。
サガリ君にアドバイスのお礼を言うと、僕の頭を撫でてくれた。
「キリは偉いな。出会った頃とは大違いだ」
だって。
確かに、僕もそれは凄く感じている。
あの頃はラキちゃんが僕の人生の全てだったけど、今は今でラキちゃんへの好きは変わらないけど、ラキちゃん以外の世界も広がった。
まさか自分が英会話ができるようにかなるなんて思って無かったし、資格を取ったりダブルワークするなんて思ってもいなかった。
これも成長?なのかな?
「昔のキリも好きだが、今はなんだろうな……好きなのは変わらないが、愛おしくも思う」
「ふへっ……ぼ……ぼくも……っ、サガリ君の事……好きじゃ足りないくらい好き!」
愛してる、て言葉がきっとピッタリなんだよね。
2年前も愛してるって思ったけど、きっと今の方がずっとサガリ君の事を愛している。
そして、もし本格的なダブルワークをするなら人事部へ必要書類の提出と面談の必要がある事と、相談窓口として人事部の電話番号と相談に乗ってくれる担当の方の名前を教えてくれた。
「もし、カナタ君の希望通りの勤務にならなかったら……ここを辞める可能性ってある?」
マネージャーが恐る恐る僕に聞いてきた。
僕は、少しだけ首を傾げて曖昧に濁した。
「まだ何とも言え無いです。ダブルワークを希望してますが、それが叶わなければ……悩んじゃうかもです」
サガリ君に希望通りの勤務形態にならなかった場合の事を聞かれた際、念を押された。
それは「貴方の要望に応えます」と宣言しない事。
僕がどのみち会社を辞めないって事を、相手が知っていると自分の会社に有利になるように事を進める可能性があるかも知れない、とサガリ君は言った。
「まぁ、キリん所はデカい会社だから個人の感情で勤務形態が変わる様な所では無いと思うけど、念の為な?」
だって。
だからマネージャーには申し訳ないのだけど、ちょびっとだけ言葉を濁した。
「そうだよね。私もね、カナタ君がダブルワーク出来るように協力するから、これからも何でも相談してね」
「はい」
騙しているわけでは無いけど、少し心苦しい。
でも、これも必要な事だってサガリ君が言っていたので、僕はグッと喉を引き締めて返事をした。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
「ほーん?割と自由度が高くなるな、これだと」
「うん。所属が何処になるかでも変わるけど、僕としては今まで通り現場で働きたいんだよなぁ」
マネージャーから渡されたダブルワークの規定書を2人で確認した。
細かい字がいっぱいで最初は理解出来なかったけど、サガリ君が噛み砕いて説明してくれたので、僕も理解する事が出来た。
あらかじめ出勤日数や勤務時間を減らす事でダブルワークを成立させるんだって。
「割合的にはどうしたい?」
「半々が理想だけど……無理かな?」
「言うだけ言ってみればいいじゃん」
「そうだね」
そうなるとチームリーダーは外されるだろうなぁ。
せっかく現場のパートさんとも仲良くなれたのに、ちょっと残念。
「じゃぁ、希望としては……こんな感じで、デイブにもソレが通用するか聞いてみる」
「う、うん。デイブさんの方は完全にサガリ君に頼っちゃうね」
「頼れ頼れ」
「ありがとう」
サガリ君は、上手く両立出来そうな提案をいくつか出してくれた。
僕はそれを持ってマネージャーにもう一度相談してから人事部に連絡をする予定だ。
サガリ君にアドバイスのお礼を言うと、僕の頭を撫でてくれた。
「キリは偉いな。出会った頃とは大違いだ」
だって。
確かに、僕もそれは凄く感じている。
あの頃はラキちゃんが僕の人生の全てだったけど、今は今でラキちゃんへの好きは変わらないけど、ラキちゃん以外の世界も広がった。
まさか自分が英会話ができるようにかなるなんて思って無かったし、資格を取ったりダブルワークするなんて思ってもいなかった。
これも成長?なのかな?
「昔のキリも好きだが、今はなんだろうな……好きなのは変わらないが、愛おしくも思う」
「ふへっ……ぼ……ぼくも……っ、サガリ君の事……好きじゃ足りないくらい好き!」
愛してる、て言葉がきっとピッタリなんだよね。
2年前も愛してるって思ったけど、きっと今の方がずっとサガリ君の事を愛している。
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