黒虎の番

月夜の庭

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勇者パーティと依頼を受けてみた

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『ジュブナイルのメイス捌きがえぐい(笑)』


今日は、折角なので勇者パーティに、あたしとラファエルが参加して森に来ていました。


森で増え始めたゴブリンの討伐に、森の調査がセットされた依頼を受けて、出会い頭のゴブリン達を狩っていました。


あたしとラファエルにマービンが揃えば、魔法・治癒・補助は完璧なので、ムキムキの筋肉を無駄遣い野郎のジュブナイルも武器を手に戦っている。


先の鉄球にトゲトゲが生えているビジュアルがえげつない武器を振り回すゴリゴリの神官がツボにハマっていました。


「なぜ戦闘職ではないのかが不思議で仕方がありませんね」


呆れ顔のラファエル。


「何でかな………聖剣の方が強そうなのに、メイス持ったジュブナイルの方が、前から歩いてきたら全力で逃げ出す気がする」


血塗れ神官に、マービンはドン引きしています。



目の前では依頼のゴブリン達を勇者と騎士+α(鈍器という名の凶器を手にしたジュブナイル)により、一方的に蹂躙していた。


あまりの光景に、若干引き気味のドウェインが私達の傍に戻って来る。


「出番が無くなった」


「お疲れ様です、師匠」


「はあっ、疲れる前に終わった感じだな」


しばらく4人で見ていると、ふと思い付いた事がある。


『攻撃しながら浄化出来ないかな?』


「「「ん?」」」


3人の頭の上に”?”が飛んで見える。


『聖剣とあたしの力は相性が良さそうだから、エヴァンスの剣に浄化の魔法を這わせて戦えないかな?って思ったんだけど』


「それって浄化よりも、風や水の方が攻撃力をup出来そうだよね」


魔法の話題はマービンの食い付きが良いんだよね。


「だがな」


珍しくドウェインが消極的です。


いつもなら、面白そうな話はノリノリで加わるのに。


「アイツらの攻撃力を上げる必要が有るのか?」


血湧き肉躍る一方的な殺戮劇。


「「『確かに』」」


今は必要無い様です。


『………って違うし!戦闘と浄化を一緒にやっちゃおうぜ大作戦の提案だから!!』


「なんだよ。サボりたいだけか」


ガッフ!


その通りにございます……はい。


『だ~って~っ!このゴブリンの数と広範囲を浄化するのは、あたしとラファエルが一緒に居るからできるけど、考えただけでゲッツりなんだもん!あっ………ついでにジュブナイルもいたわ』


「確かに、ビアンカ様の気持ちは分かります。既に血の匂いで吐きそうな程の不快感が凄いですからね。ちょっと楽したいですよね」


『やっぱりラファエルは話が分かる!そうなの!ちょっとで良いから楽したいだけなのよ!!』


目の前では、血の海が広がっていく。


「ビアンカ様と一緒に浄化魔法を使うのは、ちょっと共同作業感があって、幸せな気持ちにもなりますが」


甘々な空気を出しながら、ラファエルが あたしを抱き寄せて背中の毛皮を撫で始める。


「頑張りますので、一緒に」


キラキラした目で、少し眉毛を下げて見詰めながら訴えているラファエルの耳に、薄らケモ耳が見え隠れしています。


「ビアンカ様と魔法が使いたいです」


グッ!


可愛いなチキショウ!!


『分かった!ちゃんとやります!!』


「はい。よろしくお願いします。ビアンカ様」


『あい』


おサボり作戦失敗です。
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