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亡くした嫁のこと
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前にも言ったが私は嫁というものを早くに亡くしている。
なんで死んだのかはあまり深く掘り下げていくつもりは無いが、私より若い嫁は早くに死んだのだ。
死んで悲しかったかと問われれば悲しかったと答えるだろう。一応これでも人間的な心持はあるわけで、少しの寂しさと悲しさは心の中に内在している。
愛していない人が死ぬのが悲しいというのはだいぶおかしな話だが、何度も言う私は偏屈なのだ。それはプラスにもマイナスにもはたまた表現し難い方向へも偏屈と言える。
話は変わるが、皆は私の嫁であった人がどんな人か想像がつくだろうか?きっと、嫁がどういう人だったのか、これを読んでいる皆はわからないだろう。その人は私には勿体ない人だったということだけは確かだ。
所謂、万能だった。家事に料理、勉学も女性の割には多少は出来る。出来すぎた人だった。
私が彼女を愛していないと知っていながらも、私に尽くしてくれた。それをしてくれたからと言って私は愛してはやらなかったし、その愛してくれることさえも、彼女の承認欲求に寄るもので私のためのものではないと私は考えたし今でもそう思ってる。
私は偏屈だから直ぐに手が出る。所謂、今の難しい英語で言うとDVというものを日常的にしていた。
彼女の用意した飯が焦げていたから、彼女が次の日の私の服を用意し忘れていたから等些細なことだったが、その度に私は暴力をふるい、しかし彼女はそれに関して楯突くこともなく、ただ暴力に身を任せ、私の怒りが治まると、直ぐに次の準備を始めた。
いつか私は彼女に聞いた。「なぜ反抗しない?私が聞くのもなんだが、私は理不尽に怒りお前を蔑み暴力をふるう。それは間違ってることなのに、お前はなぜ何もそれについて言わない?」
すると彼女はこう答えた。
「貴方を愛しているからですよ。愛するというものはその人の全てを許し、受け入れ、自らが犠牲になろうとも尽くすことです。そう考えているから私は貴方の暴力だろうと受け入れています。」
私は衝撃を受けた。事は無かった。
寧ろ、綺麗事を並べやがって。とイラつきさえも覚えた。
しかし、それからというもの私は彼女の些細なミスに過剰に反応しなくなった。別に彼女の言葉が響いた訳では無い、暴力をふるったら、彼女がまた「愛があるから我慢出来る」等とほざき調子に乗るからである。
そう考えるのは私が偏屈だからであろうか。
いや、きっと皆そう考えるだろう。
そうこう過去を振り返っていると、私の中の愛がどこかに行って1年が過ぎていた。
私は、少し違和感を覚え始めていた。杞憂に過ぎないだろうが、なにか私は私で無くなる気がした。
なんで死んだのかはあまり深く掘り下げていくつもりは無いが、私より若い嫁は早くに死んだのだ。
死んで悲しかったかと問われれば悲しかったと答えるだろう。一応これでも人間的な心持はあるわけで、少しの寂しさと悲しさは心の中に内在している。
愛していない人が死ぬのが悲しいというのはだいぶおかしな話だが、何度も言う私は偏屈なのだ。それはプラスにもマイナスにもはたまた表現し難い方向へも偏屈と言える。
話は変わるが、皆は私の嫁であった人がどんな人か想像がつくだろうか?きっと、嫁がどういう人だったのか、これを読んでいる皆はわからないだろう。その人は私には勿体ない人だったということだけは確かだ。
所謂、万能だった。家事に料理、勉学も女性の割には多少は出来る。出来すぎた人だった。
私が彼女を愛していないと知っていながらも、私に尽くしてくれた。それをしてくれたからと言って私は愛してはやらなかったし、その愛してくれることさえも、彼女の承認欲求に寄るもので私のためのものではないと私は考えたし今でもそう思ってる。
私は偏屈だから直ぐに手が出る。所謂、今の難しい英語で言うとDVというものを日常的にしていた。
彼女の用意した飯が焦げていたから、彼女が次の日の私の服を用意し忘れていたから等些細なことだったが、その度に私は暴力をふるい、しかし彼女はそれに関して楯突くこともなく、ただ暴力に身を任せ、私の怒りが治まると、直ぐに次の準備を始めた。
いつか私は彼女に聞いた。「なぜ反抗しない?私が聞くのもなんだが、私は理不尽に怒りお前を蔑み暴力をふるう。それは間違ってることなのに、お前はなぜ何もそれについて言わない?」
すると彼女はこう答えた。
「貴方を愛しているからですよ。愛するというものはその人の全てを許し、受け入れ、自らが犠牲になろうとも尽くすことです。そう考えているから私は貴方の暴力だろうと受け入れています。」
私は衝撃を受けた。事は無かった。
寧ろ、綺麗事を並べやがって。とイラつきさえも覚えた。
しかし、それからというもの私は彼女の些細なミスに過剰に反応しなくなった。別に彼女の言葉が響いた訳では無い、暴力をふるったら、彼女がまた「愛があるから我慢出来る」等とほざき調子に乗るからである。
そう考えるのは私が偏屈だからであろうか。
いや、きっと皆そう考えるだろう。
そうこう過去を振り返っていると、私の中の愛がどこかに行って1年が過ぎていた。
私は、少し違和感を覚え始めていた。杞憂に過ぎないだろうが、なにか私は私で無くなる気がした。
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