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第二章:本編
37-マチナカサガリ の、推し活
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忙しくも充実した日々、なんて言葉が良く似合っている。
キリは完全シフト制でダブルワークをこなす日々を送っていた。
最初の頃こそ双方の仕事への気持ちの切り替えが上手く行かず、戸惑っている様子もあったが、今は割と上手くこなしているように見える。
そんな日常を送っていたら、ラキが全国ツアーの告知を出した。
……またキリの生活が、より充実するな。
告知が出た途端、一気にキリの周囲に花が咲いたんじゃないかってくらい雰囲気が異常に明るくなった。
見間違いでは無いはずだ。
北は北海道から南は沖縄まで。
ライブハウスを巡るツアーだ。
箱も、主要都市はデカい所を押さえているが、地方なんかは収容人数大丈夫か?と心配になるくらい小さな箱もある。
ただ、日程が異様に多い。
ガチオタが全通するには会社なり学校を半年しっかり休む必要があるだろと言いたくなるレベルだ。
プロだからそこら辺も加味した上での日程なのだろうが、ラキの体調も心配になる。
だが、今回の全国ツアーはラキなりに想いもあるのだろう。
有名になりライブ会場もイベント会場も大きくなった今、全てのファンが望むように現場に行けているかと言うと、そうでもない。
チケットが発売されれば、取れなかったファンがSNSで嘆く。
下手すりゃ転売屋も出てくるレベルだ。
そんな中での全国ライブハウスツアー。
ラキはSNSで発信をしている。
『ファンクラブ経由なら、行きたい子は必ず一度はご用意出来るようにするからね。なんならチケット余らせて当日券あります!ってアナウンスもやりたいから、みんな空気読むんだよw』
『無理して遠征しなくていいからね。今度は私がみんなに会いに行く番。いい子で待っててね。そこで待ってるんだよ』
今回はチケットを余らせたいみたいだ。
ラキらしい配慮で、思わず惚れ直した。
勿論、一番はキリだがな。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
「東京が当たれば良いけど……遠征もしてみたいなぁー」
キリが全国ツアーの特設サイトを眺めながら呟いている。
告知が出てからずっとラキ一色だ。
ラキは遠征しなくて良いと言ってるが、こう言うツアーをきっかけに遠出をするのも醍醐味だろう。
キリが日帰りならばと関東圏のライブハウスの場所を色々と調べている。
俺も日程や開催場所を確認しながら、ついでに2人で旅行に行ければ等と考えた。
「関東だったら日帰りも出来そうだよね」
「いっその事、旅行ついでにライブに行くでも良いと思うぜ?」
「旅行!!それもいいね!」
「俺の大学卒業旅行に合わせて一緒に行くか?」
「えぇー!!!なにそれ!なにそれ!!」
旅行に誘えば、キリがかなりテンションを上げてきた。
聞けば修学旅行以外で旅行に行った事が無く、卒業旅行と言う言葉も知らなかったとの事。
……どうせクソ家族はキリを置いて4人で旅行に行っていたのだろう……と、久々に怒りが沸いた。
「大学卒業に合わせて仲の良い奴らと旅行行くんだよ。付き合いのある奴らは個人主義ばっかだから、俺の周りではそう言う話は一切出てないが。だから、キリと行けたらいいなって思ってる」
「なにそれーーー!!!!」
卒業旅行の意も交えながら説明する。
大学で付き合いのあった奴らとは、良い仲間だとは思うがお互いに卒業旅行したいか?と言われれば、口を揃えてNOと出た。
「ラキのスケジュールが、こんな感じだと……敢えてショボい箱選ぼうぜ。お、ここ良さげ。新幹線が通ってないのもいいなっ!交通手段が不便だから集客も見込めなさそうだ!」
関東から少し離れた場所のライブハウスを選ぶ。
ショボいと言っても、ラキが地下アイドル時代と同じくらいの収容人数だ。
場所としては観光地でもあるので、決して辺鄙と言うわけではないのだが、ライブ目的で考えるとやっぱり遠征するなら新幹線は通ってて欲しい。
なので、あえて新幹線の沿線以外の場所を選んだ。
昔、家族旅行で行った事もあるので、ある程度の観光スポットは分かる。
遠征兼旅行と考えれば、良い場所だと思う。
なので、俺は早々にライブそっちのけで観光地巡りに思いを馳せた。
キリは完全シフト制でダブルワークをこなす日々を送っていた。
最初の頃こそ双方の仕事への気持ちの切り替えが上手く行かず、戸惑っている様子もあったが、今は割と上手くこなしているように見える。
そんな日常を送っていたら、ラキが全国ツアーの告知を出した。
……またキリの生活が、より充実するな。
告知が出た途端、一気にキリの周囲に花が咲いたんじゃないかってくらい雰囲気が異常に明るくなった。
見間違いでは無いはずだ。
北は北海道から南は沖縄まで。
ライブハウスを巡るツアーだ。
箱も、主要都市はデカい所を押さえているが、地方なんかは収容人数大丈夫か?と心配になるくらい小さな箱もある。
ただ、日程が異様に多い。
ガチオタが全通するには会社なり学校を半年しっかり休む必要があるだろと言いたくなるレベルだ。
プロだからそこら辺も加味した上での日程なのだろうが、ラキの体調も心配になる。
だが、今回の全国ツアーはラキなりに想いもあるのだろう。
有名になりライブ会場もイベント会場も大きくなった今、全てのファンが望むように現場に行けているかと言うと、そうでもない。
チケットが発売されれば、取れなかったファンがSNSで嘆く。
下手すりゃ転売屋も出てくるレベルだ。
そんな中での全国ライブハウスツアー。
ラキはSNSで発信をしている。
『ファンクラブ経由なら、行きたい子は必ず一度はご用意出来るようにするからね。なんならチケット余らせて当日券あります!ってアナウンスもやりたいから、みんな空気読むんだよw』
『無理して遠征しなくていいからね。今度は私がみんなに会いに行く番。いい子で待っててね。そこで待ってるんだよ』
今回はチケットを余らせたいみたいだ。
ラキらしい配慮で、思わず惚れ直した。
勿論、一番はキリだがな。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
「東京が当たれば良いけど……遠征もしてみたいなぁー」
キリが全国ツアーの特設サイトを眺めながら呟いている。
告知が出てからずっとラキ一色だ。
ラキは遠征しなくて良いと言ってるが、こう言うツアーをきっかけに遠出をするのも醍醐味だろう。
キリが日帰りならばと関東圏のライブハウスの場所を色々と調べている。
俺も日程や開催場所を確認しながら、ついでに2人で旅行に行ければ等と考えた。
「関東だったら日帰りも出来そうだよね」
「いっその事、旅行ついでにライブに行くでも良いと思うぜ?」
「旅行!!それもいいね!」
「俺の大学卒業旅行に合わせて一緒に行くか?」
「えぇー!!!なにそれ!なにそれ!!」
旅行に誘えば、キリがかなりテンションを上げてきた。
聞けば修学旅行以外で旅行に行った事が無く、卒業旅行と言う言葉も知らなかったとの事。
……どうせクソ家族はキリを置いて4人で旅行に行っていたのだろう……と、久々に怒りが沸いた。
「大学卒業に合わせて仲の良い奴らと旅行行くんだよ。付き合いのある奴らは個人主義ばっかだから、俺の周りではそう言う話は一切出てないが。だから、キリと行けたらいいなって思ってる」
「なにそれーーー!!!!」
卒業旅行の意も交えながら説明する。
大学で付き合いのあった奴らとは、良い仲間だとは思うがお互いに卒業旅行したいか?と言われれば、口を揃えてNOと出た。
「ラキのスケジュールが、こんな感じだと……敢えてショボい箱選ぼうぜ。お、ここ良さげ。新幹線が通ってないのもいいなっ!交通手段が不便だから集客も見込めなさそうだ!」
関東から少し離れた場所のライブハウスを選ぶ。
ショボいと言っても、ラキが地下アイドル時代と同じくらいの収容人数だ。
場所としては観光地でもあるので、決して辺鄙と言うわけではないのだが、ライブ目的で考えるとやっぱり遠征するなら新幹線は通ってて欲しい。
なので、あえて新幹線の沿線以外の場所を選んだ。
昔、家族旅行で行った事もあるので、ある程度の観光スポットは分かる。
遠征兼旅行と考えれば、良い場所だと思う。
なので、俺は早々にライブそっちのけで観光地巡りに思いを馳せた。
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