地下アイドルを推してたワープアコミュ障陰キャな僕だけど気付いたら執着系ハイスペイケメンに僕が推されて(性的にも)磨かれました?

黒川

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第二章:本編

43-カナタキリ は、共に居る

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叔父さんと電話越しではあるけれど、挨拶が出来た。
サガリ君や、サガリ君のお父さんが言うように、気さくで自由な人っぽい。
そうだよね、僕の事を養子にするって言えちゃう心の大きい人なんだもの。
実際に、叔父さんと話が出来てホッとした。
そして、こんな素敵な人に囲まれて生きている事が、なんか凄いなって思っている。

「叔父さんとお話させてくれてありがとう」

「あぁ。叔父さんもキリと話をしたかったって言ってたから、丁度良かった。で、どうだ?なかなか強烈だろ?」

サガリ君が思い出し笑いをしている。

「自由な人って言葉良く分かったよ。楽しそうな人だったね」

「実際は想像の20倍は自由で面白いから、楽しみにしてな」

「そんなに?」

クスクスと僕も笑うと、サガリ君は叔父さんとの思い出話をたくさんしてくれた。

「国内連れ回されるのは当たり前だろ?北海道は日帰りで連れて行かれるからな?夏休み冬休み春休みは要注意だった。気づけば国際線に乗らされて海外なんて何度やられたか……もう父さんは無になってたよ」

「そ……そっかぁ……」

スケールが大き過ぎた。

「キリも気をつけろよ。あの調子だとキリと親子関係になったら書類上だけの話じゃなくなりそうだ」

「う……うん、確かに」

もっとドライな関係だと思ってたのに、もしかしたら本当の親子みたいな感じになるのかな?なんて、想像しちゃった。

「けど……ちょっと楽しみかも」

そんな未来を思ってクスって笑ったら、サガリ君は嫌そうな顔をしていた。
これは怒ってるんじゃなくて、拗ねてる方かな?

「えぇ~?嫌だからな。俺より叔父さんに懐くの」

ほらね。
そんな事、絶対にあり得ない事なのに。
いつものサガリ君の自信満々な態度はどうしたんだろ?

「俺、叔父さんの事大好きだから分かるんだよ。キリは叔父さんの事好きになるだろうし、叔父さんは多分キリの事、猫っ可愛がりする」

サガリ君が、小声で「俺が勝てない人の内の一人」って言っていたのもバッチリ聞こえた。
そっかぁ、サガリ君てスーパーマンみたいって思っていたけど、勝てない人も居たんだね。
何でも出来る人の弱い所ってキュンてするよね。
ますますサガリ君の事が好きになっちゃう。
僕は思わずサガリ君をギューって強く抱きしめて、頭をヨシヨシって撫でた。

「ふふっ!弱気になってるサガリ君可愛い。僕がサガリ君の事を猫っ可愛がりしちゃいそうだよ」

「なんだそれ」

サガリ君もされるがままになってる。
可愛い、可愛いサガリ君だ。
たまにこうやって立場が逆転する事もあるのもいいよね。
最初の頃は、サガリ君て「おれさま!」って堂々としてる事が多かったけど、お酒で酔っ払った時とか、気持ちが追いつかない時とかに、こうやって僕がギューってしてあげる事もある。
こう言うのも好き。
だって僕ってサガリ君より年上だからね。
存分にサガリ君の頭をヨシヨシして「おっぱい吸う?」って言いながらシャツをペロンて捲ってもみちゃう。
サガリ君は「それはあとで」って流し目しながら軽くチュッて口にキスをしてくれた。
ふふっ、今夜はエッチな流れになりそう。
この流れがなんかツボってしまって、2人でゲラゲラ笑ってしまった。
エッチな雰囲気が1ミリもない。
まぁ、それはベッドの中で出せばいいよね。
エッチな事だって、前は慣れなくてサガリ君にされるがままだったけど、最近は僕も誘ったりエッチな事を仕掛けたり出来るよ。
さっきのおっぱいペロンもそのうちの一つで⋯⋯ちょっと色気が足りなくて失敗しちゃったけど。

それにしても、今の僕って凄く幸せじゃない?
仕事は楽しくて、ラキちゃんは最高に可愛くて、サガリ君はカッコイイ。
そして今度はサガリ君の親戚になれてしまう。
こんな事があっていいのかな?って思うけど、じゃぁ「じゃない僕」の方で居るべきか?と言われると、それは嫌だなって思ってしまうくらい、この今が凄く好きになっている。
ここ数年の事なのに、凄く凄く環境が変わった。
そうなると、数年後先の環境も、もしかしたら凄く凄く変わる事もあるかも知れないけど、出来るだけ「今」から続くその先に居られたらいいなって思っている。

キラキラのラキちゃんを追いかけているだけの僕だったけど、今はたくさんのキラキラを追いかけたい。
その側にサガリ君が居てくれたら、僕は何処までも追いかけられそうな気がする!




おしまい

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