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第三章

魔導書の力

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 老人はその力を使って様々なズルをしていまの地位についたと私に語る。しかし、ある時まるで夢から覚めるように現実に戻ってきたらしい。そして気がつく自身がいままで行ってきた“悪行"に。 あの魔導書の中には【時間を戻す魔法】はあるがそれを使えば、"自分が死ぬ"それは嫌だ。結局の所自分が可愛いのだこの男は

「だ、だからはや、早くこのこのこの忌々しい本を私から」

言葉を一つ絞るのに数十秒かけている、多分【そろそろ限界】が近いのだろう。本人がそれに気づいているかは別として。そもそもこの本は一体なんなのだ?はっきりいって【転生者に与えられるプライズ】よりも強力な代物だ。そんな物がこの世界にあるとは‥転生者以外も強くしようとしている所には関心する。

机がガタガタと揺れる。老人が体をびくびくと痙攣させているのだ。口から赤い泡を吹いている。【お迎えの時間】が来たみたいだ。そのまま老人はピクリとも動かなくなった。手からは私に渡そうとしていたであろう魔導書が床に落ちる。それを私は拾い上げ、埃を払う。

「まあ、くれるというなら貰いましょうか‥専用武器は普通に気になりますし」

パラパラとページをめくり確信する

あ、これ人間が使っちゃ駄目なやつだぁ!!そこに書いていたのは【神】であっても発狂する類いの【呪文ばかり載っていたからだ】

まあ私‥【邪神】なので全く効果は受けませんが。あと適正ジョブのお陰である程度デメリットも緩和している所もありますね。
そんな風に考えながらペラペラとページをめくと【素敵な呪文】に目が止まる。それは


"死者の蘇生"と"記憶を曇らせる"
という呪文。実の所ここでこの老害に死なれると迷惑なのである。何故なら死体処理をしないと行けなくなるため、こう見えて私【美食家】なので、こんなしわくちゃな骨しか無い肉を食べたくは無いのです。‥だからこの呪文は最高にありがたい。生き返られたあと記憶を曇らせれば、私が専用装備を貰っただけの話になる。正直な所この老害は多分人間界でゆうと重罪に当たるのは確定だ。

そんなことになれば私の華々しい冒険者生活が終わることになる。それは避けなければならないので

「じゃ、パパーと済ませましょうか」


          ※※※※※※※※※※

 無詠唱スキルくらい持ってくれば良かった‥この年になって無詠唱出来ないのは、恥ずかし過ぎる。まあ初心に帰ったと思いましょうか。‥では

「其は冥界の門を叩きし、哀れな羊。汝その命にまだ縋るのであれば、助けてやろう」

そう唱えると今しがた死んだであろう老害が息を吹く返す。こんなにすんなりいくとはやはりまだ地獄には落ちたくないようだ。生き返ったのを確認してすかさず二つ目の呪文を唱える。

「汝、忘れたい罪の記憶があるのなら‥我がそれを許そう。さぁ忘れた罪を抱え逃げ続けるがいい」

そう答えと男の顔に黒い靄かかりそれが[目、口、鼻、耳]と顔にある穴という穴に入っていく。全ての靄が老人の中に入ると

「ん?おやぁ」と穏やかな声で起きた。おはようございます。クソ野郎お元気ですか?元気でしょうね、嫌なこと忘れてすっきりしたでしょ?

「おはようございますぅ!!ギルドマスター様は私との会話中眠ってしまったのですよぉ!!お加減如何でしょうか?」

「お、おお!なんだか気分がとてもいいよて、お客様の前で寝るなんて恥ずかしい‥申し訳ございません。」

いえいえと私は答える。魔導書さえ貰えればようはないので。

「では、私はこれでお体と"精神"には十分起きおつけ下さいね」そういって扉の外に出た。

再度魔導書を見る。『‥これは多分表紙を見ただけでアウトな人物もいるほどの代物だ。なら』そう思った私は魔導書を

━━━━━━━━━━━━━━自分の影に食わせた。

 頭の中に100以上の詠唱が全て記録される。改めてとんでもない魔導書だ。しかし、一体誰がこんな物を作ったのか‥興味がある。私は魔導書の全ての詠唱を覚えた反動で軽い頭痛を起こしながら、ギルドの受付に向かう。そろそろフゥの話も終わったことだろう。

「にいちゃん!やったぜ俺ら大金持ちだ!!」そう言ってフゥは契約書を見せる。そこに書いてあった金額は

【200万エルカ】だった。

確かに大金だ。あの娘本当に貯金があったのだな、てっきり数十万程度だと思っていたのだが。

「そのくらいなら全然痛手じゃないので‥」とアディは答える
ならもっと貰えるのでは?‥早速さらに交渉を━━━━

「にいちゃん!!家買おうぜ家!!」

‥何を言っているのだこの娘は?確かにチームは組むとは言った、だがまさか一つ屋根の下にこんなクソガキ様と一緒に暮らせと?

「え"‥嫌です」 「なんでぇ?!」

いやその反応はおかしい。一緒に住むということは、普通に怠いので遠慮したい。

「やだやだ!!ぜっっっったい家を買ってそこににいちゃんと住むだァァァァ!」

駄々をこねはじめた。面倒くさいチームなんて組まなければ良かった。「なんで、一緒に住みたいんですか?」私がそうフゥに聞く
すると

「仲間は"家族"だ!家族を家から追い出して呑気に暮らしてるようなゴミにはなっちゃいけねぇんだよ!!」

捲し立てる様にフゥが喋る。まるで自分が過去体験したかの様に

「あっ‥」と口を抑えるフゥ、どうやら先程の発言は個人的に"トラウマを想起させる発言"だったのかその場に埋まる。

「ご、ごめんなさい‥頑張るから‥わ、わた、お、俺頑張るから、頑張って"素材集める"からぁだから!!」と頭を押さえながら

「ぶたないでぇ」強気の少女の姿はどこにもなくそこにはただ



━━━━━━━━━━━━━"暴力"に怯える年頃の娘がいた

            
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