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2章:学園生活
雷魔法の授業
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おばあちゃんの家に行った日から2日後。
5日は気絶していると言われていたゴウくんとクレアちゃんがなんと目を覚まして今日から授業に参加する。
保健室の先生曰く、こんなに早く回復した人は珍しいらしい。
ちなみに、今日は雷魔法の授業ということで訓練室に来ていた。
「いやーほんとにまいったにゃーまさかほんとに気絶するとは…」
「お前がほんとに引き抜くからだろ!」
「だってだって上手くいくと思ったんにゃー!」
ぎゃーぎゃーと2人で言い合いをしているのを見て、ハナちゃんがため息をついた。
「だいたいなんで引き抜いたの?説明聞いてたでしょ?」
「それにはふかーいわけがあるんにゃ。そう、あれは2人で歩いている時の話にゃ…」
ーーーーーーーーーーーーーーー
「マンドレイクってどんな形してんだろうな」
「それはもちろん人型にゃ、実物は見たことないけどにゃー」
「ほんとに人型してんのか?」
「見てみるかにゃ?」
「は?そんなことしたら気絶すんだろ?」
「大丈夫にゃ、抜いた瞬間に時間魔法で動きを止めるにゃ」
「お、おい」
ーーーズボッ
「ぎゃあああ!!」
「にゃあああ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーー
「というわけにゃ」
「馬鹿ね」
「馬鹿だな」
「馬鹿ですね」
「馬鹿以外の何者でもないです」
ハナちゃんたちが話を聞くとすぐさま2人を愚か者を見るような目になっていた。
「俺は悪くないだろ!?」
「あんたが止めればよかったのよ、まったく…」
そんなことを言い合っているとママが訓練室に入ってきた。
「はーい皆さん、全員いますね。それでは今日は雷魔法の授業です。さっそくですが雷魔法の特徴がわかる人、いますか?」
「はい」
「はい、クロくん」
「雷魔法の特徴は伝導。つまり、物体の中を駆け巡ったり、物体から物体へ移動したりする性質を持っています」
「はい、よくできました。現在では魔法工学の分野でも雷魔法の伝導はエネルギーとしても注目を集めています。さて、そこで今日の授業です。皆さんには1度の雷魔法で的を3つを撃ち抜いてもらいます」
そう言ってママが的を3つ、ジグザグに置いた。
「雷魔法で貫通させるのではなく、しっかりと伝導させて3つに当てるんですよ。こんなふうに」
ママが『1+1+1=3』と式を展開して、左手から雷が放たれる。
雷は1つ目の的に当たった後、2つ目のの的に方向を変え、2つ目に当たると同じように3つ目に方向を変えて当たった。
「こんなふうに3つの的に伝導させられるようになるのが本日の課題です。それでは皆さん、初めてください」
ママに言われてみんな的を用意していく。
私も的を用意して、とりあえず式を立ててみることにした。
『1+1+1=3』と式を立てて、魔法が放たれる。
「うーん…」
魔法は発動したが、1つ目の的で止まった。
周りの人を見てもみんな1つ目の的で止まっているようだった。
「なんでかな…」
もう一度同じように式を立てるがやっぱり1つ目で止まってしまう。
「リンーうまくできた?」
ハナちゃんが私の様子を見に来た。
「ハナちゃん…ううん…1つ目で…止まっちゃう…」
「やっぱり…私も1つ目で止まっちゃうからどうしたらいいのかなーって」
2人で悩んでいるときにふとクロくんを見ると既に的3つに焦げあとがついていた。
「クロ!あんたもう3つ当てたの?」
「当たり前だ、こんな基礎…」
「クロくん…すごーい」
私がそう言うと少し顔を赤くしてそっぽを向いた。
「なんかコツとかあるの?」
ハナちゃんがクロくんに聞くと向こうを向いたまま教えてくれた。
「伝導は雷が流れるイメージが大切なんだ。的から次の的に、川の流れをイメージするとわかりやすいかもな」
「んー…リン、わかった?」
「なんと…なく」
「わかったら早く作業しろよ」
「はいはい、行こうリン」
私達はまた自分たちの的に戻っていく。
「川の…イメージ…」
私は魔筆を持って式を書く。
「雷は水…流れは緩やかに…」
イメージを崩さないようにゆっくり…。
「的から…的を…流れとして…イメージを…そのまま形に…」
式を書き終えると魔法陣が展開し雷がすぐに3つの的を貫く。
「やった…!って…え?」
私の雷が3つ目の的を当たった後、勢いそのままに、他の人の的にまで飛んでいってしまい、けっきょく全員の的に雷を飛ばしてしまった。
そしてクラス全員の視線が私に集まる。
「え…えっと……ごめん…なさい…」
その後、私だけ3つで止める制御の補習が入ったのだった。
5日は気絶していると言われていたゴウくんとクレアちゃんがなんと目を覚まして今日から授業に参加する。
保健室の先生曰く、こんなに早く回復した人は珍しいらしい。
ちなみに、今日は雷魔法の授業ということで訓練室に来ていた。
「いやーほんとにまいったにゃーまさかほんとに気絶するとは…」
「お前がほんとに引き抜くからだろ!」
「だってだって上手くいくと思ったんにゃー!」
ぎゃーぎゃーと2人で言い合いをしているのを見て、ハナちゃんがため息をついた。
「だいたいなんで引き抜いたの?説明聞いてたでしょ?」
「それにはふかーいわけがあるんにゃ。そう、あれは2人で歩いている時の話にゃ…」
ーーーーーーーーーーーーーーー
「マンドレイクってどんな形してんだろうな」
「それはもちろん人型にゃ、実物は見たことないけどにゃー」
「ほんとに人型してんのか?」
「見てみるかにゃ?」
「は?そんなことしたら気絶すんだろ?」
「大丈夫にゃ、抜いた瞬間に時間魔法で動きを止めるにゃ」
「お、おい」
ーーーズボッ
「ぎゃあああ!!」
「にゃあああ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーー
「というわけにゃ」
「馬鹿ね」
「馬鹿だな」
「馬鹿ですね」
「馬鹿以外の何者でもないです」
ハナちゃんたちが話を聞くとすぐさま2人を愚か者を見るような目になっていた。
「俺は悪くないだろ!?」
「あんたが止めればよかったのよ、まったく…」
そんなことを言い合っているとママが訓練室に入ってきた。
「はーい皆さん、全員いますね。それでは今日は雷魔法の授業です。さっそくですが雷魔法の特徴がわかる人、いますか?」
「はい」
「はい、クロくん」
「雷魔法の特徴は伝導。つまり、物体の中を駆け巡ったり、物体から物体へ移動したりする性質を持っています」
「はい、よくできました。現在では魔法工学の分野でも雷魔法の伝導はエネルギーとしても注目を集めています。さて、そこで今日の授業です。皆さんには1度の雷魔法で的を3つを撃ち抜いてもらいます」
そう言ってママが的を3つ、ジグザグに置いた。
「雷魔法で貫通させるのではなく、しっかりと伝導させて3つに当てるんですよ。こんなふうに」
ママが『1+1+1=3』と式を展開して、左手から雷が放たれる。
雷は1つ目の的に当たった後、2つ目のの的に方向を変え、2つ目に当たると同じように3つ目に方向を変えて当たった。
「こんなふうに3つの的に伝導させられるようになるのが本日の課題です。それでは皆さん、初めてください」
ママに言われてみんな的を用意していく。
私も的を用意して、とりあえず式を立ててみることにした。
『1+1+1=3』と式を立てて、魔法が放たれる。
「うーん…」
魔法は発動したが、1つ目の的で止まった。
周りの人を見てもみんな1つ目の的で止まっているようだった。
「なんでかな…」
もう一度同じように式を立てるがやっぱり1つ目で止まってしまう。
「リンーうまくできた?」
ハナちゃんが私の様子を見に来た。
「ハナちゃん…ううん…1つ目で…止まっちゃう…」
「やっぱり…私も1つ目で止まっちゃうからどうしたらいいのかなーって」
2人で悩んでいるときにふとクロくんを見ると既に的3つに焦げあとがついていた。
「クロ!あんたもう3つ当てたの?」
「当たり前だ、こんな基礎…」
「クロくん…すごーい」
私がそう言うと少し顔を赤くしてそっぽを向いた。
「なんかコツとかあるの?」
ハナちゃんがクロくんに聞くと向こうを向いたまま教えてくれた。
「伝導は雷が流れるイメージが大切なんだ。的から次の的に、川の流れをイメージするとわかりやすいかもな」
「んー…リン、わかった?」
「なんと…なく」
「わかったら早く作業しろよ」
「はいはい、行こうリン」
私達はまた自分たちの的に戻っていく。
「川の…イメージ…」
私は魔筆を持って式を書く。
「雷は水…流れは緩やかに…」
イメージを崩さないようにゆっくり…。
「的から…的を…流れとして…イメージを…そのまま形に…」
式を書き終えると魔法陣が展開し雷がすぐに3つの的を貫く。
「やった…!って…え?」
私の雷が3つ目の的を当たった後、勢いそのままに、他の人の的にまで飛んでいってしまい、けっきょく全員の的に雷を飛ばしてしまった。
そしてクラス全員の視線が私に集まる。
「え…えっと……ごめん…なさい…」
その後、私だけ3つで止める制御の補習が入ったのだった。
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