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後編
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「どうしてあなたがここにいるの?」
「確か、王子様と婚約するときにこういったはずだ。王子様が君のことを幸せにしてくれるはずだと。でも、実際はどうだろうか。君は今まで幸せを感じたことなんてなかったんだろう?」
確かに、幸せではなかった。でもどうして、ラングレーはそのことを知っているのだろうか?
「だって……私は君を幸せにするために存在しているんだから。君が私を望めば、いつでも私と婚約できるんだよ」
私はラングレーと婚約できるなら、それ以上嬉しいことはなかった。転生の果てのゴール……幸せ。ようやく巡ってきたのか……。
「それと、イズールを滅ぼそうとしている帝国カプリも、もうじき制圧できるから。そしたら、君は巨大帝国の母になるわけだ!」
なんと、ラングレーはこれほど優れた男だったのか?昔は私の方が男っぽくて、いつも泣いてばかりいるラングレーを励ましていた。
「悔しかったら、一国の王様にでもなってみなよ!」
そんなことを、冗談のつもりで言ったっけ?それが、現実になるの?
全く実感がわかなかった。
「これからはずっと一緒だ。少なくとも、君を守るくらいには強くなったさ……」
私はラングレーにしっかりと抱きついた。イズールの消えゆく灯火と、新たに始まる帝国の灯火がメラメラと燃え盛っていた。
「確か、王子様と婚約するときにこういったはずだ。王子様が君のことを幸せにしてくれるはずだと。でも、実際はどうだろうか。君は今まで幸せを感じたことなんてなかったんだろう?」
確かに、幸せではなかった。でもどうして、ラングレーはそのことを知っているのだろうか?
「だって……私は君を幸せにするために存在しているんだから。君が私を望めば、いつでも私と婚約できるんだよ」
私はラングレーと婚約できるなら、それ以上嬉しいことはなかった。転生の果てのゴール……幸せ。ようやく巡ってきたのか……。
「それと、イズールを滅ぼそうとしている帝国カプリも、もうじき制圧できるから。そしたら、君は巨大帝国の母になるわけだ!」
なんと、ラングレーはこれほど優れた男だったのか?昔は私の方が男っぽくて、いつも泣いてばかりいるラングレーを励ましていた。
「悔しかったら、一国の王様にでもなってみなよ!」
そんなことを、冗談のつもりで言ったっけ?それが、現実になるの?
全く実感がわかなかった。
「これからはずっと一緒だ。少なくとも、君を守るくらいには強くなったさ……」
私はラングレーにしっかりと抱きついた。イズールの消えゆく灯火と、新たに始まる帝国の灯火がメラメラと燃え盛っていた。
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