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その10

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「クリス!!!」

ハル様が私のことを呼んでいました。それにしても、今度は一体何があったのでしょうか?この世界は……。

「ハル様ではございませんか?いかがなさいましたか?」

「貴様!私の元からクリスを奪ったな?」

「奪った……ハル様、言葉の意味が分からないのですか?あなたは既にクリスを捨てたではありませんか?」

「捨てただと?」

「そうです。令嬢クリスが今まで受けてきた仕打ちを、私は全て知っているのです。あなたは、クリスをことあるごとにイジメ続けましたね?ああ、弁解の余地はありませんよ?私は全て知っています。クリスは人生を何度も繰り返しました。ただ、ハル様に好かれることだけを希望にして……。でも、それは無理みたいですね。ハル様、あなたはクリスを捨てた!」

私は……また、ハル様に捨てられたのかしら?

「だから、ハル様に変わって、私があなたのことを愛することにします。クリス、それでいいですね?」

なんだろう、この居心地の良さは……私は、

「わかりました」

と返事をしてしまいました。
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