43 / 51
月の光
02_これから
しおりを挟む
演奏が無事に終わり、幕が下りた後、コンサートホールの観客が立ちあがり拍手をした。
ーージーナと僕を除いて。
彼女は、とても驚いた顔をして、僕に向かって言った。
「あなた、もしかして、鬼山くんじゃない?」
隣にいたのは、同級生のジーナだ。よく顔を知っている女性だった。若干、気の強い性格で、自分の考えを、しっかりと主張する節があった。僕にはない魅力があって、なんというか彼女にひかれていた時期もあった。
「.......」
僕は慌てて顔を背けて、黙り込んだ。世間的には、僕は死んだことになっている。ジーナに鬼山聖であることを、知られるとまずい。ここは、なんとか、彼女に自分の存在を悟られることなく、乗り切らなけらばならない。
「やっぱり、鬼山くんね。最近、死体で見つかったと聞いたけど、何でここにいるのかしら。まさか、幽霊か何かなの」
彼女は、僕の死体が見つかったことを知っていた。いよいよ、面倒なことになってきた。
「いや、ジーナ。その......人違いだよ!鬼山なんて知らない」
さすがに、無理があるかもしれないが、しらをきってみた。
「あら、そう。でも、なんで、あなた、私の名前を知ってるの?さっき、私の名前言ってたじゃない」
「それは!なんとなくだよ......」
ひどい言い訳だ。完全にぼろが出ている。もはや、自分から鬼山聖ですと言っているようなものだ。
「なら、あなたの名前は何て言うの?聞かせて」
僕は、席を立ちあがり、彼女から離れながら、言った。
「僕の名前は、小山だ。鬼山じゃない」
とっさに、思い付いた名前は、小山だった。これで彼女が納得してくれる訳がないのは分かっている。僕は、彼女のもとから足早に立ち去ることを優先した。
だけど、ジーナは、僕を立ち去らせてはくれなかった。いつの間にか、僕の腕をつかみ、僕の足を止めた。
「鬼山くん、何があったの?気になるわ」
どうやら、彼女に僕が鬼山であることが完全にばれているようだった。当然だろう。
「ごめん、言えない。僕のことは、見なかったことにしてくれないか。誰にも知られてたくないんだ。僕が生きていることを」
正直に周りに知られたくなくて言えないと告げるも、彼女は折れることはなかった。むしろ、さらに僕に興味を持ち始めている。
「嫌よ、あなたが自分のことを言うまではね。聞かせてちょうだい。だって、面白そうだもの」
まじまじと、微笑む彼女に見つめられて、僕は顔を赤らめると、頭を掻いた。
「困ったな......」
面倒なことになった。彼女は、簡単には、僕を解放してくれそうになかった。きっと、彼女の性格上、自ら折れることはないだろう。僕は、ため息をつくと言った。
「分かったよ。ただし、ここでは話せない」
僕が、そう言うと、彼女はなんだか顔を赤らめた。
「実はね、私もあなたに話したいことがあるの」
林檎のように顔を赤らめてそう言う、彼女は、とてもきれいで可愛かった。
僕たちは、コンサートホールの外側に出て、公園のベンチまで行き、話をした。演奏会の観客に、半獣についての話を聞かれたくはなかったからだ。
僕が、アルバートとともにタイムベルに行き、半獣たちに出会い、翌朝、目覚めたら、半獣になってしまっていたこと。
家族や、アルバートが、半獣に襲われてしまったこと。
みんなを傷つけたくなくて、今までの人間関係を断ち切ったこと。
真実をありのまま、ジーナに話した。普通の人なら、こんな話をされても信じられる訳がない。オカルト好きな僕でも、半獣の存在を知らなければ、にわかには信じられず、作り話をしていると思うに違いない。ジーナも、また、例外ではないはずだ。
「嘘みたいな話ね」
ジーナは、僕の話を聞いて、一言そう言った。
「そうだろ。信じられない話だと思うよ」
彼女も、さすがに、僕の話を信じない。と、思って安心した。
「だけど......話している鬼山くんを見ていると、嘘をついているようには、見えないのよね。だから、信じるわ」
安心しきったところに、不意討ちのように飛び込んできた彼女の発言に、面食らってしまう。
「信じるのか!そんなあっさり。こんな嘘みたいな話を。信じてくれないと思ってた!」
「ほんとは信じられないけれど。本当なら、面白そうだもの。鬼山くんにもっと興味が出てきた」
彼女が、まじまじと僕の顔を見つめるものだから、恥ずかしくなって赤くなった顔を俯けた。
「これ以上、僕と関わるべきじゃない。アルバートも僕の家族も傷つけてしまった。君も、どうなるか分からないんだ」
「鬼山くんは、これからどうするの?半獣になって、今までの人間だった頃の人生を何もかも、なかったことにして」
「自分でも、何をすべきなのか、何をしたいのか分からないよ。ただ、ひとつだけ確かなのは、誰かをこれ以上傷つけたくないということなんだ」
彼女にこれからのことを聞かれて、改めて、相変わらず、何も将来を描けていないことに気づいた。
「嘘ね。ほんとは、あなたは、人間だった頃の生活を今もまだ、捨てきれずにいるし、戻りたいと思っている。今までの人間だった頃の生活をすべて捨て去って消し去る必要なんてほんとにあるのかしら」
「半獣として生きるためには、覚悟が必要なんだ。今までの人間関係を捨て去って、半獣として生きるという覚悟が」
「あなたは、完全に捨て去ることなんてできないと思う。だって、あなたは半獣になっていても、心は人間だもの。あなたが人間である限り、捨て去ることなんてできっこないわ。誰かに、捨て去れと言われたのかもしれないけれど、そんなの関係ない。あなたはあなたでしょ」
誰になんと言われようと、変な目で見られようと、自分の道を突き進む彼女らしい言葉だった。彼女と僕は対照的だ。僕は迷ってばかりだけど、彼女には何をするのにも迷いはなかった。彼女の我が道を行くという覚悟のあり方も、ありなのかもしれない。
「なんか、ありがとう」
僕は、笑顔を浮かべて彼女に自然と感謝の言葉を述べていた。自分のこれからの生き方について、深く考えたことはなかった。ただなんとなく、時間だけが過ぎて、周りに合わせて生きてきた。僕なりの生き方をまともにしてこなかったかもしれない。
「あ、雨が降ってきた」
いつの間にか、空は曇り空になっていて、雨がぱらついていた。
「ほんとだ、傘持ってきてないよ」
「私も」
二人とも、傘を持っていない。このままだと、雨でびしょ濡れになってしまう。
「向こうの建物の影に雨宿りしよう。行こう」
「えっ!?」
僕は、彼女の手を握って、一緒に向こうに見える建物に駆けた。建物の影に入った直後、雨足が強くなって、ざっと地面を激しく打つ雨音が聞こえた。少しでも遅れれば、二人とも雨足に踏み潰されるところだった。
ジーナと僕の肩と肩が触れ合った。
「鬼山くんが、秘密を洗いざらい言ってくれたから、私も、私の秘密を話すね」
ジーナは、真剣な表情をしてこちらを見た。
ジーナの秘密とはなんなのだろう。何でも、思っていることを迷わずはっきり言う彼女に、秘密があるとは想像できなかった。
「君の秘密ってなに?」
ジーナは、雨が降るロンドン街の景色を眺めて、言った。
「鬼山くんは覚えてる?川に溺れていた私を救ってくれた時のこと」
ジーナに言われ、記憶が甦ってきた。確かに、僕は彼女を川から救ったことがある。アルバートと、一緒に街中をぶらぶら歩いていた時だった。なぜか、女性が溺れているのを見て、気づいたときには、僕は川に飛び込んで助けていた。
「うん、そう言えば、そんなこともあってね」
「あの時は、飼っていた子犬が川に溺れてしまって、助けようと思ったら、自分も溺れてしまったの。溺れてもう駄目かと思った時、鬼山くんだけがいち早く気づいて、私を助けてくれた」
「なんだろうな。あの時は、体が勝手に動いていたというか、特に何も考えずに川に飛び込んでしまったんだよな」
彼女は、目を輝かせながら、僕の方をまっすぐ見ていた。鈍感な僕でも、彼女にとって何か大切なことを伝えようとしてくれてると感じた。
「私ね、実は、鬼山くんのことがずっと......」
ジーナが、何かを言おうとしている最中、彼女の背後に立つバエナが、突如、視界に入ってきた。
バエナは、なにも語らず不気味な笑みを浮かべていた。
嫌な予感がして、極限まで集中力を高める。地面を激しく打ちつける雨が止まって見えた。まるで、世界が静止しまったかのように。
キィーーー。
静止した世界をぶち破るように、制御を失った巨大なトラックが、ジーナに光を照らし勢いよく迫ってきた。
「ジーナ!!!!」
「鬼山くん......」
ガッシャン。
僕らの声が響いた直後、トラックが建物の壁を穿つように激しく衝突した。ぶつかったトラックは、ぺしゃんこになり、地面には、粉々になった建物の壁が散乱している。
ーーそんな惨状を、曇天から降り注ぐ雨は平然と打ちつけていた。
ーージーナと僕を除いて。
彼女は、とても驚いた顔をして、僕に向かって言った。
「あなた、もしかして、鬼山くんじゃない?」
隣にいたのは、同級生のジーナだ。よく顔を知っている女性だった。若干、気の強い性格で、自分の考えを、しっかりと主張する節があった。僕にはない魅力があって、なんというか彼女にひかれていた時期もあった。
「.......」
僕は慌てて顔を背けて、黙り込んだ。世間的には、僕は死んだことになっている。ジーナに鬼山聖であることを、知られるとまずい。ここは、なんとか、彼女に自分の存在を悟られることなく、乗り切らなけらばならない。
「やっぱり、鬼山くんね。最近、死体で見つかったと聞いたけど、何でここにいるのかしら。まさか、幽霊か何かなの」
彼女は、僕の死体が見つかったことを知っていた。いよいよ、面倒なことになってきた。
「いや、ジーナ。その......人違いだよ!鬼山なんて知らない」
さすがに、無理があるかもしれないが、しらをきってみた。
「あら、そう。でも、なんで、あなた、私の名前を知ってるの?さっき、私の名前言ってたじゃない」
「それは!なんとなくだよ......」
ひどい言い訳だ。完全にぼろが出ている。もはや、自分から鬼山聖ですと言っているようなものだ。
「なら、あなたの名前は何て言うの?聞かせて」
僕は、席を立ちあがり、彼女から離れながら、言った。
「僕の名前は、小山だ。鬼山じゃない」
とっさに、思い付いた名前は、小山だった。これで彼女が納得してくれる訳がないのは分かっている。僕は、彼女のもとから足早に立ち去ることを優先した。
だけど、ジーナは、僕を立ち去らせてはくれなかった。いつの間にか、僕の腕をつかみ、僕の足を止めた。
「鬼山くん、何があったの?気になるわ」
どうやら、彼女に僕が鬼山であることが完全にばれているようだった。当然だろう。
「ごめん、言えない。僕のことは、見なかったことにしてくれないか。誰にも知られてたくないんだ。僕が生きていることを」
正直に周りに知られたくなくて言えないと告げるも、彼女は折れることはなかった。むしろ、さらに僕に興味を持ち始めている。
「嫌よ、あなたが自分のことを言うまではね。聞かせてちょうだい。だって、面白そうだもの」
まじまじと、微笑む彼女に見つめられて、僕は顔を赤らめると、頭を掻いた。
「困ったな......」
面倒なことになった。彼女は、簡単には、僕を解放してくれそうになかった。きっと、彼女の性格上、自ら折れることはないだろう。僕は、ため息をつくと言った。
「分かったよ。ただし、ここでは話せない」
僕が、そう言うと、彼女はなんだか顔を赤らめた。
「実はね、私もあなたに話したいことがあるの」
林檎のように顔を赤らめてそう言う、彼女は、とてもきれいで可愛かった。
僕たちは、コンサートホールの外側に出て、公園のベンチまで行き、話をした。演奏会の観客に、半獣についての話を聞かれたくはなかったからだ。
僕が、アルバートとともにタイムベルに行き、半獣たちに出会い、翌朝、目覚めたら、半獣になってしまっていたこと。
家族や、アルバートが、半獣に襲われてしまったこと。
みんなを傷つけたくなくて、今までの人間関係を断ち切ったこと。
真実をありのまま、ジーナに話した。普通の人なら、こんな話をされても信じられる訳がない。オカルト好きな僕でも、半獣の存在を知らなければ、にわかには信じられず、作り話をしていると思うに違いない。ジーナも、また、例外ではないはずだ。
「嘘みたいな話ね」
ジーナは、僕の話を聞いて、一言そう言った。
「そうだろ。信じられない話だと思うよ」
彼女も、さすがに、僕の話を信じない。と、思って安心した。
「だけど......話している鬼山くんを見ていると、嘘をついているようには、見えないのよね。だから、信じるわ」
安心しきったところに、不意討ちのように飛び込んできた彼女の発言に、面食らってしまう。
「信じるのか!そんなあっさり。こんな嘘みたいな話を。信じてくれないと思ってた!」
「ほんとは信じられないけれど。本当なら、面白そうだもの。鬼山くんにもっと興味が出てきた」
彼女が、まじまじと僕の顔を見つめるものだから、恥ずかしくなって赤くなった顔を俯けた。
「これ以上、僕と関わるべきじゃない。アルバートも僕の家族も傷つけてしまった。君も、どうなるか分からないんだ」
「鬼山くんは、これからどうするの?半獣になって、今までの人間だった頃の人生を何もかも、なかったことにして」
「自分でも、何をすべきなのか、何をしたいのか分からないよ。ただ、ひとつだけ確かなのは、誰かをこれ以上傷つけたくないということなんだ」
彼女にこれからのことを聞かれて、改めて、相変わらず、何も将来を描けていないことに気づいた。
「嘘ね。ほんとは、あなたは、人間だった頃の生活を今もまだ、捨てきれずにいるし、戻りたいと思っている。今までの人間だった頃の生活をすべて捨て去って消し去る必要なんてほんとにあるのかしら」
「半獣として生きるためには、覚悟が必要なんだ。今までの人間関係を捨て去って、半獣として生きるという覚悟が」
「あなたは、完全に捨て去ることなんてできないと思う。だって、あなたは半獣になっていても、心は人間だもの。あなたが人間である限り、捨て去ることなんてできっこないわ。誰かに、捨て去れと言われたのかもしれないけれど、そんなの関係ない。あなたはあなたでしょ」
誰になんと言われようと、変な目で見られようと、自分の道を突き進む彼女らしい言葉だった。彼女と僕は対照的だ。僕は迷ってばかりだけど、彼女には何をするのにも迷いはなかった。彼女の我が道を行くという覚悟のあり方も、ありなのかもしれない。
「なんか、ありがとう」
僕は、笑顔を浮かべて彼女に自然と感謝の言葉を述べていた。自分のこれからの生き方について、深く考えたことはなかった。ただなんとなく、時間だけが過ぎて、周りに合わせて生きてきた。僕なりの生き方をまともにしてこなかったかもしれない。
「あ、雨が降ってきた」
いつの間にか、空は曇り空になっていて、雨がぱらついていた。
「ほんとだ、傘持ってきてないよ」
「私も」
二人とも、傘を持っていない。このままだと、雨でびしょ濡れになってしまう。
「向こうの建物の影に雨宿りしよう。行こう」
「えっ!?」
僕は、彼女の手を握って、一緒に向こうに見える建物に駆けた。建物の影に入った直後、雨足が強くなって、ざっと地面を激しく打つ雨音が聞こえた。少しでも遅れれば、二人とも雨足に踏み潰されるところだった。
ジーナと僕の肩と肩が触れ合った。
「鬼山くんが、秘密を洗いざらい言ってくれたから、私も、私の秘密を話すね」
ジーナは、真剣な表情をしてこちらを見た。
ジーナの秘密とはなんなのだろう。何でも、思っていることを迷わずはっきり言う彼女に、秘密があるとは想像できなかった。
「君の秘密ってなに?」
ジーナは、雨が降るロンドン街の景色を眺めて、言った。
「鬼山くんは覚えてる?川に溺れていた私を救ってくれた時のこと」
ジーナに言われ、記憶が甦ってきた。確かに、僕は彼女を川から救ったことがある。アルバートと、一緒に街中をぶらぶら歩いていた時だった。なぜか、女性が溺れているのを見て、気づいたときには、僕は川に飛び込んで助けていた。
「うん、そう言えば、そんなこともあってね」
「あの時は、飼っていた子犬が川に溺れてしまって、助けようと思ったら、自分も溺れてしまったの。溺れてもう駄目かと思った時、鬼山くんだけがいち早く気づいて、私を助けてくれた」
「なんだろうな。あの時は、体が勝手に動いていたというか、特に何も考えずに川に飛び込んでしまったんだよな」
彼女は、目を輝かせながら、僕の方をまっすぐ見ていた。鈍感な僕でも、彼女にとって何か大切なことを伝えようとしてくれてると感じた。
「私ね、実は、鬼山くんのことがずっと......」
ジーナが、何かを言おうとしている最中、彼女の背後に立つバエナが、突如、視界に入ってきた。
バエナは、なにも語らず不気味な笑みを浮かべていた。
嫌な予感がして、極限まで集中力を高める。地面を激しく打ちつける雨が止まって見えた。まるで、世界が静止しまったかのように。
キィーーー。
静止した世界をぶち破るように、制御を失った巨大なトラックが、ジーナに光を照らし勢いよく迫ってきた。
「ジーナ!!!!」
「鬼山くん......」
ガッシャン。
僕らの声が響いた直後、トラックが建物の壁を穿つように激しく衝突した。ぶつかったトラックは、ぺしゃんこになり、地面には、粉々になった建物の壁が散乱している。
ーーそんな惨状を、曇天から降り注ぐ雨は平然と打ちつけていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
視える僕らのシェアハウス
橘しづき
ホラー
安藤花音は、ごく普通のOLだった。だが25歳の誕生日を境に、急におかしなものが見え始める。
電車に飛び込んでバラバラになる男性、やせ細った子供の姿、どれもこの世のものではない者たち。家の中にまで入ってくるそれらに、花音は仕事にも行けず追い詰められていた。
ある日、駅のホームで電車を待っていると、霊に引き込まれそうになってしまう。そこを、見知らぬ男性が間一髪で救ってくれる。彼は花音の話を聞いて名刺を一枚手渡す。
『月乃庭 管理人 竜崎奏多』
不思議なルームシェアが、始まる。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2025/12/16:『よってくる』の章を追加。2025/12/23の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/15:『ちいさなむし』の章を追加。2025/12/22の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/14:『さむいしゃわー』の章を追加。2025/12/21の朝8時頃より公開開始予定。
2025/12/13:『ものおと』の章を追加。2025/12/20の朝8時頃より公開開始予定。
2025/12/12:『つえ』の章を追加。2025/12/19の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/11:『にく』の章を追加。2025/12/18の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/10:『うでどけい』の章を追加。2025/12/17の朝4時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】毎日きみに恋してる
藤吉めぐみ
BL
青春BLカップ1次選考通過しておりました!
応援ありがとうございました!
*******************
その日、澤下壱月は王子様に恋をした――
高校の頃、王子と異名をとっていた楽(がく)に恋した壱月(いづき)。
見ているだけでいいと思っていたのに、ちょっとしたきっかけから友人になり、大学進学と同時にルームメイトになる。
けれど、恋愛模様が派手な楽の傍で暮らすのは、あまりにも辛い。
けれど離れられない。傍にいたい。特別でありたい。たくさんの行きずりの一人にはなりたくない。けれど――
このまま親友でいるか、勇気を持つかで揺れる壱月の切ない同居ライフ。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる