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Episode.5
欲しくてたまらない③ 桐生視点
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「桐生さん」
「ん?」
「着替えてきて正解でした。今日冷房ガンガンですね」
『寒っ』とか言いながら、苦笑いして俺を見ている梓。
「だから言ったろ」
「くくっ。格好つけちゃって~。それだけの理由じゃなかったくせに~」
「テメェはマジで黙ってろ」
「他に理由があったんですか?」
不思議そうな顔をして俺を見上げている梓に勘弁してくれ状態の俺。もうこれ以上、深掘りすんのはやめてくれ。
「別に」
「そう……ですか。あ、今日タコ安売りしてますよ!」
「お、ラッキーだねぇ」
「ここの鮮魚コーナー、毎週金曜に何かしら安売りしてて」
「へぇ、そうなんだ~。日頃そういうの気にしてるの?」
「ケチくさいですよね、すみません」
「そんなことないよ? 家庭的で凄くいいと思う。な、誠」
「まぁいいんじゃねぇの」
── 金銭感覚が鈍ってるタイプかと思ってたが、そういうタイプではなかったんだな。
梓のことは全て調べた。両親が離婚、父親はわりと早くに再婚して子供もいる……要は家庭持ちってやつで、その父親から梓の養育費等を受け取っている形跡はねえ。つーか、受け取る必要がないほど母親の稼ぎがいい。まあ、良くなきゃあのマンションの最上階には住めねぇわな。
金に苦労する、とは全く無縁な環境。こういう奴は高確率で金銭感覚バグってやがるが、梓はそうでもなかったらしい。
ま、ぶっちゃけその辺はどうでもいいがな。梓なら別に何だっていい……と思う俺は、かなり重症なのかもしんねえわ。
「薄々お察しかと思いますが、私ひとり暮らししてるんです。どうしてもって、私の我儘で。だから少しでも節約しないとなーって」
『あ、これ安いですよ~』なんて言いながら、何でもなさそうに振る舞う梓。まあ、色々あるわな。これ関して俺から根掘り葉掘り聞くつもりはねえ。梓自身が俺に話したいと思った時でいい。
・・・俺を頼れよ、なんだってしてやんのに。
「── さん。桐生さん」
「あ、ああ……」
なぜか海老を持って俺を見ている梓。
「海老も安いですよ! 海老入れちゃいます? 結構美味しいですよ」
「そうか」
「“たこ焼き”ならぬ“えび焼き”か~。いいね!」
そっから雄大と梓が『えび焼きは~』とかなんちゃら言って盛り上がってやがる。俺を差し置いて、俺の数歩先を横並びで歩く梓と雄大。
つーか、なんでお前らが並んで歩いてんだよ。おかしくねぇか? コイツらが並んでる後ろ姿を見ると、モヤモヤするわイライラするわで散々だっつーの。
「ははっ。不破さんって面白いですね!」
「ええ? 梓ちゃんもなかなかだけどね~」
いつも俺に、俺だけに向けていた笑顔を雄大にも向けるんだな。それって俺だけじゃねぇの?
── なんか、気に入らねえ。
「ちょっ!?」
気づいた時には梓の腕を掴んで引き寄せていた。
「び、びっくりしたぁ……どうしたんですか? 桐生さん」
驚いた顔をして俺を見上げてくる梓を見て我に返る。
「……いや、悪い」
冷静になって自分のヤバさに気づく。つーか、無意識に体が動くとかヤベぇだろ。
「海老、嫌いでしたか? やめときます?」
・・・ちげぇよ。そんな申し訳なさそうな顔をしてズレたこと聞かれても反応に困んだろうが。
「別に嫌いじゃねぇ」
「そ、そうですか」
「くくっ。自分で動きなよ、誠。そんな引っ張ったりしなくても~」
雄大はおそらく『そんな引っ張ったりしなくても、誠が梓ちゃんの隣へ来れば良かっただけじゃん。ま、咄嗟に手が動いた……みたいな感じだろうけど? くくっ。余裕がないねぇ~』って言いてぇんだろうな。
雄大には俺の行動や思考を読まれることが多い。これは昔からだが、本当に厄介な奴すぎる。
「痛くなかったか?」
「え、あ、はい。全然大丈夫ですよ」
「そうか」
── 雄大の言う通り、俺は相当器の小せぇ男なのかもしれねぇな。
余裕……? そんなもんあるわけねえだろ。こんなにも“何かを欲しい”と強く思って、願ったことはない。欲しくて、どうしても欲しくてたまらない。
「ねえ、梓ちゃん」
「はい」
「梓ちゃんって彼氏いるの?」
「ゴホッ! ゴホッ!」
思いっきり噎せた俺を驚いた顔をして見てきた梓。
「え、ちょ、桐生さん大丈夫ですか!?」
「あ、ああ……問題ない」
── つーか、そんな重要なことにすら頭が回んなくなってたとか、ヤバすぎて笑えねぇだろ。
これで梓に男がいたらどーすんだ?
んなもん、無理やり奪っちまえばいいだろ……いや、違ぇか。梓を悲しませるわけにはいかねえもんな。梓の幸せを願って、俺が身を引けばいい話だ。単純な話だろ……単純な──。
「で、どうなの? 梓ちゃん」
「あー、いませんよ? 彼氏いたことないです」
「マジか」
「え、あ、はい……」
めちゃくちゃ食い気味な反応をした俺に若干引き気味な梓。
「ええ? 本当かなぁ? こんな綺麗な子、同世代の男が黙って指咥えて見てるだけだなんてあるー? いやぁ、ありえないんじゃない?」
雄大がごもっとなことを言ってやがる。いや、マジでありえねぇだろ。これで男の1人や2人いたことがねぇとか、そんな話があるか? ねぇわな、普通に考えたら。
「いやいや、そんな褒めても何もでませんよ~」
「うーん。梓ちゃんレベルの子が彼氏いないって……訳あり?」
「えっと……まあっ」
「おい、雄大。余計な詮索すんな」
「……あぁうん、そうだね。ごめんごめん、そりゃ色々あるよね~」
訳ありでしかねぇだろ、そんな状況。まあ、俺としてはよかったの一言に尽きるけどな。梓はまだ、“他の誰かのモノにはなっていない”。この事実が俺を高揚させる。
── なぁ梓、お前が欲しくてたまらない。
「ん?」
「着替えてきて正解でした。今日冷房ガンガンですね」
『寒っ』とか言いながら、苦笑いして俺を見ている梓。
「だから言ったろ」
「くくっ。格好つけちゃって~。それだけの理由じゃなかったくせに~」
「テメェはマジで黙ってろ」
「他に理由があったんですか?」
不思議そうな顔をして俺を見上げている梓に勘弁してくれ状態の俺。もうこれ以上、深掘りすんのはやめてくれ。
「別に」
「そう……ですか。あ、今日タコ安売りしてますよ!」
「お、ラッキーだねぇ」
「ここの鮮魚コーナー、毎週金曜に何かしら安売りしてて」
「へぇ、そうなんだ~。日頃そういうの気にしてるの?」
「ケチくさいですよね、すみません」
「そんなことないよ? 家庭的で凄くいいと思う。な、誠」
「まぁいいんじゃねぇの」
── 金銭感覚が鈍ってるタイプかと思ってたが、そういうタイプではなかったんだな。
梓のことは全て調べた。両親が離婚、父親はわりと早くに再婚して子供もいる……要は家庭持ちってやつで、その父親から梓の養育費等を受け取っている形跡はねえ。つーか、受け取る必要がないほど母親の稼ぎがいい。まあ、良くなきゃあのマンションの最上階には住めねぇわな。
金に苦労する、とは全く無縁な環境。こういう奴は高確率で金銭感覚バグってやがるが、梓はそうでもなかったらしい。
ま、ぶっちゃけその辺はどうでもいいがな。梓なら別に何だっていい……と思う俺は、かなり重症なのかもしんねえわ。
「薄々お察しかと思いますが、私ひとり暮らししてるんです。どうしてもって、私の我儘で。だから少しでも節約しないとなーって」
『あ、これ安いですよ~』なんて言いながら、何でもなさそうに振る舞う梓。まあ、色々あるわな。これ関して俺から根掘り葉掘り聞くつもりはねえ。梓自身が俺に話したいと思った時でいい。
・・・俺を頼れよ、なんだってしてやんのに。
「── さん。桐生さん」
「あ、ああ……」
なぜか海老を持って俺を見ている梓。
「海老も安いですよ! 海老入れちゃいます? 結構美味しいですよ」
「そうか」
「“たこ焼き”ならぬ“えび焼き”か~。いいね!」
そっから雄大と梓が『えび焼きは~』とかなんちゃら言って盛り上がってやがる。俺を差し置いて、俺の数歩先を横並びで歩く梓と雄大。
つーか、なんでお前らが並んで歩いてんだよ。おかしくねぇか? コイツらが並んでる後ろ姿を見ると、モヤモヤするわイライラするわで散々だっつーの。
「ははっ。不破さんって面白いですね!」
「ええ? 梓ちゃんもなかなかだけどね~」
いつも俺に、俺だけに向けていた笑顔を雄大にも向けるんだな。それって俺だけじゃねぇの?
── なんか、気に入らねえ。
「ちょっ!?」
気づいた時には梓の腕を掴んで引き寄せていた。
「び、びっくりしたぁ……どうしたんですか? 桐生さん」
驚いた顔をして俺を見上げてくる梓を見て我に返る。
「……いや、悪い」
冷静になって自分のヤバさに気づく。つーか、無意識に体が動くとかヤベぇだろ。
「海老、嫌いでしたか? やめときます?」
・・・ちげぇよ。そんな申し訳なさそうな顔をしてズレたこと聞かれても反応に困んだろうが。
「別に嫌いじゃねぇ」
「そ、そうですか」
「くくっ。自分で動きなよ、誠。そんな引っ張ったりしなくても~」
雄大はおそらく『そんな引っ張ったりしなくても、誠が梓ちゃんの隣へ来れば良かっただけじゃん。ま、咄嗟に手が動いた……みたいな感じだろうけど? くくっ。余裕がないねぇ~』って言いてぇんだろうな。
雄大には俺の行動や思考を読まれることが多い。これは昔からだが、本当に厄介な奴すぎる。
「痛くなかったか?」
「え、あ、はい。全然大丈夫ですよ」
「そうか」
── 雄大の言う通り、俺は相当器の小せぇ男なのかもしれねぇな。
余裕……? そんなもんあるわけねえだろ。こんなにも“何かを欲しい”と強く思って、願ったことはない。欲しくて、どうしても欲しくてたまらない。
「ねえ、梓ちゃん」
「はい」
「梓ちゃんって彼氏いるの?」
「ゴホッ! ゴホッ!」
思いっきり噎せた俺を驚いた顔をして見てきた梓。
「え、ちょ、桐生さん大丈夫ですか!?」
「あ、ああ……問題ない」
── つーか、そんな重要なことにすら頭が回んなくなってたとか、ヤバすぎて笑えねぇだろ。
これで梓に男がいたらどーすんだ?
んなもん、無理やり奪っちまえばいいだろ……いや、違ぇか。梓を悲しませるわけにはいかねえもんな。梓の幸せを願って、俺が身を引けばいい話だ。単純な話だろ……単純な──。
「で、どうなの? 梓ちゃん」
「あー、いませんよ? 彼氏いたことないです」
「マジか」
「え、あ、はい……」
めちゃくちゃ食い気味な反応をした俺に若干引き気味な梓。
「ええ? 本当かなぁ? こんな綺麗な子、同世代の男が黙って指咥えて見てるだけだなんてあるー? いやぁ、ありえないんじゃない?」
雄大がごもっとなことを言ってやがる。いや、マジでありえねぇだろ。これで男の1人や2人いたことがねぇとか、そんな話があるか? ねぇわな、普通に考えたら。
「いやいや、そんな褒めても何もでませんよ~」
「うーん。梓ちゃんレベルの子が彼氏いないって……訳あり?」
「えっと……まあっ」
「おい、雄大。余計な詮索すんな」
「……あぁうん、そうだね。ごめんごめん、そりゃ色々あるよね~」
訳ありでしかねぇだろ、そんな状況。まあ、俺としてはよかったの一言に尽きるけどな。梓はまだ、“他の誰かのモノにはなっていない”。この事実が俺を高揚させる。
── なぁ梓、お前が欲しくてたまらない。
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