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2022

「ソルヴェイグの歌」解説

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 このほど「恋愛」カテゴリーで連載を開始した「ソルヴェイグの歌」について、いささか解説、蘊蓄をたれたいと思います。


 

 この「ヤヨイ」シリーズは第一作目から第三作目まで「SF」カテゴリーに投稿していましたが今回に限り「恋愛」にしました。当初からお付き合いいただいた方には違和感かも知れませんが、なにせテーマが「恋愛」とか「結婚」とかになってしまったので、そこはよろしくご了承のほどをお願いいたします。


 

 まずこの「ソルヴェイグの歌」という題名ですが、言わずもがな、とは思いましたがチョットだけ書きますと、あの全国の高校演劇部の女子が一度は演じてみたいと思うノラ、「私はあなたの人形だった!」のセリフで有名な「人形の家」という戯曲を書いたヘンリック・イプセンの作になる「ペールギュント」という作品が元です。これにノルウェーの代表的作曲家、エドヴァルド・H・グリーグが曲をつけ楽劇として完成を見たわけです。

 その「ペールギュント」に登場する、主人公ペールを一途に思う女の子ソルヴェイが歌うアリアが「ソルヴェイグの歌」なのです。

 日本では「朝」と並んでグリーグの代表作とされています。超有名です。

 YouTubeで検索するとノルウェー語で美しい歌声を披露するsissel kyrkjeboの動画を視聴できます(シセル、までは読めるのですが、苗字の方が難しくてカタカナ表記できません。悪しからず)。


 

 原作の「ペールギュント」が本作の下敷きになっているのですが、プロローグで散文詩風に大まかな筋を書きました。

 要は、あまりに誇大妄想狂に過ぎた「ええカッコしい」の男が目立とうとしていろいろやって、女にも滅多やたらに手を出してだらしなくて、結局ダメで、社会からも地元からも見放されて全てを失って死んでしまうという、あまり救いのない話なのですが、それでも彼を一途に思う女の子がいて、最後は彼女の膝に抱かれてあの世に行ける、というところに僅かに希望を見出せるといった、全体的に暗い話なのです。

 ですが、この作品。現代にも相通じるところがある奥の深い話でもあると思いますし、グリーグの豊かな、民族性の高い素晴らしい音楽が独特の雰囲気を醸し出している名作だと思います。北欧の芸術というのは、演劇でも音楽でも絵画でも、どこか人間性の奥の奥を穿ったような、そんな作品が多いですね。


 

 さて、このヤヨイシリーズのほうの「ソルヴェイグの歌」ですが。

 今回の舞台も帝国ではなく外国です。一作目が北、二作目が南の海、三作目が西、ときましたので、四作目は東にした、というわけでもないのですが、シリーズ的にそうなっちゃいました。

 舞台となる「ノール王国」は「帝国」同様、ポールシフトによって起こった大災厄で故国を捨てざるを得なかった北欧の人々を先祖とする架空の王国です。何もかも失って陸路を彷徨いつつ今の地に辿り着いた帝国の人々と違って北極海の沿岸伝いとか北極海を海路で移動して来た人々の末裔たち、という設定になります。すっからかんでやってきて一から全て作らねばならなかった帝国の人々はその国のありようや習俗を古代ローマに倣って作りましたが、ノールの人々は船で避難できたせいか比較的余裕があったらしく、その習俗もどこかかつての母国を反映した、北欧が政治的中立を政策にする前の、最も活動的だった近世から近代の習俗を維持している、という設定にしました。一神教であるキリスト教を国教にしているのも同じです。


 

 前説的な記述が長くてちょっとイラっとした方もいらっしゃるかもしれませんが、いよいよここからヤヨイのミッションとノラの恋愛部分がメインになってきますので、よろしくお付き合い下さい。


 

 例によって物語が中盤ぐらいになりましたら登場人物の整理のために一覧を出したいと思いますが、前回のように50万字を超えるような大作にはなりません。その三分の一よりも短くなる予定です。
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