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月の光
06_友と僕
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「どうして......」
僕は、月光に照らされながら、台座に座る友の姿を見て、思わず声を漏らす。
すると、タイムベルの鐘の音が響き渡る。その音に、驚いた小鳥たちが、夜空に勢いよく飛び立った。
眼前にいるのは、確かに親友のアルバートだ。彼は、先日、火事のあった家で死体で見つかっていたはずだ。すでに、亡くなっていると思っていた彼が、目の前にいる。何が起こっているんだ。目の前に現れるなんて、あり得ないことだ。頭の処理が間に合わない。これからは、何事にも惑わされず生きていくと決意したのに。
茫然と、目の前にいるアルバートを見ていると、彼の座る台座の裏から、タイムベルに侵入してきた犬たちが数体出てきた。赤く充血した目でこちらを睨み付け、鋭い歯を覗かせ、唾液を地面に垂らしている。
(ジーナを殺した犬......)
出てきた犬を見て、察した。
ーー彼が、犬を解き放ち、彼女を殺したのだと。
僕の顔に影が落ちる。
「気をつけろ、鬼山。こいつらは、気性が荒い。お前を簡単に命を刈ろうとする」
アルバートが台座から降りて、そう言った直後、血に飢えた犬たちが、唸り声を上げたかと思うと、凄まじい勢いで、こちらに一斉に迫ってきた。
「ふざけるな!アルバート!お前は何をやったのか分かってるのか!ジーナを、お前は殺したんだぞ!」
僕は、そう叫ぶと、憤怒を燃やし、半獣の姿になった。身体能力を極限まで上げて、相手の動きに意識を集中させる。憤怒の炎で、理性まで溶けてしまいそうになる。それでも、気持ちを落ち着かせ、集中した。タイムベルの半獣たちに教わったことだ。
「何......」
アルバートは、少し驚き戸惑う様子を見せた。
僕は、犬たちが迫り来る中、アルバートに向かって、駆け出した。
(進め。今は前へ進め)
犬たちが飛びついて、噛みついて来るのを紙一重のところで、回避しながら、とにかくアルバートのところまで突き進んだ。
そして、右手の拳を強く握りしめると、呟いた。
「ごめん、アルバート。君は僕の親友だった」
直後、僕の握りしめた右手がアルバートの顔面に炸裂した。彼は、勢いよく飛ばされ鬱蒼と繁った木々の中に消えた。
僕は、彼を殺してしまわないように加減して殴ったが、感情が昂っていたこともあって、強く殴りすぎてしまったかもしれない。
「鬼山、突然、殴りかかってくるとは、微塵も思ってなかったぜ。なかなか、半獣らしく血の気が多くなったじゃないか」
僕が油断していると、後ろからアルバートの声がした。木々の中に吹き飛ばされたはずだが、いつの間にか、彼は僕の背後に立っている。まさか、一瞬の間に、僕に気づかれずに背後まで、移動したのか。
人並みはずれている。
僕は唾を飲み込み、後ろを振り向くと、獣の姿をしたアルバートが立っていた。
「君は本当にアルバートなのか......」
半獣の姿をしている彼を見て、僕は、彼が僕の知るアルバートなのか疑問を抱いた。アルバートの皮を被った偽物なのかもしれない。
「ああ、俺はちゃんと本物だぜ。鬼山、お前は、不思議に思っているんだろ。遺体が見つかったのに、何で目の前に俺がいるんだと」
「そうだ、いたらおかしいんだ。いるはずがない。僕の知る親友は、もう死んだんだ」
「お前も、知っているんじゃないか。遺体は、いくらでも用意できる」
僕は、彼らの存在が頭を過った。
「コープスマンの人たちに遺体を頼んだのか」
「ああ、そうだ。奴等は、誰の味方でもないからな。強いていうならお金の味方だ。お金さえ払えば、いくらでも遺体を用意してくれる」
「じゃあ、君の父親も生きているのか?」
火事の現場からは、アルバートと彼の父親の遺体が見つかっていた。
「死んだよ。生きているのは、俺だけだ」
平然と答える彼の態度に、苛立ちを感じざるを得なかった。
「君が、殺したのか。君の父親だろ!」
僕の言葉に、アルバートは、狂気に満ちた笑い声を上げた後、言った。
「俺はあいつに、虐げられてきた。あいつは、親なんかじゃない。悪魔だ。死んでせいせいしたぜ」
「嘘だ、君は嘘をついている」
「何を言っている。俺の本当の気持ちだ」
アルバートは、胸倉をつかみ、僕に顔を近づけた。僕は、彼の胸倉をつかむ手を掴んだ。
「僕には、君は、悲しそうな顔をしているように見える。ほんとは、せいせいなんかしてないんだろ?」
「俺の気持ちを分かったようなことを言うな!お前に何がわかる。ずっと、虐げられてきた苦しみを。どうして、お前に分かるってんだ、ええ!」
アルバートは、明らかに動揺が顔と言葉に出ていた。分かりやすいくらいに。
「今の君は、冷静さを失って動揺してる。それが何よりもの証拠じゃないのか!」
アルバートは、僕の胸倉を掴む手を離し、落ち着いて話した。
「俺が、動揺しているだと。言ってくれるぜ、鬼山。まあ、親父のことは、どうでもいい。俺は、そんな話をしに、お前に会いに来たんじゃない。俺は、勧誘しに来たんだ」
「勧誘だって......」
「ああ、お前はタイムベルの奴等といるべきじゃない。俺たち、アンチヒューマンの一員になれ。一緒に半獣たちの世界を作ろう。脆弱な人間たちに支配された社会をともに壊そう」
アンチヒューマン。ライオン男ライアンから、聞いたことがある。半獣中心の社会を作ろうとする派閥だ。アルバートを半獣にしたのは、アンチヒューマン側の半獣なのかもしれない。
「人は、脆弱な生き物だって。人の命を軽く見るなよ。そうやって、ジーナも、殺したのか?」
犬に襲われ、床に倒れ込むジーナの姿が思い浮かんだ。思い出したくもない、胸がぎゅっと締め付けられる記憶だ。
「すまない、俺はジーナがいることを知らなかった。命を失ったこともな。殺すつもりはなかったんだ。だが、良かったかもしれないな。ジーナがいる限り、お前は人間の結び付きを捨てさることはできないと思った。俺は、お前に仲間になってほしいんだ、鬼山。人間との関係を絶ちきって、半獣として俺と生きよう」
鬼山の言葉を聞いて、怒りの気持ちが、心底からふつふつと溢れ出て、自ずと拳に力が入った。
「良かったかもしれないだって!ふざけるな!絶対に、アンチヒューマンの一員になんかならない。ジーナは、死んでいない。ジーナは、僕の中で生き続けているんだ」
「ジーナを失ってもなお、お前は人間であろうとするのか。どうしてだ。お前の身体は、すでに半獣。人間である必要もない。脆弱な人間などやめてしまえ。いずれ世界は、人間中心の世界から、半獣中心の世界へと変わる。人間をはるかに超越した力を持った、半獣が世界を支配するのは自明の理だ。お前も、アンチヒューマンの一員になれ!」
「嫌だ!アンチヒューマンの仲間なんかになってたまるか。僕は、人間として生きて、人間として死ぬ。正直、迷っていたんだ。人間として生きるべきか、半獣として生きるべきか。ジーナに出会って、心は人間であり続けたいと思えた」
いままで、触れあった人の暖かみを思い出していた。僕は、人の暖かみや支えがあって生きてきたのだ。半獣になっても、人間と共に生活していきたい。
「どうして分からない。世の中は、上の存在が下の存在を虐げることで、回っているんだ。虐げられないためには、上の存在であり続けなくてはならない」
「それは違う。僕らは平等に不完全だ。僕らは完全じゃない、どこか欠けていて、足りないものがある。だからこそ、互いに助け合い支え合い生きている。そこに、上も下も存在しない!」
「綺麗事を抜かすな、鬼山!虫酸が走る。下らない妄想だ。綺麗事では、なにも変わらない。お前が、仲間にならないと言うなら、俺はお前を殺さなければならない」
アルバートは、ポケットからナイフを取り出し、握りしめた。月光で反射し、刃先が輝いて見えた。
「それは、君の意思なのか?」
「俺は、アンチヒューマンの連中に、半獣にしてもらう代わりに、そういう契約をかわしたんだ。だから、お前を殺さなければならない。お前には、死んでほしくないんだ。俺たちの仲間になると言うだけで、命を落とさずに済む。頼むから、仲間になってくれ、鬼山」
「嫌だ、絶対にお断りだ」
僕は、アルバートの誘いを拒絶した。すると、アルバートは、無表情になり、淡々と話した。
「そうか、なら、仕方がない......」
彼のそんな声がしたかと思うと、目の前に血が舞う。
これは、誰の血だ。
額に、痛みが走る。目の前のアルバートは、持っているナイフを振り終えている。
僕の血だ......。
僕は、月光に照らされながら、台座に座る友の姿を見て、思わず声を漏らす。
すると、タイムベルの鐘の音が響き渡る。その音に、驚いた小鳥たちが、夜空に勢いよく飛び立った。
眼前にいるのは、確かに親友のアルバートだ。彼は、先日、火事のあった家で死体で見つかっていたはずだ。すでに、亡くなっていると思っていた彼が、目の前にいる。何が起こっているんだ。目の前に現れるなんて、あり得ないことだ。頭の処理が間に合わない。これからは、何事にも惑わされず生きていくと決意したのに。
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ーー彼が、犬を解き放ち、彼女を殺したのだと。
僕の顔に影が落ちる。
「気をつけろ、鬼山。こいつらは、気性が荒い。お前を簡単に命を刈ろうとする」
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「ふざけるな!アルバート!お前は何をやったのか分かってるのか!ジーナを、お前は殺したんだぞ!」
僕は、そう叫ぶと、憤怒を燃やし、半獣の姿になった。身体能力を極限まで上げて、相手の動きに意識を集中させる。憤怒の炎で、理性まで溶けてしまいそうになる。それでも、気持ちを落ち着かせ、集中した。タイムベルの半獣たちに教わったことだ。
「何......」
アルバートは、少し驚き戸惑う様子を見せた。
僕は、犬たちが迫り来る中、アルバートに向かって、駆け出した。
(進め。今は前へ進め)
犬たちが飛びついて、噛みついて来るのを紙一重のところで、回避しながら、とにかくアルバートのところまで突き進んだ。
そして、右手の拳を強く握りしめると、呟いた。
「ごめん、アルバート。君は僕の親友だった」
直後、僕の握りしめた右手がアルバートの顔面に炸裂した。彼は、勢いよく飛ばされ鬱蒼と繁った木々の中に消えた。
僕は、彼を殺してしまわないように加減して殴ったが、感情が昂っていたこともあって、強く殴りすぎてしまったかもしれない。
「鬼山、突然、殴りかかってくるとは、微塵も思ってなかったぜ。なかなか、半獣らしく血の気が多くなったじゃないか」
僕が油断していると、後ろからアルバートの声がした。木々の中に吹き飛ばされたはずだが、いつの間にか、彼は僕の背後に立っている。まさか、一瞬の間に、僕に気づかれずに背後まで、移動したのか。
人並みはずれている。
僕は唾を飲み込み、後ろを振り向くと、獣の姿をしたアルバートが立っていた。
「君は本当にアルバートなのか......」
半獣の姿をしている彼を見て、僕は、彼が僕の知るアルバートなのか疑問を抱いた。アルバートの皮を被った偽物なのかもしれない。
「ああ、俺はちゃんと本物だぜ。鬼山、お前は、不思議に思っているんだろ。遺体が見つかったのに、何で目の前に俺がいるんだと」
「そうだ、いたらおかしいんだ。いるはずがない。僕の知る親友は、もう死んだんだ」
「お前も、知っているんじゃないか。遺体は、いくらでも用意できる」
僕は、彼らの存在が頭を過った。
「コープスマンの人たちに遺体を頼んだのか」
「ああ、そうだ。奴等は、誰の味方でもないからな。強いていうならお金の味方だ。お金さえ払えば、いくらでも遺体を用意してくれる」
「じゃあ、君の父親も生きているのか?」
火事の現場からは、アルバートと彼の父親の遺体が見つかっていた。
「死んだよ。生きているのは、俺だけだ」
平然と答える彼の態度に、苛立ちを感じざるを得なかった。
「君が、殺したのか。君の父親だろ!」
僕の言葉に、アルバートは、狂気に満ちた笑い声を上げた後、言った。
「俺はあいつに、虐げられてきた。あいつは、親なんかじゃない。悪魔だ。死んでせいせいしたぜ」
「嘘だ、君は嘘をついている」
「何を言っている。俺の本当の気持ちだ」
アルバートは、胸倉をつかみ、僕に顔を近づけた。僕は、彼の胸倉をつかむ手を掴んだ。
「僕には、君は、悲しそうな顔をしているように見える。ほんとは、せいせいなんかしてないんだろ?」
「俺の気持ちを分かったようなことを言うな!お前に何がわかる。ずっと、虐げられてきた苦しみを。どうして、お前に分かるってんだ、ええ!」
アルバートは、明らかに動揺が顔と言葉に出ていた。分かりやすいくらいに。
「今の君は、冷静さを失って動揺してる。それが何よりもの証拠じゃないのか!」
アルバートは、僕の胸倉を掴む手を離し、落ち着いて話した。
「俺が、動揺しているだと。言ってくれるぜ、鬼山。まあ、親父のことは、どうでもいい。俺は、そんな話をしに、お前に会いに来たんじゃない。俺は、勧誘しに来たんだ」
「勧誘だって......」
「ああ、お前はタイムベルの奴等といるべきじゃない。俺たち、アンチヒューマンの一員になれ。一緒に半獣たちの世界を作ろう。脆弱な人間たちに支配された社会をともに壊そう」
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「人は、脆弱な生き物だって。人の命を軽く見るなよ。そうやって、ジーナも、殺したのか?」
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「すまない、俺はジーナがいることを知らなかった。命を失ったこともな。殺すつもりはなかったんだ。だが、良かったかもしれないな。ジーナがいる限り、お前は人間の結び付きを捨てさることはできないと思った。俺は、お前に仲間になってほしいんだ、鬼山。人間との関係を絶ちきって、半獣として俺と生きよう」
鬼山の言葉を聞いて、怒りの気持ちが、心底からふつふつと溢れ出て、自ずと拳に力が入った。
「良かったかもしれないだって!ふざけるな!絶対に、アンチヒューマンの一員になんかならない。ジーナは、死んでいない。ジーナは、僕の中で生き続けているんだ」
「ジーナを失ってもなお、お前は人間であろうとするのか。どうしてだ。お前の身体は、すでに半獣。人間である必要もない。脆弱な人間などやめてしまえ。いずれ世界は、人間中心の世界から、半獣中心の世界へと変わる。人間をはるかに超越した力を持った、半獣が世界を支配するのは自明の理だ。お前も、アンチヒューマンの一員になれ!」
「嫌だ!アンチヒューマンの仲間なんかになってたまるか。僕は、人間として生きて、人間として死ぬ。正直、迷っていたんだ。人間として生きるべきか、半獣として生きるべきか。ジーナに出会って、心は人間であり続けたいと思えた」
いままで、触れあった人の暖かみを思い出していた。僕は、人の暖かみや支えがあって生きてきたのだ。半獣になっても、人間と共に生活していきたい。
「どうして分からない。世の中は、上の存在が下の存在を虐げることで、回っているんだ。虐げられないためには、上の存在であり続けなくてはならない」
「それは違う。僕らは平等に不完全だ。僕らは完全じゃない、どこか欠けていて、足りないものがある。だからこそ、互いに助け合い支え合い生きている。そこに、上も下も存在しない!」
「綺麗事を抜かすな、鬼山!虫酸が走る。下らない妄想だ。綺麗事では、なにも変わらない。お前が、仲間にならないと言うなら、俺はお前を殺さなければならない」
アルバートは、ポケットからナイフを取り出し、握りしめた。月光で反射し、刃先が輝いて見えた。
「それは、君の意思なのか?」
「俺は、アンチヒューマンの連中に、半獣にしてもらう代わりに、そういう契約をかわしたんだ。だから、お前を殺さなければならない。お前には、死んでほしくないんだ。俺たちの仲間になると言うだけで、命を落とさずに済む。頼むから、仲間になってくれ、鬼山」
「嫌だ、絶対にお断りだ」
僕は、アルバートの誘いを拒絶した。すると、アルバートは、無表情になり、淡々と話した。
「そうか、なら、仕方がない......」
彼のそんな声がしたかと思うと、目の前に血が舞う。
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