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第一章:本編
4-マチナカ サガリ は、君を魅る。
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キリって本名だったのか。
彼とSNSで相互フォローし合ったあの後は、アフターはせずに最寄り駅まで一緒に帰っただけだった。
生活費以外を全部ラキに貢いでる彼だ。
交流する余裕は無いだろう。
アフターに誘われるのではなかろうか?とビクビクしてる姿も面白かった。
駅で別れた時の安堵の顔を見て、思わずニヤついてしまったな。
そんな接触を経て、しばらくすると、やたらとSNSに通知がきた。
『キリさんが見たよ!を押しました』
俺の自炊投稿ほとんどに押してきた。何か月前の投稿だよそれ。と、突っ込みたかったが、普段SNSは情報収集と自分の頭の中のアウトプットに使っていただけだったので、こんなに通知が来たのは初めてだった。
『@キリ:飯に反応し過ぎww』
思わずメンションすると、キリからも返事が来た。
『@マチ:どれも美味しそうだったから、ずっと遡って見てたの。料理上手なんだね』
料理を褒められるのは悪い気はしない。
キリの見た目から、あんなガリガリだとろくなもの食ってないんだろうなと想像するのも容易い。
そりゃ目が行くか……
『@キリ:ありがとww』
適当に返事をして、SNSのやり取りは終わった。
今度キリを家に呼んで飯食わせてみたいなとも思ったけど、向こうはどう思うだろう?
メシ代1食浮いた、くらいの軽さで受け止めて欲しいんだけど。
俺はキリの見たよ!メッセージをずっと眺めていた。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
ラキの定期ライブ。
キリが来ることを確認してから、俺もチケットを取った。
当日ライブ会場に着いて辺りを見渡したがキリは居ない。
早く着きすぎた?
キリが場所取りしそうな真ん中辺りの列で開演を待つ。
あれから、何度かキリとはSNSでやり取りをする仲になった。
ラキの話と食い物の話ばかりだけど、楽しんでいる自分が居る事に驚いた。
俺が作った飯を投稿すると、キリは、まあまあ早い反応をしてくる。
『@キリ:ハラペコキリww』
早く俺の家に来なよ。
『@マチ:うん、マチ君の写真見てたらお腹空いちゃった(*´ω`*)責任取ってよね』
軽口も叩くようになってきた。
『@キリ:じゃあ今度うちに来なよwwハラペコキリww』
俺の中では結構本気なのだが、向こうは冗談の延長だと思っているのだろう。毎回適当に濁された返事をしてくる。それがもどかしいのだが、ここで無理矢理距離を詰めたら陰キャのキリの事だ。萎縮するのは目に見えてるのでグッと我慢した。
今後キリとどうやって距離を詰めて行くか策を練っていると、
「マチ君見つけた。隣いいかな?」
割とはっきりとした声でキリに話しかけられた。前回より聞き取りやすい。
「キリが来るの待ってた」
そうキリに伝えて、2人でラキのライブ開演を待った。
……この空気、いいな。
詰まらない人生だと思っていたけど、最近はなかなかに楽しい。
キリと、ラキ。
ラキが最初か。
その次にキリに会った。
ラキのラッキーが、こんな所にも影響あるなんてな。
アンタは凄いアイドルだ。
ラキにペンライトを振りながら、俺はチラチラとキリの表情も盗み見ていた。
振りの合間合間に見える目が、キラキラと輝いて、全身でラキに好きを伝えている。
……綺麗だな。
ラキもキリも。
彼とSNSで相互フォローし合ったあの後は、アフターはせずに最寄り駅まで一緒に帰っただけだった。
生活費以外を全部ラキに貢いでる彼だ。
交流する余裕は無いだろう。
アフターに誘われるのではなかろうか?とビクビクしてる姿も面白かった。
駅で別れた時の安堵の顔を見て、思わずニヤついてしまったな。
そんな接触を経て、しばらくすると、やたらとSNSに通知がきた。
『キリさんが見たよ!を押しました』
俺の自炊投稿ほとんどに押してきた。何か月前の投稿だよそれ。と、突っ込みたかったが、普段SNSは情報収集と自分の頭の中のアウトプットに使っていただけだったので、こんなに通知が来たのは初めてだった。
『@キリ:飯に反応し過ぎww』
思わずメンションすると、キリからも返事が来た。
『@マチ:どれも美味しそうだったから、ずっと遡って見てたの。料理上手なんだね』
料理を褒められるのは悪い気はしない。
キリの見た目から、あんなガリガリだとろくなもの食ってないんだろうなと想像するのも容易い。
そりゃ目が行くか……
『@キリ:ありがとww』
適当に返事をして、SNSのやり取りは終わった。
今度キリを家に呼んで飯食わせてみたいなとも思ったけど、向こうはどう思うだろう?
メシ代1食浮いた、くらいの軽さで受け止めて欲しいんだけど。
俺はキリの見たよ!メッセージをずっと眺めていた。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
ラキの定期ライブ。
キリが来ることを確認してから、俺もチケットを取った。
当日ライブ会場に着いて辺りを見渡したがキリは居ない。
早く着きすぎた?
キリが場所取りしそうな真ん中辺りの列で開演を待つ。
あれから、何度かキリとはSNSでやり取りをする仲になった。
ラキの話と食い物の話ばかりだけど、楽しんでいる自分が居る事に驚いた。
俺が作った飯を投稿すると、キリは、まあまあ早い反応をしてくる。
『@キリ:ハラペコキリww』
早く俺の家に来なよ。
『@マチ:うん、マチ君の写真見てたらお腹空いちゃった(*´ω`*)責任取ってよね』
軽口も叩くようになってきた。
『@キリ:じゃあ今度うちに来なよwwハラペコキリww』
俺の中では結構本気なのだが、向こうは冗談の延長だと思っているのだろう。毎回適当に濁された返事をしてくる。それがもどかしいのだが、ここで無理矢理距離を詰めたら陰キャのキリの事だ。萎縮するのは目に見えてるのでグッと我慢した。
今後キリとどうやって距離を詰めて行くか策を練っていると、
「マチ君見つけた。隣いいかな?」
割とはっきりとした声でキリに話しかけられた。前回より聞き取りやすい。
「キリが来るの待ってた」
そうキリに伝えて、2人でラキのライブ開演を待った。
……この空気、いいな。
詰まらない人生だと思っていたけど、最近はなかなかに楽しい。
キリと、ラキ。
ラキが最初か。
その次にキリに会った。
ラキのラッキーが、こんな所にも影響あるなんてな。
アンタは凄いアイドルだ。
ラキにペンライトを振りながら、俺はチラチラとキリの表情も盗み見ていた。
振りの合間合間に見える目が、キラキラと輝いて、全身でラキに好きを伝えている。
……綺麗だな。
ラキもキリも。
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