Girl Quake ~令嬢様は婚約破棄の腹いせに暴れ出す~

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その2

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そんな王子が段々と私のことを避けるようになったのは、婚約が決まってしばらくした頃だった。王子は大きな研究を幾つも成功させ、その度に私は王子の論文に目を通した。王子と話すときは、新しい知識に基づいて話すように心がけた。

それなのに、明らかに王子の態度は素っ気なくなった。

ひょっとして、よくあるパターンの婚約破棄?

私はこの4文字を一目散に想像した。理由は分からない。でも……そうとしか考えられなかった。

王子の人生を演算することは理論的に可能だった。実は私、過去の事象を全て知っているので、固有人物が現在置かれている状況を把握すれば、ある程度未来を予想することができる。その結果導き出されたのが、とりあえず婚約破棄なのである。しかしながら、これ以上詮索することはダメだと思った。知ったところで、私が傷つくだけである。不確定な演算を施行する時間があるのなら、王子との関係を修復するほうがいいと思った。

私は王子の助手になると言った。しかし、断れた。

私は食事の準備をすると言った。しかし、断られた。

私は他にも色々考えを巡らせた。でも、全てダメだった。一体原因はなんなのか?これくらいは演算してもいいと思ったが、やはり躊躇してしまった。

もうお手上げだった。

やはり、他にいいお相手ができたのだろうか?私はそう考えた。しかしながら、王子様が恋愛に疎いのは周知の事実。王子様がアプローチすることはないし、世の令嬢様たちだって、いくら王家の人間とは言っても、選択肢としては最悪だろう。

あれこれ考えを巡らせて暫くすると、正式に王子様の元から召集令状がやって来た。私はこれを待っていた。婚約……願わくばせっかくだから叶って欲しい。婚約破棄であれば、その理由も当然教えてもらわなければならない……さあっ、私の勝負がこれから始まる。気合は十分だった。 
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