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「ゼロから千まで」6話
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「ゼロから千まで」6話
友人の言葉に口を半開きにして固まる。そして千歳はそのままベッドの上で大の字で転がった。
「ねぇ、大丈夫?千歳。」
心配する友人の声を他所に、千歳はこの間の百合愛の悲痛な叫びのような訴えが頭の中をぐるぐる回っていた。
かなり狼狽した千歳の様子に三人の内一人がホッとしたように胸を撫で下ろしていた。
「でも、良かったじゃん。この様子じゃ千歳が霧崎奪い取ったっての本当じゃなさそうだし」
「奪い取った!?」
勢い良く起き上がった千歳に三人の友人は仰天してこちらを凝視している。
「ねぇねぇ、どういうこと!?二葉!」
二つ結びの女子生徒に訊ねる。しかし、彼女は驚いて口が開かない様子だった。
「う、うちが零一を!?来三!」
ボブの女子にも訊いたが、気まずそうに視線を逸らされた。
「ねぇねぇ、世羅!」
頼みの綱だと言わんばかりの視線でショートカットの女子に縋った。世羅は観念したように小さく溜息をついてから口を開いた。
「なんかクラスで話題になってんのよ。百合愛と霧崎が別れてから霧崎がよく病院行くようになったから。千歳と霧崎が付き合ったんじゃね?って。」
千歳が唖然としていると、さっきまで声が出ていなかった二葉が話に割って入る。
「だから、千歳が霧崎を百合愛から奪い取ったんじゃないかって噂が広まってんのよ!」
冷や汗を掻きながら千歳は慌てて首を振った。
「そんなわけない!うち、そんなことしてない!」
来三はうんうんと頷く。
「だよねぇ。あんたみたいな色気より食い気の女がそんな器用なこと出来るわけないもん。」
千歳を見て安心している友人たちとは裏腹に千歳の頭の中は不安でいっぱいだった。別に零一を奪い取るつもりは毛頭無かったわけだが、さっきの零一の様子は明らかにおかしかった。それが何を意味しているのかを察するには色恋沙汰にさっぱりな千歳には難問だった。
千歳が慌てて身振り手振りでさっきの起きたことを安心しきった友人たちに話すと友人たちの表情に焦りの色が目立つ。
「おいおい、どうする?あの千歳に春か?」
「しかもよりによって学校で一番人気と言っても過言じゃない霧崎とでしょ?」
「ファンクラブもあるって聞くもんね~」
また各々盛り上がりを見せる三人組に千歳は地団駄を踏む。
「ねぇ、どうしたらいいの!?うち、どうしたらいい!?」
手をバタバタと上下させる千歳に世羅は簡単に言い放った。
「じゃあ、付き合っちゃえば?」
友人の言葉に口を半開きにして固まる。そして千歳はそのままベッドの上で大の字で転がった。
「ねぇ、大丈夫?千歳。」
心配する友人の声を他所に、千歳はこの間の百合愛の悲痛な叫びのような訴えが頭の中をぐるぐる回っていた。
かなり狼狽した千歳の様子に三人の内一人がホッとしたように胸を撫で下ろしていた。
「でも、良かったじゃん。この様子じゃ千歳が霧崎奪い取ったっての本当じゃなさそうだし」
「奪い取った!?」
勢い良く起き上がった千歳に三人の友人は仰天してこちらを凝視している。
「ねぇねぇ、どういうこと!?二葉!」
二つ結びの女子生徒に訊ねる。しかし、彼女は驚いて口が開かない様子だった。
「う、うちが零一を!?来三!」
ボブの女子にも訊いたが、気まずそうに視線を逸らされた。
「ねぇねぇ、世羅!」
頼みの綱だと言わんばかりの視線でショートカットの女子に縋った。世羅は観念したように小さく溜息をついてから口を開いた。
「なんかクラスで話題になってんのよ。百合愛と霧崎が別れてから霧崎がよく病院行くようになったから。千歳と霧崎が付き合ったんじゃね?って。」
千歳が唖然としていると、さっきまで声が出ていなかった二葉が話に割って入る。
「だから、千歳が霧崎を百合愛から奪い取ったんじゃないかって噂が広まってんのよ!」
冷や汗を掻きながら千歳は慌てて首を振った。
「そんなわけない!うち、そんなことしてない!」
来三はうんうんと頷く。
「だよねぇ。あんたみたいな色気より食い気の女がそんな器用なこと出来るわけないもん。」
千歳を見て安心している友人たちとは裏腹に千歳の頭の中は不安でいっぱいだった。別に零一を奪い取るつもりは毛頭無かったわけだが、さっきの零一の様子は明らかにおかしかった。それが何を意味しているのかを察するには色恋沙汰にさっぱりな千歳には難問だった。
千歳が慌てて身振り手振りでさっきの起きたことを安心しきった友人たちに話すと友人たちの表情に焦りの色が目立つ。
「おいおい、どうする?あの千歳に春か?」
「しかもよりによって学校で一番人気と言っても過言じゃない霧崎とでしょ?」
「ファンクラブもあるって聞くもんね~」
また各々盛り上がりを見せる三人組に千歳は地団駄を踏む。
「ねぇ、どうしたらいいの!?うち、どうしたらいい!?」
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「じゃあ、付き合っちゃえば?」
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