公爵令嬢の幸せな転生物語

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中編

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「ここにいたのか。探したんだよ……」

聞き覚えのある声と共に、誰かの叫び声が聞こえた。

「王子様!」

女の金切り声がずっとずっと響いていた。私は繰り返す……これで何度目だろうか?ここは、まだ牢獄だろうか?娼館ではなさそうだ。

「王子様は私が制圧した。私にはむかう愚か者は早々に出てこい。この場で叩き切ってやる!」

聞き覚えはあるんだけど……なかなか思い出せなかった。

「クリス……待たせたね。私だよ。忘れたかい?ラングレーだよ」

ラングレー……私は十分くらい記憶の旅に出た。王子様に婚約破棄されて、時には殺されそうになって……もっともっと前の話だった。そもそも、王子様に会う前の話……私が子供だった頃の話……。

ラングレーは私の幼馴染で、良き理解者だった。そして、将来結婚すると誓った仲だったのだ。

それが……全ては王子様の一目惚れから始まった。

「君のことをひと目見た時から好きになってしまった。私と婚約してほしい」

初めて会ったお茶会の時だっただろうか。王子様にこう言われて、両親は喜んだ。でも、私はあまり喜ばなかった。私は、ラングレーと結婚したかったのだ。

「せっかくの機会なんだ。私に構わず、王子様と婚約しなさい」

ラングレーは、私のためと言って、身を引いた。でも、本当はちっとも私のためじゃなかった。王子様は結局、私の身体目当てだったのだ。

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