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第四章

しばらくの我慢

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「ブルダ様、お待たせいたしました」

私は作り笑顔でブルダにジェラートを持っていく。
まったく…なんでこんなやつに『様』なんてつけないといけないのか…。

私の持ってきたジェラートを見てブルダは不思議なものを見るような表情になった。


「これがじぇらーと?か。変わった形をしている」

「はい。これはイチゴという果物を使ったイチゴのジェラートです。上にかかっている白い液体は練乳と言って、牛の乳に砂糖を加え濃縮したものです。甘いので美味しいですよ。スプーンですくって食べてください。冷たいので食べすぎには注意してくださいね。頭が痛くなるので」

「頭痛とは、そんな危ない食べ物なのか?」

「いえ、頭痛といっても一時的なものです。冷たいものを食べるとそういう現象が起きるのです。さ、溶ける前にどうぞ」

私はジェラートの乗ったお盆を近くにいたお付きの人であろう女性に渡した。

「うむ…おい、アクアはいるか」

ブルダがいうと、地面から水が出て、そこからウサギのような長い垂れ耳のついた女性が出てくる。

アクアといえばさっきゲイルさんが言っていた三獣士の1人。
ていうか、すごいな。異能で出てきたのかな?

「なんですかぁ?ブルダさまぁ」

意外とのんびりした声で聞いた後に大きなあくびをするアクア。

「毒味だ。これを食べてみよ」

ど、毒味ぃ!?失礼な!この国の人は毒殺が好きなわけ!?
ちょっと不機嫌になった私をよそに、アクアがジェラートを見てクンクンと匂いを嗅いだ。

「なんか、美味しそうな匂いですぅ。食べてもいいんですかぁ?」

「毒味の一口だけな」

「では、いただきまぁす」

アクアはスプーンでジェラートをすくって食べる。
口に入れた瞬間、アクアの表情がぱぁっと明るくなった。

「な、な、なんですかこれわぁ!美味しすぎます!甘酸っぱいのと、甘いのが口の中で混ざってとても美味しいです!」

「うむ、毒はなさそうだな。余にもスプーンを」

毒なんて入れるわけないでしょ!
ブルダもジェラートを食べる。

「これは…口の中で消えるようだ。そしてなんとも美味なものよ」

当然だよね!これは街で売ってたやつよりフルーツもふんだんに使ってあるし、何より練乳トッピングなんて屋台のお店で手間の増えることはしない。

「うむ、気に入った。スノウとやら、そなたを宮廷料理人として王宮に迎えよう」

「ありがとうございます!」

本当はあんたなんかに料理を作りたくないけどね!

私は満面の笑みを作って、第二段階の達成に内心ガッツポーズをとった。


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