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女子高生なのに母乳が・・・(後編)

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双子石ふたごいしは、昔のお墓なんです。
ずっと昔のお墓です。
きっと江戸時代に作られたお墓です。

貧しい農家の家庭に生まれた双子を、育てる余裕がなかったので、親が捨ててしまったんです。
間引きしたんですね。
その親が生まれたばかりの赤ん坊を捨てたのが、あのお寺の裏だったんです。
それが、ちょうどあのお寺の木の下だったんです。

二人の赤ん坊が捨てられて死んでいるのを見つけたお寺の人が、あそこにお墓を作ったんだと言われています。
あれは死んだ双子の赤ん坊のお墓なんです。
親に捨てられた双子の赤ちゃんのお墓なんです。
だから、遊び半分で触っちゃいけなかったんです。
ましてや、あの上に座るなんてことはしちゃいけなかったんです。

私はきっと毎晩、眠ったまま、そのお寺の裏まで行って、あの石にお乳を飲ませていたのでしょう。
捨てられた赤ん坊の霊に、自分のお乳を飲ませていたのでしょう。



毎晩、双子の赤ん坊は、眠っている私の胸から母乳を吸いました。
そして、それは次第に激しくなっていきました。

二人の赤ん坊が私の両側の胸にしがみつき、口いっぱいにくわえ、顔を左右に振りながら、勢いよく飲もうとするのです。
あまりにも強く吸うので、とても痛いのです。
でも仕方ありません。
やがて、赤ん坊たちは、私の胸に噛み付くようになりました。
赤ん坊と言っても、もう乳歯が生えていたのでしょう。
二人の赤ん坊は私の乳首を強く噛みました。
それはまるで噛み切ろうといるような・・・。
頭を大きく動かして、私の胸を噛みちぎろうとしているような・・・。

私は痛くて目が覚めました。
やっぱり、私はお寺の裏に来ていました。
そして、あの双子石に自分の胸を押し付けていました。
私は自分の両方の胸を、二つの丸い石に強くこすり付けていたのです。

私の両側の胸からは、はげしく血が出ていました。
胸には傷がついていました。
両方の乳首のまわりに、歯のあとがついていました。
私の胸は歯で噛まれたのです。

私はすぐに病院に行きました。
病院の先生や看護師は、不審そうな目で私を見ていました。
それはそうでしょう。
何しろ、その時の私ははだしだったし、パジャマのままだったのですから。
そんな女の子が、夜中に、膨らんだ胸を噛まれて血を流しているなんて、どう考えても普通の状況ではないですよね。
きっと、私は風俗か何かで働いていて、悪い客に襲われたのだと彼らは思っていたのでしょう。

でも、とにかく医師は治療をしてくれました。
傷を縫ってくれました。
私は医者に 警察には通報しないでほしいとお願いしました。
それにその時は、健康保険証もお金も何も持っていなかったので、一度家に帰ってまた来ます と言って、病院を飛び出したのです。

それから、私は家に走って帰りました。
怖くなって 部屋の中のベッドの上にじっと座っていました。
もし今度寝たら、何が起きるのだろうと私は考えていました。
きっと私はまた、眠ったまま、あのお寺の裏に行き・・・
きっと今度は乳首をもっと強く噛まれて・・・
きっと私は殺されてしまうのでしょう・・・
私は胸をはげしく・・・、私は死んでしまう・・・

これは、あの双子石の呪いなんだと思いました。
ふざけて、あの石の上に座ったから、バチが当たったんだと思いました。
双子の霊が怒って、私を殺そうとしているのだと思いました。

きっと、生まれてすぐに捨てられてしまった双子の霊が、死んでも苦しみ続け、この世をうらみ続け、いつか復讐してやろうと思いながら、ずっと、あの場所にいたのでしょう。
その霊が私に取り憑いてしまったのです。
私は殺されるのです。
私は死ぬしかないのです。

私はベッドの上に座ったまま、長い時間じっとしていました。
私は怖かったのです。
私はひどく怯えていました。
でも、少し不思議な気分でした。
なぜか私は、その赤ん坊たちの霊を憎むことができなかったのです。
自分を殺そうとしている霊に対して、私はやさしい感情を持ち始めていたのです。
私には、その死んだ赤ん坊が、他人のようには思えなかったのです。

私はとても辛い気持ちになりました。
とても苦しい気持ちになりました。
それは、自分が死ぬということに対してではありません。
私はその赤ん坊のことを考えていたのです。
親に捨てられた時のその赤ん坊の気持ちを考えようとしていたのです。
そして、とてもさびしい気持ちになっていたのです。

私はその夜、怖くてもう眠ることができませんでした。
そして次の日は学校を休みました。
それから、昼にそのお寺に行きました。
お寺の裏の双子石のところに行ったのです。

木の根本に二つの石が並んでいました。
私はそれにやさしく触れました。
それが、双子の赤ん坊の呪いだとしてもかまわないと私は思いました。
昔の霊に呪い殺されるのなら、それは仕方がないと思いました。

それよりも、今でも苦しんでいる二人の赤ん坊の霊を やさしく抱きしめてあげたかったのです。
もう大丈夫だと言ってあげたかったんです。
もう捨てたりはしないと、・・・。

私は大きく膨らんだ胸を出して、その二つの石にぴったりとつけました。
でも私の胸に当たっているのは、固い石ではありませんでした。
それは、とても柔らかい感触でした。
柔らかい赤ちゃんの肌を私は自分の胸に感じていたのです。
そして私は、二人の赤ん坊が私の体に抱きつこうとしているのを感じました。
私も二人を抱きしめようとしました。
私は長い時間、そうやって双子石の上に屈んでいたのです。

それから、家に帰りました。
私は夜眠りました。
その晩 何が起きるのか心配でした。
自分は死ぬのかもしれないと思いました。
自分は殺されるのかもしれないと思いました。

でも、私は、何が起きてもよいと思っていました。
あの赤ちゃんたちがそれで満足するのなら・・・

その晩も夢を見ました。
夢の中で、私はその双子の赤ん坊に自分のお乳を飲ませていました。
とても幸せな気分でした。

次の日の朝目覚めました。
私は自分の手足を見ました。
それは汚れていませんでした。
私はもう夜中にあの寺には行かなくなったのです。

それから次第に私の胸は小さくなりました。
母乳も出なくなりました。
でも、今でも時々私はあのお寺に行きます。
そして、あの双子石をやさしく抱きしめてあげるのです。
だって、私はあの子たちのお母さんなんですから・・・


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