Maria

エターナル★

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11番道路

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厚い灰色の曇り空の下、
大道路の11番道路の真ん中を
キリスト達と共に行進していく。

マ「ねぇねぇ、貴方?」
キ「何だ?」
マ「お空が灰色よ?」
キ「だからどうした」
マ「晴れにしてよ~~」
キ「無理を言うな。」

よっぽど退屈なのだろう。
マリアは先程から
わざと大きな欠伸あくびをしたり、
わけのわからぬ詩を歌っていた。

マ「女は~言いました~~
  私を愛して~~と~~」
エ「変な詩ですね」

エロスの答えに
マリアは嬉しそうにニヤついた。

マ「でしょ~~♪
  私が5歳の時に考えたの」
ク「5歳………」

クロノスは軽蔑の思いをこめて
ため息混じりに言った。
デメテルもそれに乗る。

デ「それはまた、
  馬鹿な女性だったのですね。」

すると、
マリアは突然
物凄い気迫と威厳を発しながら
デメテルに向かって言った。

マ「黙りなさい」
3人「!?」

その重たく鋭い棘のある答えに
エロス、クロノス、デメテルは
驚いたようにマリアを見つめた。

マ「…………」

何も喋らぬが
明らかに彼女の殺意に近い感情が
その場の空気を包み込んでいた。

マ「死ねと言われようとも、
  淫乱女と呼ばれようとも、
  私は別に気にしないわ。
  だって本当の事だもの。」

マリアはサングラスを外し、
赤く光る青い瞳をぎょろりと3人に向けた。
長い睫毛がふわりと揺れる。

マ「でも私の18歳以下の思い出を
  馬鹿にする人は
  誰であろうとも許さないわ。」

彼女からの阿修羅の念は相当なもので
3人の内の誰もが吐き気を感じた。

マ「今度そういう事言ったら……
  これから先恥ずかしくて
  生きていけない程の
  社会的地位をくれてやるわ。」
キ「マリア」
マ「何?」
キ「やめとけ」

その言葉を聞くや
マリアは深いため息を着き
サングラスをかけなおした。
ため息と共に終わりのない怒りは
静んでいった。

3人が自分を恐れているのが
痛いほどに伝わってきた。

***********

キ「次は『日中書記』の奴らだ。」
マ「っ!」

人が通らない割りに
長くだだっ広い11番道路も、
12分程進めば残り500mとなった。
『日中書記』とは、
ボスを除いて
日本神話と中国神話に出てくる
神々の名を持つ者達が集まる団体だ。
キリシャの支配下にある団体である。

ク「あそこにいるのは……」
キ「アダム、麒麟、白澤、鳳凰、
  天照、天帝だろ。」

キリストの言う通り。
道路の右端には
キリストの言った順に
男5人、女1人が立っていた。

マ「あ、良い男いる~!
  ……っ?!」
エ「マリア様、お静かに。」
マ「……………」
ク「気にするな、エロス。
  もう男に夢中だ。」








………アダム……………

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