世界一美しい妹にせがまれるので婚約破棄される前に諦めます～辺境暮らしも悪くない～

ハンフリー様は歪な硝子 2

キャサリンは、

「ああ、そうなのですか？？？？？？？？？？？それでは、今晩はいかがでございましょうか？？？？？？？」

と、案の定、尋ねたようでございました。

「今晩……今晩は色々と忙しいんじゃないのかな？？？？？？？？？？？？？」

ハンフリー様はこう言いました。あくまでも披露宴でございますから、今日すぐに、というわけには行かないわけでございましょうか。

「ええ、そうなのですか？？？？？？？？？？それでは……私のことはこのまま蔑ろにするおつもりなのですか。そうだとしたら、私…………」

キャサリンは、ウソ泣きが得意でした。そして、キャサリンが泣き出すと、途端に男どもはかばおうとしました。そして、キャサリンが泣き出した原因を突き止めようと躍起になりました。その意味が……果たしてあるのかどうか、そんなことは、私には分かりませんでしたが、まあ、仕方のないことでございましょう。殿方も好きでやっているわけではないのです。ある種、キャサリンに寄生された動物のようなものでございますから。さて、ハンフリー様はこう言いました。

「ああ、ごめんな。私が不甲斐ないばっかりに……でも、これが私の気持ちなんだ。だから……勘弁してくれ……」

ハンフリー様は決して、キャサリンの言いなり通りに動くわけではありませんでした。これがかえって、時にはキャサリンの気持ちを害することにもつながるわけでございました。それでも、ハンフリー様は自分の信念を貫き通そうとしました。これが、ハンフリー様のやり方で、ともすれば、キャサリンも、そして、ハンフリー様も、非常にわがままだったのでございました。