地下アイドルを推してたワープアコミュ障陰キャな僕だけど気付いたら執着系ハイスペイケメンに僕が推されて(性的にも)磨かれました?

黒川

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第一章:本編

1-マチナカ サガリは、君を見る。

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きっかけはSNSでバズってる動画だった。
ただ、それだけだった。
地下アイドル「ヒラキ ラキ」
「キミをキラッキラのラッキーにしてあげる」が、キャッチコピー。
完全セルフプロデュースのソロアイドル。
容姿、パフォーマンス、ファンの扱い、どれをとっても他の地下アイドルよりクオリティが高い。

暇だったし、新しい刺激も欲しくて、興味本位で彼女が出演するライブ現場に足を運んだ。

そこで俺は……


▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪


俺の名前は、マチナカ サガリ。
大学2年の20歳。
人生何度目だろうか?と思うくらい、チートな人生を送っている。
身長182センチ、見た目も悪くなく、頭も良い。
在籍している大学は、名前を言えば羨望の眼差しを貰えるような有名大学。
実家は金持ち。
俺自身も興味本位で始めた資産運用が面白いくらいにプラスにしかならなく、預金通帳の桁がおかしな事になっている。
まぁ、それなりに戦略は練ったけど、ここまで上手く行くとは思わなかった。


故に、


つまらないな、と自分の人生を思う。
そこでたまたま見つけた地下アイドル、ラキだった。


▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪


彼女の定期ライブに何度か通った結果、ラキ以上に面白そうなモノを見つけた。
彼女のファンの1人だ。
いつも1人で参加していて、誰とも連む様子は無い。ステージが始まれば、ラキしか見えてない。コールも口上もフリも完璧。古参か?と思ったが、最前には絶対に行かない。いつも真ん中あたりの列に場所を取って彼女を応援している。
俺より背丈は低く、ガリガリ。髪の毛はこんもりと盛り上がり、典型的な陰キャなドルオタだ。
最初は興味本位で観察してるだけだった。
けど、そこから、見れば見るほどラキ以上に気になる存在になってきた。
名前は?
年齢は?
学歴は?
職業は?
過去にお付き合いした経験は?
なんて、名前を検索すれば必ずヒットするようなまとめサイトの様な情報を求めたが、所詮一般人のドルオタだ。出てくるはずが無い。
なので俺は地道に彼の情報を集める事にした。

特典会は彼の後ろに並んで、ラキとの会話を盗み聞く。
キリ、と呼ばれていた。本名かどうかは分からないが、その情報を元にSNSでラキに良くリプしているアカウントを巡回。
彼のアカウントはすぐに見つかった。
ネットリテラシーはどうなってるんだ?と心配になるくらい、個人情報がガバガバだった。
いや、隠すべき所は隠しているが、俺みたいに彼個人に興味を持って調べたらいくらでも身バレしてしまうレベルの警戒心だ。
天気が良いと空の写真を上げてる。

『ラキちゃんみたいにキラッキラの空だね!ラッキー!!』

だって。脳内花畑か?

『ラキちゃん……ラーメンだよ……代わりに食べておくね』

高頻度で上がるラーメン屋写真で店の特定、駅名は無いが過去の遅延情報と車内の雰囲気から使用路線とおおよその生活圏を推測。

楽しい……
俺は生まれて初めて、と言って良いくらいの充足感を覚えた。
もっと……もっと彼の事が知りたい。
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