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2章:学園生活
目が覚めたら
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目を覚ました時、最初に目に入ったのは真っ白の天井。
ふと、村で爆発から目が覚めた時みたいと思ってしまった。
「ここ…は?」
あたりを見るとどうやらどこかの病室のようだ。
私はいたるところに包帯が巻かれ、その量に自分でも驚いた。
「痛い…」
そう一言呟いてから私はベッドから降りて、病室を出た。
廊下を歩きながら記憶の整理をしていく。
私はクレアちゃんと一緒にキメラと戦って、それでも歯が立たなくて…それで…。
「クレアちゃん…!」
私は誰もいない廊下の名札を見てクレアちゃんを探す。
ココがどこかはわからないけど、私がいるならクレアちゃんもいるはずだ。
「どこ…クレアちゃん…」
何個か部屋の名札を見て、『クレア・キャンディハート』の名前を見つけて入る。
「え…?」
病室のベッドには誰もいなかった。
私は意味もなく部屋のあちこちを見回して、窓から中庭の椅子にクレアちゃんが座っているのが見えた。
お行儀が悪いのはわかってるけど、椅子をに登って窓から外へ出る。
「クレアちゃん…!よかった…!」
私は座っているクレアちゃんに抱きついてしまった。
あの後、どうなったかは知らないけど、二人とも無事で本当によかった。
「あの…どちら様にゃ?」
「……え?」
一瞬、何を言っているのかわからなかった。
「な、何言ってるの…?私、リン…だよ?」
「リン…リン…んークレアの知り合いにいたかにゃー?」
うーん…と悩むクレアちゃんを見てるとふざけてるように見えなかった。
「そんな…なんで…」
「リンちゃん!」
中庭の入り口からママが走ってくる。
そして、私に抱きついた。
「リンちゃん…よかったぁ…ほんとによかった…」
ママがぎゅーと抱きしめてくれる安心感と、クレアちゃんのこととで頭がわけがわからなくなっている。
「ママ…クレアちゃんが…」
「あ…うん…そのことは病室で話すわ。とりあえず戻りましょう。クレアちゃんはどうする?」
「えっと…もう少しここにいたいかにゃ」
「そう、じゃあ戻りましょう」
「……うん」
ママに手を引かれて病室へ戻る。
私はベッドに横になり、ママは椅子を持ってきた。
「リンちゃん、まずはクレアちゃんのことだけど…結論から言うと、入学式の時までの記憶を失っているの」
「え?」
そんな記憶を失うなんて…。
「クレアちゃんは気絶したリンちゃんを助けるために、固有魔法を使ったの」
「固有魔法…!?」
そんな、クレアちゃんが固有魔法…?
いろいろなことが頭の中がごちゃごちゃしてる。
「混乱するよね。最初から順に説明していくね」
ママがあの後からのことを話し始めた。
その話を聞いて、私は自分の無力さと情けなさを後悔することになった。
ふと、村で爆発から目が覚めた時みたいと思ってしまった。
「ここ…は?」
あたりを見るとどうやらどこかの病室のようだ。
私はいたるところに包帯が巻かれ、その量に自分でも驚いた。
「痛い…」
そう一言呟いてから私はベッドから降りて、病室を出た。
廊下を歩きながら記憶の整理をしていく。
私はクレアちゃんと一緒にキメラと戦って、それでも歯が立たなくて…それで…。
「クレアちゃん…!」
私は誰もいない廊下の名札を見てクレアちゃんを探す。
ココがどこかはわからないけど、私がいるならクレアちゃんもいるはずだ。
「どこ…クレアちゃん…」
何個か部屋の名札を見て、『クレア・キャンディハート』の名前を見つけて入る。
「え…?」
病室のベッドには誰もいなかった。
私は意味もなく部屋のあちこちを見回して、窓から中庭の椅子にクレアちゃんが座っているのが見えた。
お行儀が悪いのはわかってるけど、椅子をに登って窓から外へ出る。
「クレアちゃん…!よかった…!」
私は座っているクレアちゃんに抱きついてしまった。
あの後、どうなったかは知らないけど、二人とも無事で本当によかった。
「あの…どちら様にゃ?」
「……え?」
一瞬、何を言っているのかわからなかった。
「な、何言ってるの…?私、リン…だよ?」
「リン…リン…んークレアの知り合いにいたかにゃー?」
うーん…と悩むクレアちゃんを見てるとふざけてるように見えなかった。
「そんな…なんで…」
「リンちゃん!」
中庭の入り口からママが走ってくる。
そして、私に抱きついた。
「リンちゃん…よかったぁ…ほんとによかった…」
ママがぎゅーと抱きしめてくれる安心感と、クレアちゃんのこととで頭がわけがわからなくなっている。
「ママ…クレアちゃんが…」
「あ…うん…そのことは病室で話すわ。とりあえず戻りましょう。クレアちゃんはどうする?」
「えっと…もう少しここにいたいかにゃ」
「そう、じゃあ戻りましょう」
「……うん」
ママに手を引かれて病室へ戻る。
私はベッドに横になり、ママは椅子を持ってきた。
「リンちゃん、まずはクレアちゃんのことだけど…結論から言うと、入学式の時までの記憶を失っているの」
「え?」
そんな記憶を失うなんて…。
「クレアちゃんは気絶したリンちゃんを助けるために、固有魔法を使ったの」
「固有魔法…!?」
そんな、クレアちゃんが固有魔法…?
いろいろなことが頭の中がごちゃごちゃしてる。
「混乱するよね。最初から順に説明していくね」
ママがあの後からのことを話し始めた。
その話を聞いて、私は自分の無力さと情けなさを後悔することになった。
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