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1章:魔法学園入学
相部屋の人
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「それじゃあ、はいこれ。この部屋の鍵。無くさないようにね」
「え…?」
寮長さんに部屋の鍵と言って渡されたのは白くて四角いカードのようなものだった。
「もしかして保魔は初めて?」
「ほま…?」
「保魔っていうのはね、魔力を保存したり、放出したりできる性質の物に魔力を込めることよ。魔力って属性でよくわけられたりするけど、ほんとは1人1人性質が違うの。その人によって力強かったり、ちょっと薄かったりね。この個人差を使って行うのが占術ってわけ」
「ほま…せんじゅつ…せいしつ…」
「あぁごめんごめん。難しかったよね。ようはこのカードに魔力を込めるとリンちゃん専用の鍵になるの。やり方はカードを手で挟んで、魔筆で文字を書く時みたいに魔力を込めるの」
「はい」
私は寮長さんに言われた通りカードに魔力を込めると、カードの色がだんだん銀色になっていく。
「あら、あなた特殊属性なのね。才能はお父様かリーネ先輩か、どっちに似てるか楽しみね」
「……?それって…どういう…」
「まぁそれは楽しみにしときます。とりあえずそのカードにしたみたいに、扉にも魔力を込めてくれる?」
「はい…」
私は扉に手を当てて魔力をこめる。色は変わらなかったけど、これでいいのかな?
「それでそのカードを当ててみて」
寮長さんに言われてカードを当てるとかちゃっと鍵の開く音がした。
「この扉は閉めると自動で鍵が閉まるから、カードは常に持ち歩いてね。あと、相部屋でね、もう1人この部屋で一緒に住むことになるから仲良くね。それじゃあごゆっくり」
そう言って寮長さんは寮長室に帰っていった。
「…よろしくお願いします」
私はこれからお世話になる部屋に向かってなんとなく挨拶をした。
そして扉を開けて中に入る。
中は予想よりも広く向かって左右のすぐにベッドがあり、机も左右に2つ。
左の机には私のバッグがあるため、おそらく左が私の場所だろう。
場所だろうとは思うのだけど…左のベッドに私と同い年くらいの女の子が眠っていた。
「すー……すー……」
「え…えっと…」
私はその子の近くに寄って顔を見る。
第一印象はすごく可愛い子。明るいキャラメルブラウンのショートヘアで、イメージとしてはリスを思わせる感じ。
この子が私の相部屋さんかな…?
「ん……んん…うにゅ…?」
私がその子を見ていると目を覚ました。
「えと…こんにちは…?」
「んー…この場合はおはようございますでしょうか」
そう言ってその子はゆっくりと起き上がった。
「いやぁ…こちらのベッドが日当たりよくてついつい眠ってしまいました。あ、あれ…」
「どうか…した?」
「このへんに眼鏡がありませんでしたか?」
「めがね……?」
「なんと…眼鏡をご存知ないと。眼鏡とはこんな物です」
そう言ってその子はどこからか透明なガラスのついた物を取り出した。
「めがね…見つけた…」
「ん…?おぉ、よかったよかった」
その子はそのままめがねを顔につける。
「これをかけていないと何も見えないのです」
「そう…なんだ」
「ところであなたはどちら様でしょうか」
「私…リン…。ここに案内…された…」
「おぉということは私の同居人ということですね。はじめまして、今年入学の1組、ルナ・マリアスと申します」
「あ…リン・セルフィア…です。私も1組…です…」
ルナがお辞儀をして挨拶をしたので私もそれを返すように挨拶をした。
「まぁまぁ、立ち話もなんですのでどうぞ」
ルナちゃんが自分の横をぽんぽんと叩いたので私はそこに座った。
あれ、ここ私のベッドだった気が…。
「リンさんはもしや組み分け試験で最後にした人ですか?」
「うん…」
「あの魔法はすごかったですねぇ。あの剣をだした人もすごかったですけど、リンさんのは格が違う感じでした」
「そんなこと…ない…。ほんとは他の魔法…使いたかった…」
「なんと、あれくらいの魔法がまだあるのですか?それは成績トップになるはずです」
「え…?成績…?」
「まだ見てないんですか?今学校の校門に組み分けが貼ってあるんですが、名前が上から順に成績のいい人なんです」
「知らなかった…まだ…見てないし…」
「そうでしたか。では一緒に見に行きますか?」
「え…いいの?」
「えぇ、もちろんです。これから同居人として友達として仲良くしていくんですんから。歩きながら話を聞かせてください」
「うん…!」
そう言って私とルナちゃんは部屋を出ていった。
「え…?」
寮長さんに部屋の鍵と言って渡されたのは白くて四角いカードのようなものだった。
「もしかして保魔は初めて?」
「ほま…?」
「保魔っていうのはね、魔力を保存したり、放出したりできる性質の物に魔力を込めることよ。魔力って属性でよくわけられたりするけど、ほんとは1人1人性質が違うの。その人によって力強かったり、ちょっと薄かったりね。この個人差を使って行うのが占術ってわけ」
「ほま…せんじゅつ…せいしつ…」
「あぁごめんごめん。難しかったよね。ようはこのカードに魔力を込めるとリンちゃん専用の鍵になるの。やり方はカードを手で挟んで、魔筆で文字を書く時みたいに魔力を込めるの」
「はい」
私は寮長さんに言われた通りカードに魔力を込めると、カードの色がだんだん銀色になっていく。
「あら、あなた特殊属性なのね。才能はお父様かリーネ先輩か、どっちに似てるか楽しみね」
「……?それって…どういう…」
「まぁそれは楽しみにしときます。とりあえずそのカードにしたみたいに、扉にも魔力を込めてくれる?」
「はい…」
私は扉に手を当てて魔力をこめる。色は変わらなかったけど、これでいいのかな?
「それでそのカードを当ててみて」
寮長さんに言われてカードを当てるとかちゃっと鍵の開く音がした。
「この扉は閉めると自動で鍵が閉まるから、カードは常に持ち歩いてね。あと、相部屋でね、もう1人この部屋で一緒に住むことになるから仲良くね。それじゃあごゆっくり」
そう言って寮長さんは寮長室に帰っていった。
「…よろしくお願いします」
私はこれからお世話になる部屋に向かってなんとなく挨拶をした。
そして扉を開けて中に入る。
中は予想よりも広く向かって左右のすぐにベッドがあり、机も左右に2つ。
左の机には私のバッグがあるため、おそらく左が私の場所だろう。
場所だろうとは思うのだけど…左のベッドに私と同い年くらいの女の子が眠っていた。
「すー……すー……」
「え…えっと…」
私はその子の近くに寄って顔を見る。
第一印象はすごく可愛い子。明るいキャラメルブラウンのショートヘアで、イメージとしてはリスを思わせる感じ。
この子が私の相部屋さんかな…?
「ん……んん…うにゅ…?」
私がその子を見ていると目を覚ました。
「えと…こんにちは…?」
「んー…この場合はおはようございますでしょうか」
そう言ってその子はゆっくりと起き上がった。
「いやぁ…こちらのベッドが日当たりよくてついつい眠ってしまいました。あ、あれ…」
「どうか…した?」
「このへんに眼鏡がありませんでしたか?」
「めがね……?」
「なんと…眼鏡をご存知ないと。眼鏡とはこんな物です」
そう言ってその子はどこからか透明なガラスのついた物を取り出した。
「めがね…見つけた…」
「ん…?おぉ、よかったよかった」
その子はそのままめがねを顔につける。
「これをかけていないと何も見えないのです」
「そう…なんだ」
「ところであなたはどちら様でしょうか」
「私…リン…。ここに案内…された…」
「おぉということは私の同居人ということですね。はじめまして、今年入学の1組、ルナ・マリアスと申します」
「あ…リン・セルフィア…です。私も1組…です…」
ルナがお辞儀をして挨拶をしたので私もそれを返すように挨拶をした。
「まぁまぁ、立ち話もなんですのでどうぞ」
ルナちゃんが自分の横をぽんぽんと叩いたので私はそこに座った。
あれ、ここ私のベッドだった気が…。
「リンさんはもしや組み分け試験で最後にした人ですか?」
「うん…」
「あの魔法はすごかったですねぇ。あの剣をだした人もすごかったですけど、リンさんのは格が違う感じでした」
「そんなこと…ない…。ほんとは他の魔法…使いたかった…」
「なんと、あれくらいの魔法がまだあるのですか?それは成績トップになるはずです」
「え…?成績…?」
「まだ見てないんですか?今学校の校門に組み分けが貼ってあるんですが、名前が上から順に成績のいい人なんです」
「知らなかった…まだ…見てないし…」
「そうでしたか。では一緒に見に行きますか?」
「え…いいの?」
「えぇ、もちろんです。これから同居人として友達として仲良くしていくんですんから。歩きながら話を聞かせてください」
「うん…!」
そう言って私とルナちゃんは部屋を出ていった。
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