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誤解 その2

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「そうなのかしら?それならいいんだけど……」

ハマーという男が少々性悪であることを、クリスは知っていた。別に、だからと言って、ただ女に手を出すのが多いというくらいの話なのだが、だからこそ、マリアは恰好の餌食になってしまわないか、心配だった。

マリアの美しさが、女として永遠を保証するものであるとしたら、ハマーを始めとしたげすい貴族たちに取り囲まれてしまうと、すぐに汚くなってしまうと思った。

「ああ、どうして私が聖女なのかしら?いっそのこと、マリアが聖女であればいいと思うんだけど……」

美しさという点で、マリアに劣るクリスは、疑問に感じることが多々あった。

「お姉様!しっかりなさってください!!!」

それでも、意味不明な妹の励ましを受けて、もう少し頑張るしかないと、クリスは感じた。
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