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その8
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サリーは明らかに殺気立っていました。今までも何度か、私のことを殺したいと思ったことがあったのでしょう。これほどまでにサリーのことを考えて生活してきた私がバカだったのかもしれません。
「お姉様……本当によろしいのですか?」
サリーには、どこかためらいがあるようでした。
「いいって言ってるでしょう。さぁ早く殺しなさい!」
サリーが切っ先を私の胸に当てた瞬間、王子様が、
「やめないか?」
とサリーに声をかけました。王子様はどういうわけだか、非常に冷静でした。家族の修羅場……想像すればなんとなく分かります。貴族、あるいは、王族の争いは常にあるわけです。下手したら殺されるということも。ですから、驚きはしないのでしょう。きっと、見慣れ過ぎた光景なのです。
「どうしてですか?」
サリーが問いかけると、王子様は、
「どんな理由があろうとも、家族を殺すと言うのは、それはさすがにひどいことじゃないかな?」
と答えました。私はこの時、少し王子様を見直しました。心の中では、このまま死んでいくことを固く決意していましたが、いざ助かったことを悟ると、体がガクガクと震え始めました。
「ああ、そうなんですか?王子様はひょっとしてお姉様の肩を持とうとしているのですか?」
それにしても、どうしてここまでサリーは卑屈なのでしょうか。私には全くわかりませんでした。
「別にそういうわけじゃないんだ。私は君のことを深く愛しているよ、サリー。だからこそ、君を犯罪者にしたくないんだ。わかってくれるね?」
王子様の説得を聞いて、サリーは、
「わかりました」
と答えました。意外とあっさりしていたので、私は少し驚きました。これだけ手の込んだ芝居を打って、結果がこの程度……いいえ、私が満足するかしないかの問題では決してありません。そんなことは正直どうでもよいのです。
「それでいいんだ、それで……」
王子様はなんだか安心したようでした。
「はあ、どいつもこいつもばかばかしい人間ばっかりだわ……」
サリーの独り言が、私の耳にそっと刺さりました。
「それでは……王子様?どうですか、改めてお姉様に私たちの夫婦の営みを見て行ってもらいますか?」
サリーはもう一度、馬鹿げたことを繰り返しました。
「その話は置いておいて、私はマリアに確かめたいことがあるんだ……」
そう言って、王子様は私の方に近づいてきました。
近くで見ると、やはり相当のハンサムで、サリーにお似合いだと思いました。
願わくは、最初から婚約しないで……と思いました。いまさら、後の祭りでございますが。
「マリア……これから私のする質問に、正直に答えて欲しい。いいね?」
私は再び悟りました。王子様が私に対して婚約破棄をする理由を作るのです。
「君は妹であるサリーをいつも妬んでいた。君よりも全ての面ではるかに優れている妹サリーが許せなかった。そして、そのことをずっと根に持っていた。そうだね?」
わたしは迷いもせずに、
「その通りです」
と答えました。
「お姉様……本当によろしいのですか?」
サリーには、どこかためらいがあるようでした。
「いいって言ってるでしょう。さぁ早く殺しなさい!」
サリーが切っ先を私の胸に当てた瞬間、王子様が、
「やめないか?」
とサリーに声をかけました。王子様はどういうわけだか、非常に冷静でした。家族の修羅場……想像すればなんとなく分かります。貴族、あるいは、王族の争いは常にあるわけです。下手したら殺されるということも。ですから、驚きはしないのでしょう。きっと、見慣れ過ぎた光景なのです。
「どうしてですか?」
サリーが問いかけると、王子様は、
「どんな理由があろうとも、家族を殺すと言うのは、それはさすがにひどいことじゃないかな?」
と答えました。私はこの時、少し王子様を見直しました。心の中では、このまま死んでいくことを固く決意していましたが、いざ助かったことを悟ると、体がガクガクと震え始めました。
「ああ、そうなんですか?王子様はひょっとしてお姉様の肩を持とうとしているのですか?」
それにしても、どうしてここまでサリーは卑屈なのでしょうか。私には全くわかりませんでした。
「別にそういうわけじゃないんだ。私は君のことを深く愛しているよ、サリー。だからこそ、君を犯罪者にしたくないんだ。わかってくれるね?」
王子様の説得を聞いて、サリーは、
「わかりました」
と答えました。意外とあっさりしていたので、私は少し驚きました。これだけ手の込んだ芝居を打って、結果がこの程度……いいえ、私が満足するかしないかの問題では決してありません。そんなことは正直どうでもよいのです。
「それでいいんだ、それで……」
王子様はなんだか安心したようでした。
「はあ、どいつもこいつもばかばかしい人間ばっかりだわ……」
サリーの独り言が、私の耳にそっと刺さりました。
「それでは……王子様?どうですか、改めてお姉様に私たちの夫婦の営みを見て行ってもらいますか?」
サリーはもう一度、馬鹿げたことを繰り返しました。
「その話は置いておいて、私はマリアに確かめたいことがあるんだ……」
そう言って、王子様は私の方に近づいてきました。
近くで見ると、やはり相当のハンサムで、サリーにお似合いだと思いました。
願わくは、最初から婚約しないで……と思いました。いまさら、後の祭りでございますが。
「マリア……これから私のする質問に、正直に答えて欲しい。いいね?」
私は再び悟りました。王子様が私に対して婚約破棄をする理由を作るのです。
「君は妹であるサリーをいつも妬んでいた。君よりも全ての面ではるかに優れている妹サリーが許せなかった。そして、そのことをずっと根に持っていた。そうだね?」
わたしは迷いもせずに、
「その通りです」
と答えました。
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