地下アイドルを推してたワープアコミュ障陰キャな僕だけど気付いたら執着系ハイスペイケメンに僕が推されて(性的にも)磨かれました？

第一章：本編

2-カナタ キリは、ラキを推す。

僕が働いている会社は、清掃会社だ。
名前を言えば結構みんな知っているような有名な会社。
会社が契約しているビルや施設を綺麗にするのが僕の仕事。
掃除や片付けは嫌いじゃないし、自分が携わった場所が綺麗になっていく様を見るのも好き。
頑張れば頑張るほど、成果が見えるものって良いよね。

話は変わるけど、僕は僕の容姿をきちんと受け入れている。
絵に描いたような、陰キャのキモオタ。誰かとお付き合いした事もないから、もちろん童貞。身長は160センチとちょっと。体型はガリガリで髪の毛はモサモサ、いつも猫背で会話はボソボソ喋るから、自分が思ってる半分も相手に伝わらない。
洋服も、経済的に買う余裕が無いって理由もあるんだけど、手持ちの3分の2は高校の時に親から与えられた服ばかりだ。

良く、オタクでもこんなにオシャレになれる！みたいなネット記事を見るけど、それは元の素材が良くて自分にお金をかけられるだけの経済力があるから言える事で、僕みたいな素材も経済力も無いオタクには関係の無い話。

頑張ったって、成果が見えないものに力を注ぐのは無駄な努力だ。

だから、僕は今日貰った給与明細を見ながら、生きるために必要な最低経費を計算し、いつも通り残った給与を全てラキちゃんへの活動費とした。

これで次のライブにも行けるし特典会でおしゃべりも出来る。不定期で配信される動画にも投げ銭が出来るだろう。

｢あー、ラキちゃん可愛いなぁ。僕の天使、タカラモノ、国宝、生きててありがとう｣

ラキちゃんのSNSに上がってる自撮りを眺めながら呟いたし、その言葉のままラキちゃんの投稿にコメントをした。

あ、ラキちゃんからコメントに「見たよ！」イイネ貰えた。
嬉しい。

ラキちゃんは凄い。
たくさんフォロワーが居るにも関わらず、こうやって僕たちファンの反応を一つ一つ見てくれる。
イイネしてくれたり、時にはコメント返しもしてくれる。
SNSの投稿に、ラキちゃん専用のハッシュタグを付けると必ず見てくれる。因みに、ラキちゃん宛のハッシュタグは｢#キラッキラッキー｣
キラキラな幸せをくれるラキちゃんらしいタグだ。
僕がハッシュタグを使うのは、ラキちゃんのライブや特典会の感想、ラーメンの写真を投稿する時くらい。
ラキちゃんはラーメンが好きだ。
でも、スタイル維持の為に頻繁には食べられないんだって。
だから彼女は良くファンにラーメン画像をくださいってお願いしてる。
だからなるべくラーメン食べた時はラキちゃん宛に写真を投稿するんだ。

……でも、外で食べるラーメンて高いよね。
一応ラキちゃん費に入れてるんだけど、ここを抑えればもっとラキちゃんにお金が使える。でも、投稿すると絶対ラキちゃんから反応貰えるからそれも嬉しい……バランスが難しいんだ。