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七話
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「お母様、お兄様。大変です」
少女はそう大きな声をだし階段を急いでおりると、リビングのドアを音を立て開けた。
透き通った白い肌に大きなつぶらな瞳。綺麗な水色のウエーブの掛かった腰以上に伸ばした髪を二つに結びで、フリルの付いたワンピース。
そんないちだんと愛らしい少女からの外見からはとても想像が付かない光景であった。
「なんだよ、チェリー。朝っぱらから騒がしいぞ」
すると食卓で朝食を取っていた少年はトーストをかじりながら、うるさそうに後ろを向き少女の顔を見つめた。
どことなく少女と似ている少年だが、ランニング姿で元気だけが取り柄と言った悪ガキの雰囲気がある。
チェリーと言うのは少女の名前で、少年の名前はカノン。
二人は双子で、魔法学校四年生の先月二十歳になったばかり。
この世界‘スラーズ’ではこの双子達のようなサングル族と、動物のような顔立ちのヴァルセン族の二つの種族が共存している。
魔法は産まれながらの才能で普通教育が終了すると、能力のある子供達を集め魔法学校に通うことを義務付けられていた。それ以外の子供は剣士学校や武道学校、普通学校の高等部に通うことになる。
科学はそれほど発達していなかったが、TV程度は一般的な家庭に備わっているぐらいの進歩はしていた。
乗り物は馬車が主流ではあるが、この地のように大都市はバスや自動車を目にする。
寿命は百五十年程度の三十歳が成人であるから、双子達の年齢はちょうど思春期が始まろとそしているそんな年頃だった。
兄のカノンは、なんでもハッキリとしていて、少し短気でこの辺一体のガキ大将をしていた。攻撃魔法では上級生を差し置いてトップレベルだが、加減という物を知らないようでいつも先生やクラスメイトに迷惑を掛けている。ようするにまだまだ子供らしい少年。
妹のチェリーはカノンと正反対の物静かで礼儀正しい性格で、年よか大人びている芯のしっかりした少女。成績優秀の彼女は、特に回復系や補助系の魔法が得意である。
魔法学校全体で、この双子の将来を期待していた。
「どうしたの? チェリーが騒ぐなんて珍しいわね」
キッチンの方から、優しそうな落ち着きのある大人の女性の声が聞こえるた。
双子の母、コットの声である。
コットは、しつけには厳しくいつも喧嘩して帰って来るやんちゃなカノンを叱っているが、 チェリーにはとても優しいお姉様のような元気のいい女性だった。
父のスグルが仕事上良く家を留守にするので、しょうがないかもしれない。
チェリーはいつものようにカノンの隣の席に座った。
「異界人がもうすぐ現れると占いで出たのです」
そしてキッチンの方に向かってそう言った。
チェリーには少し占いで未来を予言出来る能力を持っていたので、毎朝占いをするのが日課になっていた。
異界人と言うのは、この世界とは別の世界に住んでいて違う語源を使っている人達のことで、たまに何かの弾みでこの世界に来てしまうのだった。
そう言う人達を双子達ランバース家が先祖代々、唯一召還魔法が使える神様の所まで案内する使命がある。
そのためなのかランバース家は、どんな言葉でも話せる能力を持っていた。
「チェリー、本当なの?」
と、コットは驚いた顔でチェリーの元へハムエッグを持ちやって来ると向かいの席に座る。
カノンと言えば自分のこととは関係がないかのように、再び前に向きTVを見始めた。
「間違えありません。多分数日中には、この地へ来ると思います」
「あれからもう二十三年も経つのねぇ」
チェリーの答えに、コットは遠い眼差しをする。
二十三年前、迷い込んできた五人の異界人を兄と使命通り神様の所まで案内したことがあった。
そこでいろんな素敵な体験ともう会うことがないが一生の仲間のことが、コットの脳裏に次々と蘇る。
「はい。私楽しみです。お母様のような体験を、幼い頃から夢見ていました」
その時の体験を自慢げに話してくれる度に、チェリーは目を輝かしながら聞いていた。
そして幼いながらも、そんな使命に心から誇りを持ったのだ。
「そう。あなた達はまだ子供でちょっと心配だけど、きっといい体験になると思うわ」
「お兄様、頑張りましょうね」
チェリーは嬉しそうに、カノンの方を見た。
しかしカノンはTVを見たまま、
「何度も言うようだが、オレは行かねぇからな」
めんどくさいと言った口調でそう言い捨てた。
それはカノンの口癖でもある。
チェリーと違い使命のことなど、うっとうしいとしか思っていない。
「こらカノン。これはランバース家の使命だって何回言えば分かるの?」
「うるせぇな。足手まといでしかならない異界人の子守りなんかごめんだ」
カノンの言い分は、ひどい言い方だったが正しかった。
確かに異界人は平和ボケをしているため、盗賊に襲われでもしたらパニック状態に落ちいるのが関の山だった。
コットの時も例外ではなく、その時はかなり苦労している。それでもコットの兄がそこそこの魔力と剣技を持っていたのでなんとかなった。
「でも、お兄様の憧れている旅が出来るのですよ」
いつものチェリーならここで引き下がるのだが、今日は少し意地になり言いたいことをはっきりと述べる。
自分一人では異界人を、無事に神様の所に案内する自信がない。しかしカノンと力を合わせれば何とかなると彼女なりに考えたのだ。
「オレは一人気ままな旅がしたいんだ」
しかしそんな彼女の思いを知るはずのないカノンは、速攻で否定してしまう。すると彼女は今にも悔しそうな表情へと変わり下を向く。
「全くしょうがないわね。それより早くしないと遅刻するわよ」
溜め息をつきコットは時計を見て、二人に言った。時計の針は八時十分を差している。ここから学校まで徒歩十五分は掛かり、四十分までに登校しなければならない。
「やべぇ。チェリーが変なこと言うからだぞ」
カノンも時計を見るなり、乱暴に席を立ちウエストポーチを付ける。
「変なことじゃないです。大切なことなのです」
涙声のチェリーに、カノンはようやくチェリーの考えに気づく。しかし素直に認めてしまう訳にもいかない。
「その話はまた帰って来てからだ。さっさとしねぇと置いていくぞ」
その言葉が、今できるカノンの優しさだった。
「あ、お兄様待って下さい」
先に行こうとするカノンを、急いで追うチェリー。
そんなあわただしい様子を、コットは微笑ましく思えた。
なんだかんだと言ってもカノンは、妹のことを一番に考えている優しい兄なのだ。今も玄関で文句言いつつも妹のことを待っている。妹や友達をいじめた上級生をコテンパに懲らしめ、逆にその子の両親が怒鳴りに来たことなど数え切れないぐらいある。その度コットは頭を下げカノンを怒るのだが、内心は涙が出る程うれしいことだった。
少女はそう大きな声をだし階段を急いでおりると、リビングのドアを音を立て開けた。
透き通った白い肌に大きなつぶらな瞳。綺麗な水色のウエーブの掛かった腰以上に伸ばした髪を二つに結びで、フリルの付いたワンピース。
そんないちだんと愛らしい少女からの外見からはとても想像が付かない光景であった。
「なんだよ、チェリー。朝っぱらから騒がしいぞ」
すると食卓で朝食を取っていた少年はトーストをかじりながら、うるさそうに後ろを向き少女の顔を見つめた。
どことなく少女と似ている少年だが、ランニング姿で元気だけが取り柄と言った悪ガキの雰囲気がある。
チェリーと言うのは少女の名前で、少年の名前はカノン。
二人は双子で、魔法学校四年生の先月二十歳になったばかり。
この世界‘スラーズ’ではこの双子達のようなサングル族と、動物のような顔立ちのヴァルセン族の二つの種族が共存している。
魔法は産まれながらの才能で普通教育が終了すると、能力のある子供達を集め魔法学校に通うことを義務付けられていた。それ以外の子供は剣士学校や武道学校、普通学校の高等部に通うことになる。
科学はそれほど発達していなかったが、TV程度は一般的な家庭に備わっているぐらいの進歩はしていた。
乗り物は馬車が主流ではあるが、この地のように大都市はバスや自動車を目にする。
寿命は百五十年程度の三十歳が成人であるから、双子達の年齢はちょうど思春期が始まろとそしているそんな年頃だった。
兄のカノンは、なんでもハッキリとしていて、少し短気でこの辺一体のガキ大将をしていた。攻撃魔法では上級生を差し置いてトップレベルだが、加減という物を知らないようでいつも先生やクラスメイトに迷惑を掛けている。ようするにまだまだ子供らしい少年。
妹のチェリーはカノンと正反対の物静かで礼儀正しい性格で、年よか大人びている芯のしっかりした少女。成績優秀の彼女は、特に回復系や補助系の魔法が得意である。
魔法学校全体で、この双子の将来を期待していた。
「どうしたの? チェリーが騒ぐなんて珍しいわね」
キッチンの方から、優しそうな落ち着きのある大人の女性の声が聞こえるた。
双子の母、コットの声である。
コットは、しつけには厳しくいつも喧嘩して帰って来るやんちゃなカノンを叱っているが、 チェリーにはとても優しいお姉様のような元気のいい女性だった。
父のスグルが仕事上良く家を留守にするので、しょうがないかもしれない。
チェリーはいつものようにカノンの隣の席に座った。
「異界人がもうすぐ現れると占いで出たのです」
そしてキッチンの方に向かってそう言った。
チェリーには少し占いで未来を予言出来る能力を持っていたので、毎朝占いをするのが日課になっていた。
異界人と言うのは、この世界とは別の世界に住んでいて違う語源を使っている人達のことで、たまに何かの弾みでこの世界に来てしまうのだった。
そう言う人達を双子達ランバース家が先祖代々、唯一召還魔法が使える神様の所まで案内する使命がある。
そのためなのかランバース家は、どんな言葉でも話せる能力を持っていた。
「チェリー、本当なの?」
と、コットは驚いた顔でチェリーの元へハムエッグを持ちやって来ると向かいの席に座る。
カノンと言えば自分のこととは関係がないかのように、再び前に向きTVを見始めた。
「間違えありません。多分数日中には、この地へ来ると思います」
「あれからもう二十三年も経つのねぇ」
チェリーの答えに、コットは遠い眼差しをする。
二十三年前、迷い込んできた五人の異界人を兄と使命通り神様の所まで案内したことがあった。
そこでいろんな素敵な体験ともう会うことがないが一生の仲間のことが、コットの脳裏に次々と蘇る。
「はい。私楽しみです。お母様のような体験を、幼い頃から夢見ていました」
その時の体験を自慢げに話してくれる度に、チェリーは目を輝かしながら聞いていた。
そして幼いながらも、そんな使命に心から誇りを持ったのだ。
「そう。あなた達はまだ子供でちょっと心配だけど、きっといい体験になると思うわ」
「お兄様、頑張りましょうね」
チェリーは嬉しそうに、カノンの方を見た。
しかしカノンはTVを見たまま、
「何度も言うようだが、オレは行かねぇからな」
めんどくさいと言った口調でそう言い捨てた。
それはカノンの口癖でもある。
チェリーと違い使命のことなど、うっとうしいとしか思っていない。
「こらカノン。これはランバース家の使命だって何回言えば分かるの?」
「うるせぇな。足手まといでしかならない異界人の子守りなんかごめんだ」
カノンの言い分は、ひどい言い方だったが正しかった。
確かに異界人は平和ボケをしているため、盗賊に襲われでもしたらパニック状態に落ちいるのが関の山だった。
コットの時も例外ではなく、その時はかなり苦労している。それでもコットの兄がそこそこの魔力と剣技を持っていたのでなんとかなった。
「でも、お兄様の憧れている旅が出来るのですよ」
いつものチェリーならここで引き下がるのだが、今日は少し意地になり言いたいことをはっきりと述べる。
自分一人では異界人を、無事に神様の所に案内する自信がない。しかしカノンと力を合わせれば何とかなると彼女なりに考えたのだ。
「オレは一人気ままな旅がしたいんだ」
しかしそんな彼女の思いを知るはずのないカノンは、速攻で否定してしまう。すると彼女は今にも悔しそうな表情へと変わり下を向く。
「全くしょうがないわね。それより早くしないと遅刻するわよ」
溜め息をつきコットは時計を見て、二人に言った。時計の針は八時十分を差している。ここから学校まで徒歩十五分は掛かり、四十分までに登校しなければならない。
「やべぇ。チェリーが変なこと言うからだぞ」
カノンも時計を見るなり、乱暴に席を立ちウエストポーチを付ける。
「変なことじゃないです。大切なことなのです」
涙声のチェリーに、カノンはようやくチェリーの考えに気づく。しかし素直に認めてしまう訳にもいかない。
「その話はまた帰って来てからだ。さっさとしねぇと置いていくぞ」
その言葉が、今できるカノンの優しさだった。
「あ、お兄様待って下さい」
先に行こうとするカノンを、急いで追うチェリー。
そんなあわただしい様子を、コットは微笑ましく思えた。
なんだかんだと言ってもカノンは、妹のことを一番に考えている優しい兄なのだ。今も玄関で文句言いつつも妹のことを待っている。妹や友達をいじめた上級生をコテンパに懲らしめ、逆にその子の両親が怒鳴りに来たことなど数え切れないぐらいある。その度コットは頭を下げカノンを怒るのだが、内心は涙が出る程うれしいことだった。
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