18 / 52
その18
しおりを挟む
「ようこそいらっしゃいました……」
私の後から、ロンメル伯爵も出てきました。ロンメル伯爵の姿を見て、ローズはいきなり、
「あらまあ、ロンメル伯爵じゃありませんか!!!」
と言って、大声で笑いだしました。
「ローズ……いくらなんでも失礼でしょう……」
私はいきなり、精霊たちとの約束を破りそうになりました。
「いいえ、マリア様。私は平気ですから……どうぞお構いなく。お茶をお持ち致しました……」
「あらあら、この屋敷では、当主自らお茶を出す習慣なんですか???そうか、こんな貧乏屋敷にメイドなんていませんものね……ああ、仮にも公爵令嬢だったお姉様を養うだけの能力があるのかしら???」
何だか、ロンメル伯爵を侮辱するローズは、同時に、私のことも侮辱しているような気がして、段々腹が立ってくるのでした。でも、やはり、ここで怒鳴ってはならなかったのです。それが、ある種の約束でありましたから。
「はあ、申し訳ございません……」
そんな、ロンメル伯爵も別に謝る必要なんてないと思いました。そんなことをすれば、益々、ローズが喜ぶだけだと思いました。そして、この関係が続きますと、ろくなことがないと思うわけでございました。
「ああ、相変わらずお似合いですわねえ……」
確かに、ローズの視点から見れば、私たちはお似合いだと思いました。似て非なるもの……ローズは、私どもとはかけ離れたところにいたわけでございます。
そして、ローズは身に纏った大きな宝石の自慢を始めました。
「王子様が私にプレゼントしてくださいましたの!!!!」
これを見て、羨ましがれと言わんばかりの態度でした。まあ、これ以上太るようでしたら、まさに、豚に真珠状態になってしまうのではないか、と思いましたが。
私の後から、ロンメル伯爵も出てきました。ロンメル伯爵の姿を見て、ローズはいきなり、
「あらまあ、ロンメル伯爵じゃありませんか!!!」
と言って、大声で笑いだしました。
「ローズ……いくらなんでも失礼でしょう……」
私はいきなり、精霊たちとの約束を破りそうになりました。
「いいえ、マリア様。私は平気ですから……どうぞお構いなく。お茶をお持ち致しました……」
「あらあら、この屋敷では、当主自らお茶を出す習慣なんですか???そうか、こんな貧乏屋敷にメイドなんていませんものね……ああ、仮にも公爵令嬢だったお姉様を養うだけの能力があるのかしら???」
何だか、ロンメル伯爵を侮辱するローズは、同時に、私のことも侮辱しているような気がして、段々腹が立ってくるのでした。でも、やはり、ここで怒鳴ってはならなかったのです。それが、ある種の約束でありましたから。
「はあ、申し訳ございません……」
そんな、ロンメル伯爵も別に謝る必要なんてないと思いました。そんなことをすれば、益々、ローズが喜ぶだけだと思いました。そして、この関係が続きますと、ろくなことがないと思うわけでございました。
「ああ、相変わらずお似合いですわねえ……」
確かに、ローズの視点から見れば、私たちはお似合いだと思いました。似て非なるもの……ローズは、私どもとはかけ離れたところにいたわけでございます。
そして、ローズは身に纏った大きな宝石の自慢を始めました。
「王子様が私にプレゼントしてくださいましたの!!!!」
これを見て、羨ましがれと言わんばかりの態度でした。まあ、これ以上太るようでしたら、まさに、豚に真珠状態になってしまうのではないか、と思いましたが。
23
あなたにおすすめの小説
【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください
ゆうき
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。
義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。
外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。
彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。
「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」
――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがて王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、そして政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に行動する勇者パーティは、四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そして試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして、世界を救う少女の選択と成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー編 32話
第二章:討伐軍編 32話
第三章:魔王決戦編 36話
※「カクヨム」、「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。
【完】夫から冷遇される伯爵夫人でしたが、身分を隠して踊り子として夜働いていたら、その夫に見初められました。
112
恋愛
伯爵家同士の結婚、申し分ない筈だった。
エッジワーズ家の娘、エリシアは踊り子の娘だったが為に嫁ぎ先の夫に冷遇され、虐げられ、屋敷を追い出される。
庭の片隅、掘っ立て小屋で生活していたエリシアは、街で祝祭が開かれることを耳にする。どうせ誰からも顧みられないからと、こっそり抜け出して街へ向かう。すると街の中心部で民衆が音楽に合わせて踊っていた。その輪の中にエリシアも入り一緒になって踊っていると──
欲しがり病の妹を「わたくしが一度持った物じゃないと欲しくない“かわいそう”な妹」と言って憐れむ(おちょくる)姉の話 [完]
ラララキヲ
恋愛
「お姉様、それ頂戴!!」が口癖で、姉の物を奪う妹とそれを止めない両親。
妹に自分の物を取られた姉は最初こそ悲しんだが……彼女はニッコリと微笑んだ。
「わたくしの物が欲しいのね」
「わたくしの“お古”じゃなきゃ嫌なのね」
「わたくしが一度持った物じゃなきゃ欲しくない“欲しがりマリリン”。貴女はなんて“可愛”そうなのかしら」
姉に憐れまれた妹は怒って姉から奪った物を捨てた。
でも懲りずに今度は姉の婚約者に近付こうとするが…………
色々あったが、それぞれ幸せになる姉妹の話。
((妹の頭がおかしければ姉もそうだろ、みたいな話です))
◇テンプレ屑妹モノ。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい。
◇なろうにも上げる予定です。
0歳児に戻った私。今度は少し口を出したいと思います。
アズやっこ
恋愛
❈ 追記 長編に変更します。
16歳の時、私は第一王子と婚姻した。
いとこの第一王子の事は好き。でもこの好きはお兄様を思う好きと同じ。だから第二王子の事も好き。
私の好きは家族愛として。
第一王子と婚約し婚姻し家族愛とはいえ愛はある。だから何とかなる、そう思った。
でも人の心は何とかならなかった。
この国はもう終わる…
兄弟の対立、公爵の裏切り、まるでボタンの掛け違い。
だから歪み取り返しのつかない事になった。
そして私は暗殺され…
次に目が覚めた時0歳児に戻っていた。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。こういう設定だとご了承頂けると幸いです。
【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる