偏屈な僕の愛の物語

ながれ

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違和感の正体

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違和感の正体について私は分からなかった。
しかし、ホントのようでうそであった。
「愛」が居なくなってからというもの、私は恋とか愛とかそういうことを考えるようになっていた。
また、「愛」が無くなった今、私は私でない気がして、居なくなった「愛」に怒りさえ覚えた。
  
私は頑固で偏屈だから、私が私で無くなるのが嫌で、仕方なかった。試しに「愛やーーい、戻ってこーーい」と叫んでみたが、虚しくなるだけで返ってくる言葉は無かった、
私はいつもそうであった。失った後に、その物が私を構成していたと知るのだ。
だからなんだとおもった。そうなのだ、愛なんてなくても私はこうやって生きている。無くてもいいもので、「愛」がいなくなっても、愛について考えられるのなら、私は愛がなくても生きていけるのだ。

これは強がりではない。全て本音で話しているのだから、私に嘘はないし、まして、人生でひとつもうそはついたことはないのだ。母親が死んだ時も、嫁が死んだ時もわたしは若干しか悲しくなかったし、泣かなかった。仏教徒だから葬式をあげたが、お金が勿体ないと、なぜ死人のためにここまでしてあげなくてはならないのかと、そのように考えるまでに至った。

命は短いのだから、態々、死体を見られ、不細工な面を皆にみせ、醜態を晒すのは私には理解が到底及ばないものだった。だからと言ってしない訳にもいなく、葬式をしたらしたで、沢山の人が弔いに来た。何故こんなに来るのか不思議だった。ただ生きていただけで、私は、彼女達のことをひとつも知らないまま、別れることになった。
ただ、彼女達が愛されている。ということだけははっきりとそうわかったのだった。

確かに、愛されるというのは素敵なことだ。いや、素敵ではない。私は愛されたが故に、死体の顔など見られたくもないし、愛された人に裏切られたくもないし、愛してくれた人といって愛を過去形にはしたくないのだ。

私は薄々気付いていたことを心に終い、心の奥底に隠しながらこの小説を書き、自分にとっての愛を否定することを望んでいるのだった。

これは、「愛」が居なくなってから、3年と数カ月が経った頃だった。
今の私がどうあるのかは、またあとで書くとして、これから20年後に私はこれを書いていることになる。

「何を今更」と言うやつもいるかもしれないが、私が辿り着いた結論で私は私自身の「愛」との物語と、違和感の話についてここに書くのだった。
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