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おけいこのおけいこ
55 百戦錬磨のスミレ、陥とされる
しおりを挟む理由を挙げればいろいろあった。でもここまでやるつもりはなかった。
まず、クソキモいナメクジとのことでストレスが溜まっていた。マキノからまた常勤役員の件でプレッシャーを掛けられたこともある。しかし最大の要因は、サキさんのあのレナとかいう小娘への執着だ。あきらかにスミレは嫉妬していた。今もしている。それでヤキモキが嵩じてムラカミという、ちょっとイケてる男子に目移りし、思いもかけずコナを掛けられ、百戦錬磨のスミレとしたことが、一気に舞い上がってしまったのだ。
迂闊だったことは認める。
あの薄暗いバーで、なにかいい感じになっていたのだった。
彼が摘まもうとしたキスチョコの盛られたショットグラスをいじわるして隠し、一つ摘まんで口に咥え、
「欲しかったら口で獲って」
と唇を突き出した。酔っていていつもより大胆だったことも認める。
彼が同じように突き出してきた唇が触れると急いでチョコを飲み込み、彼の上唇をやんわりと咥えた。そのスミレの下唇にムラカミは絶妙の感触ですうーっと舌を這わせた。それで、ゾクゾクきてしまった。
サキさんや死んだイワイのようなプレイチックなものでなく、ヤンやユンのようなガツガツしたものでもなく、大人の男にいいように弄ばれる感が、スミレの奥をジンジン萌やした。この「いいように弄ばれる感」が今回のキーだと思う。終始、それで乗せられてしまった。ここで負けると女が廃ると鼻息を荒くしたのがまずかった。
お返しに彼の舌をちょっとくすぐって逃げ、舌を巧妙に口の中におびき寄せる。すると彼は、まんまと誘いに乗ったと思わせておいて、忍ばせてきた舌をすっと引いてしまった。それでますますムキになってしまった。引いた彼の舌を追いかけて彼の口の中に差し込むと唇で捕まえられてしゃぶられた。おまけにスミレの弱いうなじや耳にまでさわさわ爪を立てられ、いっぺんに蕩けてしまった。
夢中で彼の舌を吸った。すると今度は彼の手が胸をやんわり包み込み、一番敏感な乳首をイタズラし始めた。ピアスも気づかれた。
「・・・やっぱり、思った通りだ。悪い子だったんだね、キミって・・・」
その一言で、キメられた。
もう、止まらなくなってしまった。
店を出て一番近いホテルへ歩いてゆく間も、彼の手はスミレの背中や尻を巧みに愛撫し、官能を焚きつけた。乳首を意識させられてから妙に股間に伝わった快感がそこを溢れさせ、ホテルの前に着いた頃にはショーツがもう大変なことになっていた。
一瞬、躊躇してみせた彼を強引に引っ張って連れ込んだのはむしろスミレの方だった。それほどまでに燃え上がらされてしまっていた。
なまじ性欲が強すぎると、仇になる。
部屋に入るとお互いの服をむしり取りながらキスを続け、彼の舌を追い回しながら、もどかし気にジーンズのベルトをカチャカチャいわせた。すると彼はなおもスミレを焦らして腰を引き、スミレのスカートをずり上げてストッキングに包まれた尻を露にする。ストッキングの上から尻を揉みこまれるとざわざわ、ぞわぞわした感じが肌を刺激し、性感が高まり、直接触れてもらいたくてしかたなくなる。彼が腰を落として壁に押し付けられるともう、ほどんどがムラカミのペースになってしまう。爪を立ててストッキングの上から尻と太腿を何度も行ったり来たりされ、もどかしさでたまらなくなる。
「脱がして」
「なんで?」
「イジワル・・・」
結局、自分でストッキングとショーツを一気に下ろそうとすると彼に阻まれる。
「なんで?」
「イジメたいから」
ふふふと笑いながら、中途半端に下ろされたショーツの濡れた部分を刺激して来る。
「こんなに濡らしちゃったの? やっぱ、悪い子だな」
やっぱり、言われた。
それでますますカァーッとなる。それなのに、さらにそこに鼻を突っ込まれてくんくん嗅がれる。
「ああーん、やあーっ!」
恥ずかしさが最高潮に達する。ナメクジの前では平気で股を開いて見せたくせに。つくづく女は不思議なものだ。
「なんてヤラしい匂いなんだろう。スケベ過ぎじゃないか? 」
「うあーん、・・・や、やめ、ああーん」
くるりとひっくり返され壁に胸を押し付けたまま腰を引かれた。ストッキングとショーツがさらに下げられ、尻たぶをひんやりした冷房の空気と熱い彼の息が撫でる。そこに指が這入ってくる。
「あ、あ、ああっ、そこ、ああっ!」
指は入ってきてまさにまさぐるという言葉の通り、スミレの陰核周辺を焦らすようにさまよった。ヴァギナにも挿入れてくれない。その辺をうろうろするだけ。そこに意識が集中している間に背中のファスナーが腰まで下ろされ、肩からするっと脱がされた。ワンピースが肘の部分で止まる。ブラジャーがズリ上げられ、片方の手が乳房を下からふんわりと包む。
「こっち向いて」
彼の声のする方を振り向く。
「舌出して」
素直に舌を差し出す。股間をいじられ、胸も触られながら、呆けた顔を向けてイヤらしく舌を出している女。あまりにも卑猥すぎる。
「はああーん」
舌を吸われ、絡めて来る。唇は薄く、舌が長い。そのねっとりとした緩慢な蠢きが淫靡すぎて萌える。股間の手が抜かれ、今度は前からクリトリスに触れる。そこをこね回されるとビンビンくる。
「ああ、ああっ、んあ、あ、あ、」
「なんだこれ。こんなに大きいの? キミのクリ。もう飛び出しちゃってるじゃないか!
しかも、錠前までかけられちゃってるし」
「それ、外せるから」
「こんなの掛けられてるから毎日オナニーしてるんじゃないのか。だからこんなに大きくなったんだろう。スケベ過ぎだろ、キミ・・・」
そんな恥ずかしいことを、大声で。
しかも、スミレのピアスへの反応が意外過ぎた。南京錠に困惑しているのではなく、スミレを責める道具にしちゃってる。
もう、どうにもたまらない!
自分からムラカミの股間を弄る。硬い。ひどく硬質なものがそこにある。ベルトははずれている。さらにジッパーをと思うとまたそれは引かれる。彼は再びしゃがみ込んで中途半端にずり下がって露出している尻の谷間に鼻を埋める。
「あ、やあっ!・・・やめてェ、汚、そん、ああっ!」
「ああ、卑猥すぎるよこの匂い。頭がくらくらしそうだ」
「やめて! お願、ああっ!・・・やああっ!」
アナルに彼の鼻息を感じつつ、長い舌がその谷間とストッキングの狭い隙間に侵入してきて、ラヴィアのピアスをチロチロしている。あまりの恥ずかしさと淫らさに一気に血が上り、逆上せそうになる。さらにストッキングとショーツがズリ下げられ、舌が動きやすく、さらに奥へ進みやすくなったのか、その先がクリトリスを捉え、転がされると、もうダメだった。
「ああ、そん、あああっ! あ、いい、あい、いく、んんんんんんんん・・・・・」
膝が痙攣してガクガク震え、その場に崩れ落ち、床に手を突く。
跪いて絶頂の余韻を感じていると、目の前で彼がジーンズを脱いでいた。裸の下半身が、彼のペニスがそこにある。それ以外の選択肢はない。そのまま彼ににじり寄るとその分、彼は後ろに引く。寄ると、引く。その繰り返しをしているうちに、ベッドまで来ている。残りの服をかなぐり捨てて彼に抱きつく。彼のペニスを握り、扱く。
そのまま押し倒し、それにむしゃぶりついた。興奮しすぎて焦らすなんてもう、できなかった。
両手でそれを握る。硬い。鋼みたいだ。それに、熱い。先端が丸い。まるで赤い馬のシフトレバーだ。今後赤い馬に乗る度にこれを思い出しそうだ。その先端に舌をつけてぐるりと嘗め回す。
「美味しい?」
コク。頷きながら舐めるのに集中する。大きく口を開けたまま何度かぐるりを繰り返して咥えこむ。咥えこんだまま舌を嘗め回す。これで多くの男が堪能の顔をした。ムラカミの顔を見た。彼はニヤニヤ笑いながらスミレの胸に手を伸ばしてきてピアスに触れた。
「キレイだね。彼からのプレゼントかい? こんな高価なものを贈られるなんて・・・。キミの彼もスゴイけど、キミも幸せだね。それなのに、なんでここにいるの?」
うっ・・・。そこに来るのか。
「どうして他の男とこんなことしてるの? 悪い子だね、やっぱり。彼に申し訳ないと思わないのかい?」
それは反則だろう。せっかくこれからこれを味わおうと思っているのに、味わいにくくなってしまった。
彼はなおもピアスを弄る。すでに乳首は固く尖り、スミレの罪悪感を刺激している。サキさんという男が居ながら、彼にナイショで他の男のペニスを頬張り彼に贈られたピアスを弄ばれつつ乳首を固くして感じ、悦んでいる。
それでも、ここまできてこれをトライしない選択はない。罪悪感を煽られるほど、ヴァギナが疼き、イヤらしい液を溢れさせる。
「ねえ。ボクの顔に跨って。下のピアスと錠前もよく見せてよ」
それに答えずにフェラチオを続けていると、ムラカミは自分から頭をスミレの股間に滑り込ませ、がっしりと尻を掴んだ。
「うわ、ヤラしいなあ・・・。やっぱりクリ、デカイわ。それに、ピアスがヌメヌメ光ってるよ」
ああ、たまんない。なんでそういうこと言うかな。
「溢れてるじゃないの。もう、垂れてる。ボクのを舐めて昂奮したの? それとも彼への申し訳なさで? ああ、両方か。キミ、とんでもないインランだなあ」
「むご・・・、あぐ・・・、もごあ・・・、ああっ! もう、言わないで、え、あ、も、いやあ・・・」
「休んじゃだめだよォ。ちゃんとナメないと挿入れてあげないよ。あれ、お尻の穴もヒクヒクしてる。もしかして、ここも彼が開発済みなの? まいったなあ。こんなインラン女だったなんてなあ・・・」
ひどい・・・。そこまで言わなくても。
スミレは完全にムラカミの術中にはまっていた。彼が上に立ち、彼の掌の上で踊らされている。彼の言葉一つひとつがスミレの官能を刺激し、同時に彼の舌がクリトリスを転がし尻たぶを揉みこみ、背中を、乳房を愛撫する快感を倍も3倍も増幅している。その快感に耐えるのが、そろそろ限界に近づいていた。
「ああ、もう、もうちょうだい。これ、欲しい・・・。挿入れたい」
ペニスを扱きつつ、恨めし気に後ろを振り向き、スミレは言う。
「条件がある」
「・・・なに?」
なんでもするから、はやく言って・・・。
「オナニーして見せてよ」
ええっ?
スミレは、した。
どうしても、キメたかった。そのためにはどうしても、彼の、が欲しかった。
だから、した。
ヘッドレストに背中を預け脚を開いてそこを指で弄る。と、ムラカミの足がスミレの内腿をさらに押し広げ、Mの字ではなく、怒ったカニの両腕のように股間が全開になり両足が上に向く。あまりにも情けない恥ずかし過ぎる格好。これじゃあ、アナルも丸見えだ。
「ほらあ。早くしないとあげないよ」
そこに指を伸ばして痛いほど勃起しているクリトリスに触れた。
「もう片方の手は? ビラビラ広げて溢れてるとこ見せてよ。何なら指入れて液でくちゅくちゅなってるの、やって見せて」
どうしてこの男はこんなイヤらしい言葉を次から次繰り出すのか。縄も手枷も使わず、言葉一つでスミレを拘束し弄り意のままに操って犯そうとしている。もう何も考えられない。彼の言うがまま、させられるがまま、スミレは股間を弄った。
ヴァギナの中をかき回す自分の指。指が奏でる愛液の跳ねる音。その音に操られるようにクリトリスを淫らにこね回す指。
そしてそのスミレの痴態を凝視するムラカミの、目。
「・・・んああっ、・・・すはああ、・・・んす、あああっ・・・」
息継ぎの間隔が次第に狭まる。
さっきまで咥えていたペニスが天に向かって屹立したままだ。それが欲しい。早く挿入れて。言われるまま、ここまでやってるのに。はやく欲しい、はやくちょうだい・・・。
「言って。彼に仕込まれてるんでしょ。なんて言えば挿入れてもらえるか。いつもの通り、言ってみて」
見透かされてる・・・。サキさんにしか言ったことがない、恥ずかしいお願い。それを言えと・・・。
「早く言って。言わないと・・・」
「言う。言うからあ!
ここに、オ●ンコにオチンチン挿入れて!」
「そう言えば、まだ名前も聞いてなかった。誰の? 」
「スミレ!」
自分の名前を言っていた。
「スミレのオ●ンコに、ムラカミさんのオチンチン、挿入れて! お願い・・・」
そしてチェーンを外し、小さなキーで股間の南京錠を開錠した。
「すごいな。エッチの前にそんなことする女、初めてだ」
彼はそのままの姿勢でスミレににじり寄り、手を添えてペニスの角度を合わせ、スミレの中に這入った。
「・・・んい、うぐっ・・・ああ・・・」
中に這入ると彼の先端が跳ね上がり、スミレの微妙なところを突いた。さらに彼が動くと、その刺激は決定的になった。
「ああっ! ダメ、そこダメっ! ああ、あ、出る、動かないでああっ! ダメッ!
ああ、ダメ、出、出ちゃう、あああっ!・・・・」
じょろじょろと漏れ始めて彼がペニスを抜くとプシャーと噴出した。
「・・・なに、コレ。こんなにフイて。お漏らししちゃって。どうするの? どうしてくれるの、こんなビショビショにしてさあ・・・」
平常の精神状態なら、こんなものはスミレにとって取るに足りない。だがその時の極限状態では極端に心理を追い詰められていてまともな判断が出来なかった。それで、
「ああん。ごめんなさい・・・。ごめんなさいいいいい・・・」
謝っていた。
ムラカミはそんなスミレをさらに追い込んだ。もう一度ペニスを挿入れてきて、腰を使った。快感は倍増していた。もう、身体のどこを触られてもビンビン電気がくる。
「ああん、気持ちいい、気持ちいいよォ、ああん、あ、あ、あ、また、またイク、あ、いい、ああっ! またいくああああっ!・・・、んんんんん、っはあああーん」
「スミレは、とんでもない女だなあ・・・」
それから何度も彼を求め、最後は彼の上で深くイキまくり、失神ではないが、疲れ切って彼に覆いかぶさったまま、すーっと眠ってしまったような気がする。
応援ありがとうございます!
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