地下アイドルを推してたワープアコミュ障陰キャな僕だけど気付いたら執着系ハイスペイケメンに僕が推されて(性的にも)磨かれました?

黒川

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第一章:本編

10-マチナカ サガリ の、距離感。

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1度キリを部屋に呼べば、警戒心が薄れたのか、声をかければ良く来てくれるようになった。

ついでにラキのライブもイベントも一緒だ。
一緒と言っても俺は自分の予定が合えば行く程度の熱量なので、キリ的には、いつも一緒と言うより、適度な距離感とでも思ってるのだろう。
今となっては俺もそれくらいが丁度いい。

キリの情報が少なかった頃は、割とアレコレ調べていたけど、今の関係なら聞けば答えてくれそうだしな。

なので最近は、キリの個人情報収集ではなく、もっぱら匿名掲示板の監視にシフトしている。
最初はラキの専用掲示板を眺めているだけだったが、今は派生のアンチ、ファンのヲチスレも巡回している。
アンチは別にいい。惰性みたいなものだ。地下アイドルとは言え、多くのファンがいる以上、アンチが沸くのも仕方がない。
問題はヲチスレだ。
要は目立ったラキファンに対して、とやかく言いまくってる掲示板なのだが、最近あきらかにキリに対しての発言だと分かる書き込みが目立ち始めた。
俺と2人で並ぶと変な組み合わせだから目に付くのだろう。
あとはラキのファンサ。
明らかにキリへのファンサが増えた。
そう言ったやっかみも含め、主に容姿叩きをされている。
容姿はまぁ、その通りだから何も言えないが、やれ彼女いない歴=年齢だヒキニートだ親の金でライブ来てるだと憶測でとやかく揶揄されるのは頂けない。
若干イライラしつつも、同じ土俵に立てば俺もこいつらと同じレベルに成り下がってしまう。
だから、代わりにキリの見た目を磨く事にする。

お前らキリの容姿叩けているのも今のうちだからな?と、画面越しで毒づいた。


▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪


そう言えば、俺のSNSも少し燃えたな。キリとやり取りし合ってるせいか、ラキファンのアカウントからもレスを貰うようになった。
もともと、SNSは自分の好きなように動かしてるから、コメント貰っても返信する必要が無いと俺が判断したら返信はしてない。
それが気に入らないヤツが居たみたいで返信しろ非常識だろと噛み付いてきた。
即ブロしたけど。
そのコメントが広まって色々物議を醸してたが、まぁ俺は通常運転に戻った。
最初はバッと炎上したけど、こういうものは流行病みたいなもので、俺に非が無く踊らなければ、その内鎮火する。

「マチ君は今の状況怖くないの?」

キリをマンションに呼んで一緒に飯を食った後の問いだった。
一瞬、何を聞かれたのか迷ったがキリのスマホにSNSの画面が見えたので、俺のSNSの状況の事を言ってるのだろう。

「え?全く気にならない。俺、嫌だって思ったらすぐブロックするからすっげー快適」

そう、嫌なら見るな関わるな。
これが俺のモットー。
なので、今回の件は俺にとっては些細な事でしか無かった。

そんな事より……

「キリ、こっち来い」

そう言って、キリを膝の間に座らせ、やつの頬や髪の毛を触った。
……まだまだ……もっと磨かないと。
俺は用意していた蒸しタオルでキリの顔を軽く拭った後に、スキンケア用品を取り出し、顔に塗りこんだ。
ファンスレの容姿叩き、今に見てろ。と、気持ちを込める。

「マチ君、ベタベタして気持ち悪いよぅ。あとこの唇のやつ、舐めちゃいそうで怖い」

キリに文句言われるが、

「ベタベタじゃねー、モチモチだ。どこもかしこもも荒れてんだから我慢しろ」

容赦しない。
最近、俺はキリのスキンケアを始めた。
ド底辺の肌状態からのスタートだったから、効果はそれなりに見えてきている。
あとは食事。
出来る限り家に呼んでバランスの取れたメニューを食わせた。
作り過ぎたと言って、タッパーに入れて持ち帰らせる。
おかげでガリガリだった体型がガリ程度になった。
頬も少しは丸くなっただろうか?保湿剤を頬に塗りこみながら弾力を楽しんだ。
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