最弱で最強な人形使いの異世界譚

大樹寺(だいじゅうじ) ひばごん

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二七四話

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 要は、これは遺髪ってことだろ?
 遺髪とは、亡くなった人の形見として髪を残す、という物で、日本では古くから伝わっている行為ではある。
 勿論、それを現代でも行っている、とは聞かないがな。
 確かに、よく目にするものではないが、そういうものがあるというくらいの知識は俺だって持っていた。
 だからこその「そうなんだ」なのである。

「そうなんだって……」

 そんな俺の反応に、セレスが困惑したように同じ言葉を繰り返した。

「まず、忘れてもらっちゃ困るのが、俺はこの国の人間じゃない、ってことだ。
 言ってしまうば、よそ者である俺に取って、この国の風習とか因習とか、そういうのはぶっちゃけどうでもいいんだよ。
 へぇ~、そういうのがあるんだ、程度で気にしてすらいない」

 勿論、郷に入っては郷に従え、という言葉があるように、その土地のルールは守るべきであるとは思う。
 だが、そのルールを犯した者を見つけたからと、それを外様な俺がとやかく言うというのも何か違う気がするのだ。

「それに、それが禁忌と知っていながら、それでも突然の病で死別してしまった家族の形見を側に置いておきたい、っていう二人の気持ちもわからなくはないしな。
 だから、イースさんもミラちゃんも、そんな気にしなくていいから」

 と、未だに怯えている二人に、出来る限り優しくそう声を掛けた。

 しかも、イースさんの旦那さんの場合……これは勿論、同じ理由で亡くなった方々全員にもいえることなのだが、亡くなった経緯が経緯である為に、お墓すらないのだと、セレスからそう聞いていた。
 一応、慰霊碑みたいな物はあるようだが、別に個人の名前が刻まれていたりするわけでもなく、あくまで、こういうことがありましたよ、っという過去を忘れない為のシンボルのようなもらしい。
 なので、墓というには少し毛色が違うのだ。

 出来れば事前に一言相談してほしかったところではあるが、イースさん達の立場を考えれば、それが難しいことだったことは想像に難くない。
 もし、相談したとして、俺から「気持ち悪いから捨てろ」なんて言われたら、従わなければならない立場に彼女達は居るわけだ。
 俺がどう判断を下すか分からない以上、流石に一か八かで話せることでもないだろう。
 
「……本当にいいの?」

 未だ声も出せずにいる二人の代わりに、セレスがそう聞いて来た。

「問題なしっ!
 それに、まぁ、これは俺の生まれた国の話しになるんだが、仏壇っていってな、死者を供養する祭壇みたいなのを家の中に置くことがあるんだよ」

 最近では置く家も少なくなったと聞くが、昔は何処の家にもあったそうだ。

「えっ!? 家の中で使者を弔うのっ!?」

 そんな俺のざっくりとした説明に、セレスが驚きの声を上げた。

「いや、流石に遺体そのものを置くことはないからな?
 位牌っていって、なんつーかな……その人の魂を宿した物を、代わりに祭ってるって感じだな。
 ああ、あと故人が生前身に着けていた物とか、愛用していた物を祭ったり、これは古い話しだけど、それこそ髪……遺髪って言うんだが、そういう物を祭ったりとかな。
 だからかな? 死んだ人の髪を持ち込んだからって、別に「うぇっ! キモっ!」 みたいな気はしないんだよ」
「それがスグミの国の風習ってこと?」
「そうだな」

 セレスの問いにそう軽く答えると、俺はセレスが手にしていた遺髪が入った木箱を取り上げた。
 そして、それを手に、跪いたままでいるイースさんに倣うように俺も腰を落とし、手にしていた木箱をイースさんへと差し出した。

「はい、イースさん。
 てか、これはイースさんにとっても、勿論、ミラちゃんにとっても大事な物なんだろ? 
 そう簡単に落としたら、旦那さんが可哀想だろ?」
「はい……はい……ありがとう……ありがとうこざいます……」 

 そう言って、イースさんは差し出された木箱を受け取ると、大切そうに胸に抱いた。

「スグミお兄さん……本当にいいの?」

 で、今度はミラちゃんがそう聞いて来た。
 普段の明るく快活な表情が、今は見る影もないのがなんとも痛々しく感じる。

「勿論。ただなぁ……」
「た、ただ……?」

 俺の何気ない一言に、ミラちゃんだけでなく、イースさんの表情も一瞬更に強張ってしまった。

「ああ、二人を困らせるようなことを言うつもりはないから。
 ただ、入れ物がくたびれた木箱っては、ミラちゃんのお父さんがちょっと可哀想というか、寂しいっていうかな……
 ほら? さっきも話したけど、俺の国じゃ専用の祭壇を作るものだからさ。
 というわけで、ここは一つ、仏壇でも作ってみるかねっ!」

 仏教徒でもないイースさんの旦那さんを、仏壇で祭るというのもおかしな話だとは思うが、まぁ、こんなもんは気分である。
 葬式の時に念仏を唱えるからといって、全員が全員、敬虔な仏教徒というわけでもないだろうしな。
 そこは日本人特有の宗教観というやつだ。大事なのは作法よりも気持である。
 
「いっ、いえ……そこまでして頂かなくてもっ!」

 そんな俺の一言に、あわててイースさんが止めに入るが、俺はというともう作る気満々でいた。

 たまたまイースさんが俺の前を通り、その時偶然、夫の遺髪が入っていた木箱が滑り落ちて来た……
 変な言い方になるが、これもある意味何かの縁だと、俺にはそう思えた。

 それに……これは考え過ぎかもしれないが、俺はこの人に試されているような気がしたのだ。
 この国の禁忌を犯した者に、俺がどう対応するか? そして、俺が二人を預けるに足る男なのか、と。

 ならば応えてやろうではないか。
 少なくとも、雇用主として従業員には出来る限りのサポートはするつもりだ。
 目指すところはホワイトな上司だからなっ!
 しかし、タダで応えてやるつもりもない。
 俺だけが頑張るというのも不公平なので、イースさんの旦那さん、あんたにはこれからは草葉の陰からではなく、堂々と二人を見守って……いや、護ってもらおうではないかっ!
 その為の仏壇だ。サボったらぶっ壊すからな? 覚悟しとけよ?

 ホワイトな上司を目指すとはいったが、死んでる人間ならこき使ってもこれ以上死ぬことはないからかまへんやろ?

「まぁまぁ、俺が作りたいだけだから気にしいな気にしない」
「あっ、いえっ! そう言うことではっ! あのっ!」

 必死に止めようとするイースさんをガン無視し、俺は仏壇の設置場所の選定を勝手に推し進める。
 正直、俺が居なくなったらの方が問題になりそうではあるが……
 そこはまぁ、ラルグスさん辺りに相談しておけば、いい感じになんとかしてくれそうな気がする。
 問題の先送りアンド他人への丸投げだ。あとはヨロシクっ!

 というわけで、デッドスペースとなっていた部屋の片隅を予定地と定め、手持ちの木材や石材を使い早速制作を開始することに。

 ちなみに、イースさんが最後の最後まで抵抗していたが、あまりごねるとキンキンピカピカのこれでもかっていうスゲード派手な祭壇を作るぞ? という、俺の華麗な交渉術によって説得に応じ、本来の作業に戻って行った。

 その後ろ姿が滅茶苦茶渋々といった感じだったが、気にしてはいけない。

「お兄さんって、たまにああいう無茶言うよね?」
「やり口は子どもの我儘と同じだけど、無駄に財力と実行力があるから余計にタチが悪いのよね……」

 と、背後でぼそぼそと何やら話している声が聞こえて来たが、無視である。無視。ただ覚えてはおくからな?

 さて、ではまず実際に作る前にデザインをどうするか、だが……

 流石に、まんま仏壇、というわけにもいかんだろう。何せ、洋風のこの部屋に仏壇ではミスマッチにも程がある。
 ましてや、この国の宗教とかよく分かっていないのに、仏像を置くっていうのもよろしくない気がする。
 神を象った偶像禁止っ! みたいなどこぞの宗教みたいな教えがあるとも限らないのだ。
 
 となると、基本は仏壇系をイメージしつつも、神をイメージするような人物像は設置せず、装飾のみ、もしくは神様関係とは無縁の像を置く、といった感じだろうか。
 仏壇では龍なんかの彫刻があしらわれているので、こちら風にするならやはりドラゴンだろうか?
 装飾自体は漫画に出て来る教会や神殿的な感じにするのがいいかもしれない。
 かといって、過度な装飾は品がないので、最小限かつ効果的に、だ。

 なんて、うんうん唸りながら構想を固めていく。

 で、イメージが出来上がったところで製作開始。
 まずはガワとなる箱作りからだ。
 仏壇の様に正座して拝むわけではないので、イースさん達が立った状態で、丁度、顏、胸辺りに扉が来るよう高さに調整する。
 高すぎても低すぎても、掃除とか面倒になるだけだからな。

 ついでに、仏壇モドキの下部分がまるっと空いてしまうので、スペースの有効活用も兼ねて小物用のチェストボックスを設置。

 外部、内部は清潔感のある白で揃え、そこに適当な模様を刻んだり、内部にちょっとした装飾品を置いたりして、神聖性を醸し出す演出を施す。

 しかし、それだけでは流石に寂しいので、石を加工して作った二体のドラゴン像を設置。石感丸出しの状態ではちょっとみすぼらしいので、余っていた銀でメッキ処理をしてペカペカにしてやった。
 うむ。見栄えがよくなったな。ヨシっ!

 次に位牌の代わりになる物を用意する。
 こちらは背景とは逆に、黒色で作ることでその存在感をより強調する。
 この仏壇モドキの主役はあくまでイースさんの旦那さんだから。存分に目立っていただこうではないか。

 ただ、何も書いていないとこれが何なのか分からないので、“家族を愛したイースの夫にして、勇敢なるミラの父、ジーノここに眠る”とそれっぽいことを一筆、金文字でしたためる。
 これでよりそれっぽくなった。

 旦那さんの名前は、位牌を作っている時に、あっ、そういえば俺、名前知らねぇわ……となり、急ぎ確認した。
 んで、この位牌だが、実は内部が空洞になっており、背面から開閉出来るように作っていた。
 つまり、ここにジーノさんの遺髪を収めよう、ということだ。

 こうすることで、一見、この位牌の中に遺髪が入っている様には見えなくなり、もし人に見られても、最悪、個人用の祭壇だと言い張れるのではないかと、そういう狙いもあった。

「イースさん、悪いけどジーノさんの遺髪、貸してもらえる?」
「え? あっ、はい……ど、どうぞ……」

 ということで、位牌が出来上がったところで、片付け作業をしていたイースさんに声をかけ、ジーノさんの遺髪が入った木箱を借り受ける。

「完成したの?」

 で、丁度近くで作業をしていたセレスが、ミラちゃんを引き連れて俺の近くへとやって来たのだった。
 
「ああ、結構な自信作がなっ!」
「あの……お父さんの髪、どうするんですか?」

 俺がセレスへとそう答えると、今度はミラちゃんが少し不安そうにそう聞いて来た。

「折角ガワが綺麗になったのに、収められてるのがくたびれた木箱のままじゃカッコがつかないだろ?
 だから、専用の入れ物を作ったから、そっちに移そうと思ってね。
 あっ、そうだ。俺が移すより、ミラちゃんが移してあげなよ。
 そっちの方がお父さんだって嬉しいだろうしからね」

 見ず知らずの野郎の手で引っ越しされるより、愛娘の手ずから移された方が、ジーノさんだって嬉しいに違いない。
 ということで、位牌と木箱をミラちゃんへと手渡した。

 そして、ミラちゃんに位牌の蓋の開け方などを説明しつつ、ミラちゃんは丁寧に遺髪を位牌へと詰め詰めしていく。

「んじゃ、それを仏壇……ではないんだが、まぁ、とにかく祭壇に置いてあげな」
「うん……」

 ミラちゃんはそう小さく頷くと、遺髪の収められた位牌を大事そうに抱え、祭壇の前に立った。

「なんか……凄いので来てるんだけど……」
「力作だからなっ!」

 ミラちゃんはそういうと、恐る恐るといった感じで手を伸ばし、ゆっくりと位牌を祭壇の中央へと置いた。
 はいっ! これにて仏壇モドキの完成であるっ!
 うむ、中々の出来だ、と自画自賛。

「…………お父さん」

 何か思うところがあったのか、ミラちゃんが涙声にそう小さく呟くのが聞こえて来た。
 と、その時だ。

 ビコンっと、場違いな電子音が頭の中で響いたかと思った途端。
 目の前にARウインドウが突如として表示された。
 そしてそこには、“オベリスクの建設が完了しました”とそう記されていたのだった……
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