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高校編
初バイトの朝と時間の縄
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家に到着するのは午後9時過ぎ。
春だから良いものの、これ、冬はどうしたらいいんだろう、そんな事がふと脳裏をよぎるが、その時はその時だなと頭を切り替えた。
シャワーから出ると、母親が声をかけて来た
『ご飯たべるんでしょ?』
『あ、うん、あるなら食べたい』
『あるよ、おいで』
いつもなら黙って食べて部屋に戻るのだが、今日の母親が用意してくれた食事は程よい塩分がとても心地よく、ササギの油炒めが特に食欲を増したのだった。
興奮状態にあるのか、この夜の龍一は饒舌で、学校であった事、明日アルバイトに行く事を楽しそうに語った。部屋に戻ろうとした龍一に康平が声をかけた。
『とにかくしっかりな』
『うん』
---------------------------------------------------
興奮冷めやらずと言ったところか、明日の朝は早いと言うのに眠りに付けない龍一は、ベッドの上に座り込んだ。
高校生活が始まり、新しい世界の扉が開いたような感覚もあるが、夕方学校へ行くと言う違和感は感じている。全日制の生徒達が帰って来る時間に登校するのだから無理もない。このギャップが埋まるまでは暫く時間がかかるだろう、だが今日1日で経験した事はきっと全日制には無いだろう、色々な事を考えていると眠くなってきたので、ベッドの中に沈むように潜り込んだ。
---------------------------------------------------
小学生の頃から使っている金属のベルが音を鳴らすタイプの目覚ましが鳴る。毎回鳴る度に心臓が脈打ち、呼吸が荒くなると言うのに替えられない、何故なら朝が苦手だからこれぐらい強力じゃないと自分にスイッチが入らないのだ、時間が勿体ないから休みでも朝早く起きるけれど、朝は苦手なのだ。
歩いて1時間等かからないが、余裕を持って行きたい龍一のこの日の出発時間は午前7時30分。8時30分に学校の門の前なので龍一にとっては安心の時間配分。現在午前6時30分、普段でもこんなに早くは起きない。準備に1時間かかるのではなく、龍一の脳と身体が目覚めるまで1時間なのである。
龍一がバイトに行くのが嬉しいのか、母親は既に起きて朝食を作ってくれている。目覚めと同時に味噌汁や醤油の匂いが鼻に入って来るのはとても好きな龍一。それがあると脳が目覚めるスピードが上がる感じがするからだ、龍一の考えでは朝は起きる事しか頭に無いが、食事の香りがすることで『臭覚』を刺激される、その事で起きて行くだけの行動に『食欲』がプラスされるから効果は絶大らしい。
目玉焼き、白身の外が少しカリカリで黄身は半熟、厚めのベーコンを塩胡椒で炒めたもの、昨夜のササギ。桜坂家はタッパと呼ばれるプラスチックの保存容器の大きなサイズのものにササギの油炒め等は大量に作って冷蔵庫で保管し、無くなる迄食卓に上がるのだ、だからテーブルだけはやたらと大きい。
基本的には父親が信徒なので、父親である康平だけ肉食禁止、だから父親の食べるメニューのバラエティーが狭いのだ、だが食べるものが限られているのだからメニューが少ないのは至極当然の事なのでそれについて父親が文句を言うことなく、ただただ毎回美味しそうに同じおかずを食べるのだ。
その影響もあってか、龍一も年齢の割には食事について文句を言った事はない。言い方を変えれば食べたくないものは食べない。
恐らく汚れるだろうと想定し、ジャージをタンスから探すがお金持ちの家ではないので上下揃っていないモノばかりだった。
『どうしよう』
悩んだ結果、下はジーンズで上は黒いジャージにした。
リュックの中に着替えを用意して準備完了だ、7時20分に家を出た。
『行って来る』
『頑張るんだよ』『うん』
扉を閉めてから思った、頑張れって言葉は無責任で大嫌いだったのに、今言われた頑張れは心地よかった。使い方やニュアンスもあるんだなぁと感じると、3mmくらい微笑む事が出来た。
全日制の登校時間でもあるので、バス停には高校へ行くために集まっている生徒がひしめき合って並んでいる。その景色にゾッとした、もし自分が全日制の生徒だったらあんな風に並ぶことになったのか、あの人数がバスに乗り込むのか…人混みが苦手な龍一は若干ではあるが恐怖感を感じた。
『よかったかもなぁ、定時で』
『龍一君!龍一君!』
『この声…』
周囲を見渡すとバス停の人混みの中で手を振る女性を見つけた、笠井だった。
すっかりロン毛になっていた龍一はその髪の毛をかき上げ、一連の動きの中に手を振る動作を織り交ぜて笠井に目線を送った。
『あの根暗の笠井が人混みの中で人目をはばからず手を振って声をかけるなんてな、きっと変わる努力したんだろうな』
人の本質は変わらないと言うのが現段階では揺るぎない龍一の考え方。龍一の経験から来るものなので一概には言えないが、少なくとも龍一の中ではほぼ確定した答えだ。人は変われるとドラマや映画、漫画などでよく耳にするが、それは変わろうとして努力をした結果、つまり同じ事を繰り返すまい、変わるんだと言う気持ちの継続をしているからであり、その気持ちを忘れた時点で本質が露になる。
逆に言うと変わったねと言われた人は変わる為の努力を怠らず、ずっと継続をしていると言う事なので、変わったように感じる外面的な事よりも、その継続している努力、すなわち内面の方を龍一は素晴らしい考えている。
しかし、本質は変わらないわけだから、例えばキレやすい人間はキレなくなったのではなく、キレれない努力をしている、だから当然我慢をしているのだろう、そのストレスは何時しか爆発する、過去に犯した過ちよりも大きな爆発となり得ると思うのだった。笠井もそうならなきゃいいけどなと心配もしたりした。
時間があるので、橋の手すりにもたれかかってマルボロに火をつけた。
前を通る学生たちは龍一の前を大きく距離を取って通り過ぎる。
『ヤンキーじゃねぇんだけどな…ちっ…めんどくせぇな』
別に気に入らない奴を片っ端からぶっ飛ばす気はなく、目が合ったからと言って喧嘩を売るつもりもない、ただただ刺さる様な目線にイラついた、何処に行ってもそうだ、言いたいことがあるなら言えとも思わない、言いたいこと言われたら間違いなくぶっ飛ばすからだ、これも龍一流に言えば努力だ。
ぶっ飛ばす自分をわかっているからこそ言いたいことを言わせない。
言いたいことを言わせるのは時と場合による。
話し合いであれば意見の交換は大事だ、言われなければ分からない事はたくさんある。だが見ず知らずの道行く人間に言いたいことなんか言われたくないわけで、テメェ誰に口きいてんだ?となるのは16歳の龍一としては当たり前の事だった。
それをしたくないから目線が合わないタバコの吸い方をするのが、少しだけ大人になった龍一の回避方法。目が合うと喧嘩になるなら目を合わせなければいい、そんな理論である。
8時10分
学校へ到着。
やはりと言うべきか藤谷も南部も来ていない。
時間にルーズな人は嫌いな龍一だが、約束は8時30分なので怒る理由が無いのだが、人間とはわがままなもので、自分が到着したら何となく落ち着かなくなって、あと20分しかないのに大丈夫か?という気持ちになって来る。
8時20分
藤谷が到着し、その2分後に南部が到着した。
8分前に全員が揃い、ホッとした龍一。
時間と言う概念にやたらと縛られるのだが、別に過去に何かあったわけでもなく、ただただ時間が絡みついて龍一について回る。
16歳なんてやりたいことやって好きな事して寝たいときに寝ればいい、時間なんてあってないようなモノ、でも龍一はそうではなかった。
8時40分 送迎のバンが到着した。
『おめぇらか?バイトぉ』
ゴリゴリのチンピラが車の窓を開けて叫んだ。
『やっぱこういう人種か』『こえぇ~』
間に合うように到着したのに本人は10分遅刻。
時間を中心に動いている龍一にとってこう言うのは本当に嫌いだった。
どうしてこんなに時間に縛られた生活なのだろうか。
もしかすると、救出がもう少し遅かったらこの世に居なかったから…
なのかもしれない。
春だから良いものの、これ、冬はどうしたらいいんだろう、そんな事がふと脳裏をよぎるが、その時はその時だなと頭を切り替えた。
シャワーから出ると、母親が声をかけて来た
『ご飯たべるんでしょ?』
『あ、うん、あるなら食べたい』
『あるよ、おいで』
いつもなら黙って食べて部屋に戻るのだが、今日の母親が用意してくれた食事は程よい塩分がとても心地よく、ササギの油炒めが特に食欲を増したのだった。
興奮状態にあるのか、この夜の龍一は饒舌で、学校であった事、明日アルバイトに行く事を楽しそうに語った。部屋に戻ろうとした龍一に康平が声をかけた。
『とにかくしっかりな』
『うん』
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興奮冷めやらずと言ったところか、明日の朝は早いと言うのに眠りに付けない龍一は、ベッドの上に座り込んだ。
高校生活が始まり、新しい世界の扉が開いたような感覚もあるが、夕方学校へ行くと言う違和感は感じている。全日制の生徒達が帰って来る時間に登校するのだから無理もない。このギャップが埋まるまでは暫く時間がかかるだろう、だが今日1日で経験した事はきっと全日制には無いだろう、色々な事を考えていると眠くなってきたので、ベッドの中に沈むように潜り込んだ。
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小学生の頃から使っている金属のベルが音を鳴らすタイプの目覚ましが鳴る。毎回鳴る度に心臓が脈打ち、呼吸が荒くなると言うのに替えられない、何故なら朝が苦手だからこれぐらい強力じゃないと自分にスイッチが入らないのだ、時間が勿体ないから休みでも朝早く起きるけれど、朝は苦手なのだ。
歩いて1時間等かからないが、余裕を持って行きたい龍一のこの日の出発時間は午前7時30分。8時30分に学校の門の前なので龍一にとっては安心の時間配分。現在午前6時30分、普段でもこんなに早くは起きない。準備に1時間かかるのではなく、龍一の脳と身体が目覚めるまで1時間なのである。
龍一がバイトに行くのが嬉しいのか、母親は既に起きて朝食を作ってくれている。目覚めと同時に味噌汁や醤油の匂いが鼻に入って来るのはとても好きな龍一。それがあると脳が目覚めるスピードが上がる感じがするからだ、龍一の考えでは朝は起きる事しか頭に無いが、食事の香りがすることで『臭覚』を刺激される、その事で起きて行くだけの行動に『食欲』がプラスされるから効果は絶大らしい。
目玉焼き、白身の外が少しカリカリで黄身は半熟、厚めのベーコンを塩胡椒で炒めたもの、昨夜のササギ。桜坂家はタッパと呼ばれるプラスチックの保存容器の大きなサイズのものにササギの油炒め等は大量に作って冷蔵庫で保管し、無くなる迄食卓に上がるのだ、だからテーブルだけはやたらと大きい。
基本的には父親が信徒なので、父親である康平だけ肉食禁止、だから父親の食べるメニューのバラエティーが狭いのだ、だが食べるものが限られているのだからメニューが少ないのは至極当然の事なのでそれについて父親が文句を言うことなく、ただただ毎回美味しそうに同じおかずを食べるのだ。
その影響もあってか、龍一も年齢の割には食事について文句を言った事はない。言い方を変えれば食べたくないものは食べない。
恐らく汚れるだろうと想定し、ジャージをタンスから探すがお金持ちの家ではないので上下揃っていないモノばかりだった。
『どうしよう』
悩んだ結果、下はジーンズで上は黒いジャージにした。
リュックの中に着替えを用意して準備完了だ、7時20分に家を出た。
『行って来る』
『頑張るんだよ』『うん』
扉を閉めてから思った、頑張れって言葉は無責任で大嫌いだったのに、今言われた頑張れは心地よかった。使い方やニュアンスもあるんだなぁと感じると、3mmくらい微笑む事が出来た。
全日制の登校時間でもあるので、バス停には高校へ行くために集まっている生徒がひしめき合って並んでいる。その景色にゾッとした、もし自分が全日制の生徒だったらあんな風に並ぶことになったのか、あの人数がバスに乗り込むのか…人混みが苦手な龍一は若干ではあるが恐怖感を感じた。
『よかったかもなぁ、定時で』
『龍一君!龍一君!』
『この声…』
周囲を見渡すとバス停の人混みの中で手を振る女性を見つけた、笠井だった。
すっかりロン毛になっていた龍一はその髪の毛をかき上げ、一連の動きの中に手を振る動作を織り交ぜて笠井に目線を送った。
『あの根暗の笠井が人混みの中で人目をはばからず手を振って声をかけるなんてな、きっと変わる努力したんだろうな』
人の本質は変わらないと言うのが現段階では揺るぎない龍一の考え方。龍一の経験から来るものなので一概には言えないが、少なくとも龍一の中ではほぼ確定した答えだ。人は変われるとドラマや映画、漫画などでよく耳にするが、それは変わろうとして努力をした結果、つまり同じ事を繰り返すまい、変わるんだと言う気持ちの継続をしているからであり、その気持ちを忘れた時点で本質が露になる。
逆に言うと変わったねと言われた人は変わる為の努力を怠らず、ずっと継続をしていると言う事なので、変わったように感じる外面的な事よりも、その継続している努力、すなわち内面の方を龍一は素晴らしい考えている。
しかし、本質は変わらないわけだから、例えばキレやすい人間はキレなくなったのではなく、キレれない努力をしている、だから当然我慢をしているのだろう、そのストレスは何時しか爆発する、過去に犯した過ちよりも大きな爆発となり得ると思うのだった。笠井もそうならなきゃいいけどなと心配もしたりした。
時間があるので、橋の手すりにもたれかかってマルボロに火をつけた。
前を通る学生たちは龍一の前を大きく距離を取って通り過ぎる。
『ヤンキーじゃねぇんだけどな…ちっ…めんどくせぇな』
別に気に入らない奴を片っ端からぶっ飛ばす気はなく、目が合ったからと言って喧嘩を売るつもりもない、ただただ刺さる様な目線にイラついた、何処に行ってもそうだ、言いたいことがあるなら言えとも思わない、言いたいこと言われたら間違いなくぶっ飛ばすからだ、これも龍一流に言えば努力だ。
ぶっ飛ばす自分をわかっているからこそ言いたいことを言わせない。
言いたいことを言わせるのは時と場合による。
話し合いであれば意見の交換は大事だ、言われなければ分からない事はたくさんある。だが見ず知らずの道行く人間に言いたいことなんか言われたくないわけで、テメェ誰に口きいてんだ?となるのは16歳の龍一としては当たり前の事だった。
それをしたくないから目線が合わないタバコの吸い方をするのが、少しだけ大人になった龍一の回避方法。目が合うと喧嘩になるなら目を合わせなければいい、そんな理論である。
8時10分
学校へ到着。
やはりと言うべきか藤谷も南部も来ていない。
時間にルーズな人は嫌いな龍一だが、約束は8時30分なので怒る理由が無いのだが、人間とはわがままなもので、自分が到着したら何となく落ち着かなくなって、あと20分しかないのに大丈夫か?という気持ちになって来る。
8時20分
藤谷が到着し、その2分後に南部が到着した。
8分前に全員が揃い、ホッとした龍一。
時間と言う概念にやたらと縛られるのだが、別に過去に何かあったわけでもなく、ただただ時間が絡みついて龍一について回る。
16歳なんてやりたいことやって好きな事して寝たいときに寝ればいい、時間なんてあってないようなモノ、でも龍一はそうではなかった。
8時40分 送迎のバンが到着した。
『おめぇらか?バイトぉ』
ゴリゴリのチンピラが車の窓を開けて叫んだ。
『やっぱこういう人種か』『こえぇ~』
間に合うように到着したのに本人は10分遅刻。
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なのかもしれない。
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