儚い。

椛 iroha

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変なアイツ。

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あれから、時は過ぎ……

体育祭の時期になった。

「それじゃあ今日は競技を決めます。やりたい種目がある人は手を挙げてください。」

委員長が楽しそうに話す。

正直こういうノリは嫌いだ。

運動はできるけど好きじゃないしちょっと足速いだけで色んな競技に出させられる。

「…明弥はどこに出るの」

あの事件からなんとなく話すようになった。

「僕は身体が弱いし記録係って所かな」

「へえ…じゃあ私も」

「この前測ったタイムが8秒以下の人は自動的にリレーになりますから注意してください」

ちっ…

「口から出てるよ」

「…はぁ、ほんとやだ。」

*☼*―――――*☼*―――――

結局リレーにされてしまった。

「まぁ僕も応援してるから」

「あんたに応援されても嬉しくない」

「そんなこというなよ…」

私はまだ気づいていなかったんだ。

このイベントで……最悪の結果になることに。

*☼*―――――*☼*―――――

時は流れ体育祭(絶対はやいとか言うなよ?)

「…まもなくリレーが始まります。選手の皆さんは……」

「はぁ、やってきてしまった」

リレーがやってきてしまう。

「本当に僕……応援してるから」

「はいはい、1位になったら自慢してやる」

「うん、待ってる」

(移動中)

うーん、やっぱりここにくると緊張するな。

「いちについて……よーい」

私は応援席にいる明弥と目を合わす。

「パァァァン!!!」

勢いよくピストルの音が鳴ったと同時に選手は走る。

私も負けずに今は2位だ。

「…くっそ……!!」

速いなぁ。

やっぱ私には無理だなぁ。

そう、諦めようとした時

「「頑張れ!!蓮美ちゃん!!」」

2人の声を聞いた。

と、同時に自分じゃないみたいに体が軽くなった。

「…自慢してやんよ」

するとあっという間に1位。

「はいっ」

次の走者にバトンを渡す。

「はぁ……よかった……」

安心してその場にしゃがみこみ、応援席を見る。

すると、さっきまでいた明弥だけが居なくなっていた。

「あれ……?」

*☼*―――――*☼*―――――

「1位、Aチーム!!」

みんなが喜んでいる中私だけは喜べなかった。

明弥がいない。

どうしてここまで気になるのか。

そんなの分からないけど……

なんか…嫌な予感がする。

そのまま私たちは退場して昼休みになった。

外から保健室の中を見ると誰もいなく、
だとすれば……どこだろう?

   教室
▽昇降口
   体育館

とりあえず中入りたいし昇降口の方へ行って見よう。

私は人よりはやく昇降口へ向かった。

*☼*―――――*☼*―――――

さっきまですごく疲れていたはずなのに、
明弥を探すとなると体が軽くなり走れるようになった。

あ、やっぱり人影がある。

しかも見た感じ明弥っぽい?

少し奥にいるからわからないけど…

「…明弥、1位になった……よ……」

その瞬間、


























私は……動けなくなった。
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