セピア色の恋 ~封印されていた秘め事~

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45 冷たい雨

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 時計は十一時を回っていました。

 オフィスの灯りはすでに消えていました。

 誰もいないオフィスの明かりをつけて、給湯室に行き電気ポットの電源を入れました。

 自分のデスクに座りお湯が沸くのを待っていると、しん、と静まり返ったオフィスにシューンという電気が湯を温める音がやけに大きく響きました。

 待っている間ヒマなので、目の前の積算資料に目を通し、工務部から回って来た積算表と照らし合わせました。

 積算資料というのは、建築工事や土木工事などで、設計通りの施工をするのにどんな作業がどのくらい必要か資材がどの程度必要かをまとめた資料です。ある市役所が入札を予定している公共事業の積算表で、市民公園と付随する市民プールの敷地の造成工事一式に必要な作業内容や建設資材が全て網羅されている、A4のコピー用紙で厚さが5ミリほどはありそうなものでした。公園と市民プールの施設整備の発注も併せて同じ日に入札で施工者が決まることになっていて、わたしの直属の上司が行っている話、というのはそれに関わることだったのです。

 こういう場合、事業の総額にもよりますが、指名競争入札というのが行われます。あらかじめその入札に参加する企業10社なら10社を、発注者である国や自治体がこれもあらかじめ登録されている入札参加資格審査をパスした企業から抽出して指名して行われます。

 言い換えれば、あらかじめ入札参加資格審査を受けてこれをパスし、その入札に参加できた会社は、その入札で出される全ての事業を受注できるのです。ただし、他のどの応札者よりも安い金額で落札できれば、の話です。

 工事事業にはそれぞれ予定価格というのがあります。最低価格の応札者がこの予定価格よりも大きい金額だった場合は「不調」といって入札そのものが無効になります。逆にあまりにも少ない金額だった場合も、設定された限度額以下の入札者はやはり「不調」になり、限度額より大きい入札者の中の最低価格を提示した入札者に「落札」されます。

 ですので、この工事予定価格と最低限度額を知ることは入札者にとって必須の要件となるわけです。

 わたしが見ていたのは、あらかじめ会社の工務部が積算した推定予定価格のデータでした。工務部はこういう積算のプロですが、項目の見落としとか、単純な計算ミスがないかどうか、営業でもチェックするわけです。

 ここまでは、合法部分のお話です。

 廊下をコツコツ歩いて来る靴音が聞こえてきました。

 ガチャ。

 ヨドガワ主任が疲れた顔でオフィスに帰ってきました。

「ハヤカワじゃん。・・・どした?」

「おつかれさまです、主任」

 ヨドガワ主任はわたしより六つほど年上です。タイプでいうとナガノさんみたいな、スポーツマン的高身長ヤセ型な人です。顔はちょっと残念なひとですが、この支社の営業では一番仕事ができる、というよりも、もしこの人がいなくなったら支社の売り上げが半減では済まなくなるぐらいの最重要なキーマンでした。

「・・・どうでした?」

 わたしが尋ねると、

「おう。・・・向こうが降りてくれた。ウチで行く。当たり前だろ?」

 彼のおちゃらけ風味の見栄はもう何度も見ていました。こういうところが憎めない人なのです。

 そして、ここからが非合法な部分の話です。

 わたしが見ていた積算資料の工事の話で彼は外出していました。その結果「ウチでいく」のが決まった、ということは、この工事の落札者がウチ、わたしの支社になるということです。

 ですが、本来これはおかしなことです。指名されてその入札に参加した企業が金額をいくらで入れたかは入札が終わり応札箱を開けるまで誰にも分らないはずです。それが入札前に「向こうが降り」「ウチで行く」のがわかるというのは、本来はありえません。

 つまり、ヨドガワ主任は「談合」の話をつけて来たのです。これが、違法な部分の一個目です。

「おおっ、手回しがいいな。チェックしてくれてたのか」

 ヨドガワ主任はわたしの席の後ろを通り過ぎるときに机を覗いてそう言い、自分の席にどっかりと腰を下ろしました。

「明日、役所行って来ますか」

「おー、頼めるか。三つとも行くからな。造成、公園整備、プールだ。頼むぞ」

「えっと、サカイさんでしたっけ」

 彼は目を瞑って目頭を揉みながらウンウン頷きました。よほど疲れたのでしょう。

「役所に行く」というのは、この場合、この公共工事を発注した市役所の設備課の担当者に会って、工務課が積算した予定価格が合っているかを確認することです。そしてこれが違法な部分の二つ目です。この談合に役所の人間がかかわること。俗に「官製談合」ともいいます。

「コーヒー飲みますか」

「いや、流石にコーヒーはもういいわ。ハラ、タポタポだ。ハハ・・・」

「話」というのはこの場合、入札で同じメンバーになった会社に落札を諦めてくれるようにお願いすることで、談合の一番大事な部分です。

 談合とは、要は取引です。前回この工事ではおたくに譲っているのだから、今回はウチに譲ってくれ、という。相手も工事を完遂できる資格があるとみなされて指名されているのでそう簡単には降りてくれません。根競べのようなところもあります。相手が降りるまで、長い時間がかかるのです。他にすることがありませんから、お茶やコーヒーばかり飲んでしまうのです。のちにわたしもこれに加わりましたから、よく知っています。

「じゃあ、肩でも揉みますか」

 ヨドガワ主任の席に行き彼の背後に立ちました。

「なんだ。バカにサービスいいじゃんか。何か企んでるな」

 彼の肩に手を置き、両の親指に力を込めて首根っこの辺りのツボを入念に押してゆきました。

「おわーお、キク~っ・・・お前、上手いなあ。・・・あれ、石鹸の匂いがする。いっかい家に帰ったのか」

「朝、寝坊してシャワー浴びれなかったし、・・・主任が心配だったから」

 もちろんさっきまで部長にヤラれてたというのはナイショでした。

「可愛いこと言うじゃねーか。・・・軽く行くか? オレも寝る前に少し腹に入れたい。茶っ腹でタポタポだけど、ペコペコなんだ」

「もちろん、主任のオゴリですよね」

 彼はニンマリしてコクと頷きました。


 

 ヨドガワ主任のあだ名は「サイナラ」でした。名前が「ナガハル」だったからです。

 これだけでニヤッとしたあなたはたぶんわたしと同年代の方でしょう。

 宴会の度に、テープを黒いマジックで塗りつぶして眉毛に貼り、おもちゃの黒縁の伊達メガネをかけて、

「ハイ、ミナサン。こんばんわ。またお会いしましたねえ、今夜の映画、あ、違いました宴会はあ・・・」と口マネをやってみんなを笑わせていたからです。

 当時日曜日の九時から洋画を紹介する番組があり、その解説をしていた映画評論家の名前が「淀川長治」だったのです。三十年以上も続いた長寿番組は、日曜日の定番として「サザエさん」と共にお茶の間に親しまれていました。その淀川長治の口マネをやって盛り上げるのが彼の得意技だったのです。

「まあ、今日はいい宴会でしたねえ。それではミナサン、また来週まで、サイナラ、サイナラ、サイナラ・・・」

「おい、サイナラ。まだ飲み会始まったばかりだぞ、勝手に終わらすなよ、ガハハハッ・・・」

「わははは・・・」

 酒席で彼と一緒になると話題が豊富で、政治から女性の下着まであらゆる分野に知識を持っているのに驚かされました。それなのに聞き上手で、えてしてそういう人は女を口説く方向に行きそうなものですが、彼はそういったことがまったくなく、男性にも女性にも同じ態度で接していたので余計好感度が高かったのです。

 深夜までやっているレストランバーで、彼はビールにギョーザとラーメンをすすり、わたしは同じくビールにフライドポテトで小一時間ほど楽しい時間を過ごしました。

「ねえ・・・。主任は結婚しないの?」

「最近それ言われるの増えたなあ・・・。お前も来年あたりから増えそうだな」

「クリスマス(25)だっての? 最近はね、大晦日(31)までに行けばいいって言われてるんだよ」

「そおかあ。じゃあ俺は今年中に行かなきゃいかんなあ、お嫁に・・・」

「またもお、主任ってば・・・」

 彼はいつもそうでした。自分からはたくさん話題を振るくせに、自分のことになるとすぐにはぐらかして流すのです。彼の個人情報はみんなが知りたがりましたが、そういうわけで誰もよく知らないということになっていました。

 楽しい時間はあっという間に過ぎ、少しお酒を覚まそうとコーヒーを買って主任の青いシビックに二人で乗り込みました。当時は飲酒運転の検問などあまり頻繁にはなく、仮にあっても検知機械も今より性能が低く、お巡りさんのほうも少々ならお目こぼししてくれることも多かったのです。

「お兄さん、ちょっと入ってるね。気をつけて安全運転で帰ってね」という具合に。

 今は絶対にダメよと娘たちにも言っています。「交通戦争」という言葉があった昔に比べると、このごろは交通事故で死ぬ人も少なくなりました。その一つにはこういう取り締まりの厳しさも影響しているのでしょう。

 一方で昔に比べてあまりにも規制や慣習の厳しさが増してギスギスしすぎて生き辛いという人もいます。昔に比べて自殺する人は極端に増えました。一体どっちが幸せな世の中なのか、わからなくなる時があります。交通事故で死ぬ人と自殺する人を比べるのはあまりにも乱暴ですけれど。

 ラジオをつけると、ハイファイセットの曲が流れていました。ちょうどフロントグラスに雨粒がポツポツと落ちて来ていました。


 

 冷たい雨にうたれて 街をさまよったの

 もうゆるしてくれたって いい頃だと思った

 部屋にもどって ドアをあけたら

 あなたの靴と誰かの赤い靴・・・


 

 ハンドルの上に置いた彼の指が曲に合わせてタンタタン、タンタタンと調子を取っていました。

「これってよお・・・、逆の場合だって、あるよな・・・」

「彼女の部屋に行ったら、男が来てたってこと?」

「・・・うん」

「主任はそういう経験、あるんですか」

 タンタタン、が止みました。彼は缶コーヒーの残りをズズッと吸うと、

「・・・雨、明日には止むかな・・・」

 彼はわたしの質問をはぐらかしました。それが、なんだかとてもかわいいと思ってしまいました。

「わたし、高校の時、コレと同じのがありましたよ」

「そうか、そりゃ災難だったな。・・・ま、人生いろいろだな。・・・なあ、また今度マッサージ頼むぜ。お前のはキクわ」

「いつでもいいですよ。なんなら、今からでも・・・」

 でも、それもサラッと躱されました。彼はふふんと笑うと、

「・・・さ、そろそろ、帰ってクソして寝るか・・・」

 と言いました。

「じゃな。明日役所頼むぞ。戻ったら札作っておいてくれ。オレ立ち寄りで一件寄ってから出るわ」

「・・・わかりました。・・・主任?」

 ドアを開けてノブを掴んだまま振り返りました。

「ん?」

「ごちそうさまでした。おやすみなさい」

 三万円の中古車に乗ってエンジンをかけると彼の青いシビックがパンとホーンを鳴らして出て行くところでした。彼に見えていないのは承知の上で、わたしは青い車に手を振りました。

 わたしはヨドガワ主任が好きでした。

 機会がある度にチラチラサインは送っているのですが、一向に相手にされていませんでした。わたしのほうもサインだけに留めてはいましたけれど。その理由は同じ支社ということもありました。告白して玉砕すると後が気まずいものになりますから。それに部長とのこともありました。そっちの方が理由としては大きかったかもしれません。

 アパートに戻り、もう一度入念にシャワーを浴び直しました。部長の臭い息や舌の感触が残らないように。キレイな身体に戻れるように。

 お肌の曲がり角という言葉が生まれたのはこのころだったでしょうか。それも意識してケアするようにもなりました。

 すべての儀式が終わった後も睡魔がやってきませんでした。あれなら寝られるだろう。ベッドの下に突っ込んでいた大学時代の物理のテキストを取り出して広げましたが、もう全く理解できなくなっていて、睡魔どころか頭が痛くなって同じところに再び突っ込みました。ヤマダさんは「四五年我慢して自分の専門分野に転職すれば」と言ってくれましたが、四五年も経てば核物理を勉強していたことさえ忘れてしまいそうでした。

 とても自分にはムリでした。自分の専門って何だったんだろうという気がしてそこはかとない空疎感に襲われ、空しくてたまらなくなりましたが、ヨドガワ主任が夢に出てくるようにとお願いして強引に目をつぶりました。
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