地下アイドルを推してたワープアコミュ障陰キャな僕だけど気付いたら執着系ハイスペイケメンに僕が推されて(性的にも)磨かれました?

黒川

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第二章:本編

37-カナタキリ の、推し活

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完全シフト制で、デイブさんの所と清掃会社、ダブルワークで目まぐるしく過ごしていると、ラキちゃんの全国ツアーライブの告知が出た。
北は北海道から南は沖縄までを半年かけて巡る場所は、なんとライブハウス!
北海道、東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡は、なかなか大きなライブハウスを抑えていたけど、それ以外は小規模~中規模のライブハウスで、ラキちゃんの人気や知名度から言うと、全然足りない収容人数規模でのライブだった。
僕はチケットのご用意が心配で心配でたまらなかったのだけど、ツアー日程を見てビックリした。
開催場所からしてそうだろうなとは思っていたけど、ライブ日数がとても多かった。ラキちゃんの身体が心配になるくらい。
そして、チケットの申し込みはファンクラブが優先。
『ファンクラブ経由なら、行きたい子は必ず一度はご用意出来るようにするからね。なんならチケット余らせて当日券あります!ってアナウンスもやりたいから、みんな空気読むんだよw』
だって。
『無理して遠征しなくていいからね。今度は私がみんなに会いに行く番。いい子で待っててね。そこで待ってるんだよ』
聞いた事はあるけど何処にあるかちょっと曖昧な県でもライブがあって、地方住まいのファンの子たちが凄く盛り上がっていた。


▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪


「東京が当たれば良いけど……遠征もしてみたいなぁー」

全国ツアーの特設サイトを眺めながら、僕は行ったことのない県に思いを馳せた。

「関東だったら日帰りも出来そうだよね」

「いっその事、旅行ついでにライブに行くでも良いと思うぜ?」

「旅行!!それもいいね!」

「俺の大学卒業旅行に合わせて一緒に行くか?」

「えぇー!!!なにそれ!なにそれ!!」

旅行なんて、学校の修学旅行以外で行った事が無いから、ただの旅行ですらワクワクするのに、卒業旅行ってなんだろ?

「大学卒業に合わせて仲の良い奴らと旅行行くんだよ。付き合いのある奴らは個人主義ばっかだから、俺の周りではそう言う話は一切出てないが。だから、キリと行けたらいいなって思ってる」

「なにそれーーー!!!!」

楽しそうーー!!!!

「ラキのスケジュールが、こんな感じだと……敢えてショボい箱選ぼうぜ。お、ここ良さげ。新幹線が通ってないのもいいなっ!交通手段が不便だから集客も見込めなさそうだ!」

サガリ君がゲラゲラ笑いながらライブハウスを選んでいる。
ショボいて言ったって、ラキちゃんが地下アイドル時代に使っていたライブハウスと変わらない収容人数だ。
……地下アイドル時代か。
懐かしいなぁ。
あの頃はファンサもいっぱい貰えてライブ後の特典会も必ずあったもんね。
一言二言だけだったけど、直接お話する事も出来た。
それが、今じゃトップアイドルの仲間入りだもんねー。

そんなラキちゃんが、またあの時みたいな規模でライブをしてくれる。
さすがに特典会は難しいかも知れないけど、ファンとの距離が近いライブになるといいなあ。
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