地下アイドルを推してたワープアコミュ障陰キャな僕だけど気付いたら執着系ハイスペイケメンに僕が推されて(性的にも)磨かれました?

黒川

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第一章:本編

7-カナタ キリ は、着いて行く。

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「ここ」

言われるがままについて行くと、とても立派なマンションの入口に到着した。

「ふぁぁ」

思わずため息を漏らしてしまう。その間に、マチ君は慣れた手つきでオートロックを解除して僕をマンションのロビーに入れてくれた。

「凄いところに住んでるんだね。マチ君て本当は芸能人だったりするの?」

こう言う立派なマンションに住んでる人って芸能人とか有名人のイメージがあるから思わず聞いてしまう。

「は?ちげーよ。今どきオートロックなんて普通だろ」

「えー?普通じゃないよ。だって僕のアパートなんて隣のテレビの音が聞こえるくらい薄い壁の部屋だよ?」

「まぁ、そりゃぁな」

ははっと笑うマチ君がカッコイイ。
カッコイイけど、マチ君の返しに引っかかった。

「なんか、僕の住んでるところ知ってるっぽい言い方だね?」

「ぐっ……ぁ……キリ、だいたいラキに貢いでいつも金欠じゃん。そりゃオートロックマンションなんて住めねーよなって……」

「あぁ、確かに!」

ちょっと考えれば分かる事だったので、思わず笑ってしまった。
一緒にエレベーターで……何階か分からなかったけど、マチ君の後をついて行く。

「ここ」

マチ君のお部屋に入ると、ドラマとかに出てくるようなオシャレな内装だった……のは、廊下まで。
リビングに入ったら違う意味で凄かった。

「わぁっ!散らかってる!男の子の部屋って感じだねっ!」

汚れてる様子は無かったけど、なんか色々なものが床に置かれて?散らかっていた。

「お?掃除屋さん気になる?俺、今から飯作るからキリはその辺片付けててくんない?適当でいいから」

職業……としては汚れを綺麗にするタイプの仕事なんだけど、でもこの散らかりようは気になる。

「僕のやり方でいい?」

「大歓迎。ずっと片付かなくて困ってたんだよ」

「そっか。じゃぁ、マチ君の手料理ご馳走になる事だし、お礼は体で返さなくちゃね!あ、触っちゃダメなものとかあるかな?」

僕がマチ君にそう聞くと、マチ君は顔を真っ赤にしながら首を横に振った。

「……なんもねーよ。大丈夫」

「ん、おっけー。じゃ……『ワタシのカラダ……捧げます♡♡んっふっふっふーー♪』キラッキラッキー!!ラッキラキーー!!!」

マチ君のお部屋にお呼ばれして、普段とは違う環境と、夕飯ご馳走になるのがちょっと躊躇してたんだけど、代わりに得意のお掃除でお礼が出来そうだと言う、とにかく普段とは違う雰囲気に飲まれて、謎のテンションでラキちゃんの歌とコールと共に片付けを始めた。

自分のアパートだと壁が薄いから鼻歌くらいしか出来ないんだよね。
まぁまぁのボリュームで歌っていたら、マチ君もキッチンで料理をしながら僕の歌に乗ってきた。

「『アナタのココロが欲しいの♬.*゚』」

「『ラッキー!!』」

「『なにもかもさらけ出して』」

「『フッフー!!』」

おもしろーーーいっ!!!
調子に乗ってどんどん歌ってると、今度はマチ君がハモってきた。
ナニコレ気持ちいい!!
一応片付けは進めているつもりなんだけど、気がついたらテレビのリモコンをマイクに見立ててクルクルと僕は回っていた。

「『マチくーん!!だいすきだよっ!!』」

「『おーれーもー!!!』」

ラストのセリフは本当は「みんなー!!」なんだけど、この部屋にはマチ君と僕しか居なかったからセリフは変えちゃった。

「ひゃーっ!楽しいっ!あ!片付けっ!してるよ!してるからね?ほら、見て!床が見えてるよ!」

調子に乗りすぎたと不安に思ってマチ君の方を見たけど、マチ君はマチ君で両手で顔を抑えて天を仰いでいた。
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