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1章:魔法学園入学
私の魔力
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「でも…私…勝ってない…よ?」
「え?何言ってるのリン?リンはゴウよりも先に…」
「だって…勝つ条件って…木を先に『倒す』ことだから…私…消しちゃった…」
「リン…」
私の言葉を聞いてハナちゃんはもう何も言えなくなっていた。
私は現実逃避しいているゴウくんのところへ行った。
「ゴウくん…引き分けで…いい?それとももう1回…やる?」
ゴウくんがはっと我を取り戻し立ち上がった。
「そ、そうだな…今日のところは…ひ、引き分けだな…」
なぜかゴウくんの顔が引きつってるように見える。
「むー…リンは優しすぎるよ…」
「リンが引き分けって言ってんだから別にいいんじゃないか?」
後ろから2人の会話が聞こえるが、気にしないことにした。
「ねーねーリン。今から先生のところ行かない?魔力量とか見てもらいましょうよ!」
ハナちゃんからの提案で先生のところへ行くことになった。
ちなみに先生とは私の治療をしてくれたシアル先生のことである。
私達の村には魔法を教える教師がいないため、学校入学前に数字や文字を教えたりする人がいなかったから、先生がたまに魔法教室を開くのだ。
「せーんせー!」
ハナちゃんが診療所に向かって叫ぶと窓が開いてそこには先生がいた。
「みなさん揃ってどうしました?ってリンちゃん、安静にって言ったでしょう?」
「ごめん…なさい…」
「まぁ、遊べるだけ元気なら大丈夫かな。リーネはどうしました?」
「ロールキャベツの材料…買いにいった」
(あぁ…この子が行かせたな…)
「そ、そう。まぁとりあえず入ってきてください」
先生に言われて私達は診療所に入り、先生のところへ向かう。
診療所独特の薬の匂いがする。
そうだ…診療所といえば…。
「ハナちゃん…お見舞いきてくれてありがと…」
「きゅ、急にどうしたのよリン?」
「今日ハナちゃんちにいったの…お礼言うため…」
「そうだったんだ。いいよそんなこと、リンは私の友達なんだから!」
「ハナちゃん…」
ハナちゃんが私の頭を撫でてくれる。
ハナちゃんの言葉に心がぽかぽかする感じがした。
話をしているうちに先生の部屋についた。
「失礼しまーす」
「いらっしゃい。今日はどういったご用ですか?あ、リンちゃんはついでにもう1回傷口を見ておこうか」
「うん…」
私はそう言われて先生の前の椅子に座った。
「先生!リンは魔法の天才だったの!」
「リンちゃんが天才?といいますと?」
ハナちゃんの言葉を聞きながら先生が私の頭の包帯を解いていく。
「リンとゴウでさっき魔法勝負をしたんですけど、リンが圧勝したんです!」
「勝ってない!あれは引き分けだ!」
「いや、ぼろ負けだっただろ」
「まーまーみんな落ち着いて。リンちゃん、みんなが言ってるのはほんと?」
「勝ってない…引き分け…」
「魔法勝負をしたのはほんとなんだね…怒らないから詳しく話してくれるかな?」
「うん…」
先生が私に包帯を巻き直しながら私は先生と別れてからのことを話した。
「あーなーたーたーちー?」
「え?先生怒ってるように見えるんだけど…?」
「怒ってるな…」
「なんでだ…?」
「リンちゃんは今日から自宅療養という形で退院したんです!そんなリンちゃんに魔法勝負をさせるなんて何を考えてるんですか!」
「ほんとわけがわかりませんよね」
「まったくだ。どうかしてるな」
先生の理由を聞いたハナちゃんとクロくんはいつの間にか私の横に立っていた。
「お、お前ら!裏切るのか!?」
「私達はほら…ね?」
「そうだな…」
「ゴウくん…ちょっとこっち来なさい…」
「は、はなせーー!」
ゴウくんは先生に首元を掴まれ、なかば引きずられるように隣の部屋へ連れていかれた。
「ぎゃぁぁぁぁ!!」
ゴウくんの断末魔の叫びが聞こえた後、先生だけが隣の部屋から出てきた。
「とりあえず、リンちゃんも魔力量を計ってみましょうか」
(((横の部屋で何が…)))
先生が胸ポケットからペンを1つだした。
「リンちゃん、このペンでさっきみたいに魔力を込めて線を引いてくれる?魔力を込めてからそこの水晶に指を当てると線が引けるから」
「うん…」
私は先生からペンを受け取り魔力を込め、水晶に指を当てる。
ペンの先がぽぉっと光、そのままペンを横にスライドさせると銀色の線が引かれていく。
「これは…」
「銀って…」
しばらくして線が薄れ、消えていった。
「これはすごいね…魔力量で言えば普通の人を遥かに超えてるよ…それに銀の魔力。これは流石に…」
私の線を見て周りのみんなは理解できたようだが私はわからなかった。
そのためおかしなことをしたのかとオロオロと周りをみんなの顔を見回した。
「あぁごめんねリンちゃん。うん、リンちゃんにもちょっとだけ授業しようか。リンちゃんに渡したそのペン、魔筆は濃さで魔力量を、色で魔力の属性を現してるんだ。全部で8色の魔力があって、リンちゃんの銀色は一番珍しい特殊魔法の魔力だよ」
「ちなみに私は白!」
「俺は黒と黄色だった」
「白は治癒と光、黒は闇、黄は雷の魔力だよ。クロくんみたいに2色や3色になる人の場合もある。ちなみにゴウくんは赤だよ。火の魔力だね」
だからゴウくんは火魔法勝負を…。
「この魔力属性っていうのはあくまで得意な属性を現してるだけで、他の魔法を使えないわけじゃないんだ。ただ得意な属性との相性もあって、苦手な魔法や威力の低い魔法ができるわけだね。ここまではわかりました?」
「うん…」
先生からの魔法教室はそのあとも少し続き、ゴウくんが部屋から出てきたところで終了となった。
「え?何言ってるのリン?リンはゴウよりも先に…」
「だって…勝つ条件って…木を先に『倒す』ことだから…私…消しちゃった…」
「リン…」
私の言葉を聞いてハナちゃんはもう何も言えなくなっていた。
私は現実逃避しいているゴウくんのところへ行った。
「ゴウくん…引き分けで…いい?それとももう1回…やる?」
ゴウくんがはっと我を取り戻し立ち上がった。
「そ、そうだな…今日のところは…ひ、引き分けだな…」
なぜかゴウくんの顔が引きつってるように見える。
「むー…リンは優しすぎるよ…」
「リンが引き分けって言ってんだから別にいいんじゃないか?」
後ろから2人の会話が聞こえるが、気にしないことにした。
「ねーねーリン。今から先生のところ行かない?魔力量とか見てもらいましょうよ!」
ハナちゃんからの提案で先生のところへ行くことになった。
ちなみに先生とは私の治療をしてくれたシアル先生のことである。
私達の村には魔法を教える教師がいないため、学校入学前に数字や文字を教えたりする人がいなかったから、先生がたまに魔法教室を開くのだ。
「せーんせー!」
ハナちゃんが診療所に向かって叫ぶと窓が開いてそこには先生がいた。
「みなさん揃ってどうしました?ってリンちゃん、安静にって言ったでしょう?」
「ごめん…なさい…」
「まぁ、遊べるだけ元気なら大丈夫かな。リーネはどうしました?」
「ロールキャベツの材料…買いにいった」
(あぁ…この子が行かせたな…)
「そ、そう。まぁとりあえず入ってきてください」
先生に言われて私達は診療所に入り、先生のところへ向かう。
診療所独特の薬の匂いがする。
そうだ…診療所といえば…。
「ハナちゃん…お見舞いきてくれてありがと…」
「きゅ、急にどうしたのよリン?」
「今日ハナちゃんちにいったの…お礼言うため…」
「そうだったんだ。いいよそんなこと、リンは私の友達なんだから!」
「ハナちゃん…」
ハナちゃんが私の頭を撫でてくれる。
ハナちゃんの言葉に心がぽかぽかする感じがした。
話をしているうちに先生の部屋についた。
「失礼しまーす」
「いらっしゃい。今日はどういったご用ですか?あ、リンちゃんはついでにもう1回傷口を見ておこうか」
「うん…」
私はそう言われて先生の前の椅子に座った。
「先生!リンは魔法の天才だったの!」
「リンちゃんが天才?といいますと?」
ハナちゃんの言葉を聞きながら先生が私の頭の包帯を解いていく。
「リンとゴウでさっき魔法勝負をしたんですけど、リンが圧勝したんです!」
「勝ってない!あれは引き分けだ!」
「いや、ぼろ負けだっただろ」
「まーまーみんな落ち着いて。リンちゃん、みんなが言ってるのはほんと?」
「勝ってない…引き分け…」
「魔法勝負をしたのはほんとなんだね…怒らないから詳しく話してくれるかな?」
「うん…」
先生が私に包帯を巻き直しながら私は先生と別れてからのことを話した。
「あーなーたーたーちー?」
「え?先生怒ってるように見えるんだけど…?」
「怒ってるな…」
「なんでだ…?」
「リンちゃんは今日から自宅療養という形で退院したんです!そんなリンちゃんに魔法勝負をさせるなんて何を考えてるんですか!」
「ほんとわけがわかりませんよね」
「まったくだ。どうかしてるな」
先生の理由を聞いたハナちゃんとクロくんはいつの間にか私の横に立っていた。
「お、お前ら!裏切るのか!?」
「私達はほら…ね?」
「そうだな…」
「ゴウくん…ちょっとこっち来なさい…」
「は、はなせーー!」
ゴウくんは先生に首元を掴まれ、なかば引きずられるように隣の部屋へ連れていかれた。
「ぎゃぁぁぁぁ!!」
ゴウくんの断末魔の叫びが聞こえた後、先生だけが隣の部屋から出てきた。
「とりあえず、リンちゃんも魔力量を計ってみましょうか」
(((横の部屋で何が…)))
先生が胸ポケットからペンを1つだした。
「リンちゃん、このペンでさっきみたいに魔力を込めて線を引いてくれる?魔力を込めてからそこの水晶に指を当てると線が引けるから」
「うん…」
私は先生からペンを受け取り魔力を込め、水晶に指を当てる。
ペンの先がぽぉっと光、そのままペンを横にスライドさせると銀色の線が引かれていく。
「これは…」
「銀って…」
しばらくして線が薄れ、消えていった。
「これはすごいね…魔力量で言えば普通の人を遥かに超えてるよ…それに銀の魔力。これは流石に…」
私の線を見て周りのみんなは理解できたようだが私はわからなかった。
そのためおかしなことをしたのかとオロオロと周りをみんなの顔を見回した。
「あぁごめんねリンちゃん。うん、リンちゃんにもちょっとだけ授業しようか。リンちゃんに渡したそのペン、魔筆は濃さで魔力量を、色で魔力の属性を現してるんだ。全部で8色の魔力があって、リンちゃんの銀色は一番珍しい特殊魔法の魔力だよ」
「ちなみに私は白!」
「俺は黒と黄色だった」
「白は治癒と光、黒は闇、黄は雷の魔力だよ。クロくんみたいに2色や3色になる人の場合もある。ちなみにゴウくんは赤だよ。火の魔力だね」
だからゴウくんは火魔法勝負を…。
「この魔力属性っていうのはあくまで得意な属性を現してるだけで、他の魔法を使えないわけじゃないんだ。ただ得意な属性との相性もあって、苦手な魔法や威力の低い魔法ができるわけだね。ここまではわかりました?」
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