8 / 19
八話
しおりを挟む
「カノン、昨日のサッカー中継見たか?」
「当たり前じゃん」
学校に着くと、カノンはいつも通り男子生徒達とスポーツの会話で盛り上がる。自然とカノン中心になっていた。朝の不機嫌な表情と百八十度違ういい笑顔。
一方チェリーは席に座ると、暗い顔で大きな溜息を付く。
(お兄様は、いつになったら使命を誇りと思うようになるのでしょう?)
「おはよう、チェリーちゃん。どうしたの、元気がないじゃない?」
するとショートカットの女生徒と三つ編みに眼鏡の女生徒が心配そうによってきた。二人はチェリーの親友である。
「クレアさん、ミミさん、おはようございます。実はお兄様とちょっと言い合いになってしまいまして」
「え? カノン君がまた無神経なこと言ったの?」
チェリーが元気のない声で言うと、ミミは呆れてそう言った。
カノンの女生徒からの評判は最悪で、半年に一度ある女生徒全体の彼氏にしたくないランキング・お子様ランキング・迷惑ランキングの最悪三冠をぶちきっりの一位を毎回取っている。
もちろんそのことは本人は知らない。もし耳に入れば、恐ろしいことになるはずだろう。
そしてチェリーは今朝のことを事細かく説明した。
「本当にチェリーも大変よね。あんな奴が兄貴で。私だったら絶対イヤだわ」
全てチェリーが話し終わると、クレアは大きな溜息と共にそう思っていることを口にする。どういう訳だが、クレアは心の底からカノンのことを嫌っていた。
「でも私には、口は悪いですが優しいですよ」
「いいのよ。最低なお子様の肩持たなくても」
とクレアは言いながら、笑って話しているカノンを睨む。すると勘のいいカノンの視線はクレアの方に向けられた。
「クレア、なんだよ」
たちまち機嫌が悪くなったカノンは足音を立て、クレアの前に立ちはだかる。チェリーとミミは二人の側でおろおろした。そんな様子をクラス全員が注目し、またかようと言う顔になり盛り上がり手慣れた口調で勝敗を賭けあう始末。この二人の口喧嘩は日常茶飯事のことだった。
「なんだよ、じゃないわよ。妹をいじめるなんてひどいじゃない?」
「オレは、いじめてなんかいねぇよ」
「じゃぁ、なんでチェリーがこんなに落ち込んでるのよ?」
二人とも完全に平常心を失っており、言葉を交わすたびにトーンが上がっている。
「ああ、それか。お前になんか関係ないだろう? これはオレ達兄妹の問題だからな」
「何よ、それ? 私はチェリーの親友なの。ほっとけるはずがないでしょう?」
「お兄様もクレアさんも、私のことなどで喧嘩などしないで下さい」
やっとの思いで、二人の仲裁をするチェリー。
「いいのよ。こいつには一度ぐらいがつんと言わないと、分からないお子様なんだから」
「オレはお子様なんかじゃない。大体女の癖に、お前はいつも生意気なんだよ」
しかし余計喧嘩はエスカレートする。
「これは、女も男も関係ないでしょう?」
「魔法じゃオレに、勝てない癖によく言うぜ」
「それもこのこととは関係ないでしょう? 大体他人を思いやる優しい気持ちがないのよ」
そして二人の口喧嘩は本来の意味から、徐々にずれてくるのであった。最後には決まってどうでもいいようなくだらない内容になっている。どうやら今回もパターン通りの口喧嘩になりそうだった。
しかし、
「お兄様もクレアさんも、いい加減にして下さい」
力あるチェリーの言葉に、二人はおろかクラス中の注目が二人からチェリーの顔に変わり、騒がしかった教室がしーんとしてしまった。チェリーがついに切れたのだ。大人しい子程切れると恐ろしいと言うように、チェリーもまた切れると恐ろしくなる。
「もう、お兄様にはお願いいたしません。私一人で神様の所まで異界人をご案内いたします。クレアさんもそうなりましたので、どうか心配なさらないで下さい」
チェリーは二人を見ながらハッキリとそう言う。怒った口調ではあったが、瞳の奥はどこか寂しげだった。
(お兄様に何を言っても無駄なようです。これ以上クレアさんにご迷惑を掛ける訳にも行きません)
「……わ、分かったわ。でも一人で大丈夫なの?」
チェリーの迫力に負けたのか、クレアの声は小声になる。
親友である彼女にもこんなチェリーの姿を見たことがなかったのだ。どんな時でもチェリーが怒ることなどなかった。
「あたし達も一緒に行こうか?」
更に小声でミミもそう訪ねた。
「有り難うございます。でも二人には学校を休ませる訳にはいきません」
ランバース家は異界人の案内をしている間は、特別学習と言うことで学校や会社などを休むことを許されている。しかしどんな事情があってもランバース家以外の者が案内の付き添いで行くことになろうともそれは許可されない。
「そんなの気にしなくても。もうすぐ長期休暇なんだからね?」
「うん。一週間ぐらい休んだって大丈夫だよ」
しかし二人は、簡単そうに明るく答えた。
ここから北にある神様の所までは、普通で片道半月掛かる。
偶然にも魔法学校は来週から約三ヶ月の長期休暇を迎えることになっていて、学年末試験を終えた今は進級が決まり、もはや授業もなく遊びに登校している状態になっていた。
「良かったな。オレの代わりにこいつらを連れて行けばいい。危なくない場所を通れば問題はないだろう」
「……そうですね。お兄様よりも二人の方が頼りになりますからね」
「なんだと。オレがこいつらよりも頼りないって言うのか?」
「ええ、そうです。この際なので言っておきますが、お兄様はいつだって力任せで解決する自己中心なのです。人間として最低ですよ」
誰もがそう思いながらも恐ろしくて言えなかった言葉を、チェリーはハッキリとカノンの面と向かって言ってしまう。クラス中に重い空気が流れ、全員が思わず息を飲み込んだ。
「それ以上言うと、いくら妹とは言え張り倒すぞ」
「何が張り倒すだって?」
男性の低い声がカノンの背後から、突然聞こえた。するとマジ切れ寸前だったカノンの顔から一気に血の気が引き青ざめていく。
「マ、マルクス先生」
恐る恐るカノンは振り向くと、言葉通りのがたいがいいヴァルセン族であるマルクスがこめかみをピクピクさせ作り笑顔を見せながら立っていた。
カノンも精一杯の作り笑顔をマルクスに見せる。
マルクスはカノン達のクラス担任で、教科は攻撃魔法の実技。この魔法学校で最強の魔力を持っていると言われていた。
「カノン、おはよう。今日も朝から元気がいいね」
「お、おはようございます。それでは、席に戻ります」
「そうしたまえ。もちろん放課後職員室まで来てもらうがな」
「……はい」
潔く諦めたカノンは、覚悟を決めた。これでも最初は逆らっていたカノンではあったが、実力では勝てないと分かった今はこうして逆らうことがなくなった。
「当たり前じゃん」
学校に着くと、カノンはいつも通り男子生徒達とスポーツの会話で盛り上がる。自然とカノン中心になっていた。朝の不機嫌な表情と百八十度違ういい笑顔。
一方チェリーは席に座ると、暗い顔で大きな溜息を付く。
(お兄様は、いつになったら使命を誇りと思うようになるのでしょう?)
「おはよう、チェリーちゃん。どうしたの、元気がないじゃない?」
するとショートカットの女生徒と三つ編みに眼鏡の女生徒が心配そうによってきた。二人はチェリーの親友である。
「クレアさん、ミミさん、おはようございます。実はお兄様とちょっと言い合いになってしまいまして」
「え? カノン君がまた無神経なこと言ったの?」
チェリーが元気のない声で言うと、ミミは呆れてそう言った。
カノンの女生徒からの評判は最悪で、半年に一度ある女生徒全体の彼氏にしたくないランキング・お子様ランキング・迷惑ランキングの最悪三冠をぶちきっりの一位を毎回取っている。
もちろんそのことは本人は知らない。もし耳に入れば、恐ろしいことになるはずだろう。
そしてチェリーは今朝のことを事細かく説明した。
「本当にチェリーも大変よね。あんな奴が兄貴で。私だったら絶対イヤだわ」
全てチェリーが話し終わると、クレアは大きな溜息と共にそう思っていることを口にする。どういう訳だが、クレアは心の底からカノンのことを嫌っていた。
「でも私には、口は悪いですが優しいですよ」
「いいのよ。最低なお子様の肩持たなくても」
とクレアは言いながら、笑って話しているカノンを睨む。すると勘のいいカノンの視線はクレアの方に向けられた。
「クレア、なんだよ」
たちまち機嫌が悪くなったカノンは足音を立て、クレアの前に立ちはだかる。チェリーとミミは二人の側でおろおろした。そんな様子をクラス全員が注目し、またかようと言う顔になり盛り上がり手慣れた口調で勝敗を賭けあう始末。この二人の口喧嘩は日常茶飯事のことだった。
「なんだよ、じゃないわよ。妹をいじめるなんてひどいじゃない?」
「オレは、いじめてなんかいねぇよ」
「じゃぁ、なんでチェリーがこんなに落ち込んでるのよ?」
二人とも完全に平常心を失っており、言葉を交わすたびにトーンが上がっている。
「ああ、それか。お前になんか関係ないだろう? これはオレ達兄妹の問題だからな」
「何よ、それ? 私はチェリーの親友なの。ほっとけるはずがないでしょう?」
「お兄様もクレアさんも、私のことなどで喧嘩などしないで下さい」
やっとの思いで、二人の仲裁をするチェリー。
「いいのよ。こいつには一度ぐらいがつんと言わないと、分からないお子様なんだから」
「オレはお子様なんかじゃない。大体女の癖に、お前はいつも生意気なんだよ」
しかし余計喧嘩はエスカレートする。
「これは、女も男も関係ないでしょう?」
「魔法じゃオレに、勝てない癖によく言うぜ」
「それもこのこととは関係ないでしょう? 大体他人を思いやる優しい気持ちがないのよ」
そして二人の口喧嘩は本来の意味から、徐々にずれてくるのであった。最後には決まってどうでもいいようなくだらない内容になっている。どうやら今回もパターン通りの口喧嘩になりそうだった。
しかし、
「お兄様もクレアさんも、いい加減にして下さい」
力あるチェリーの言葉に、二人はおろかクラス中の注目が二人からチェリーの顔に変わり、騒がしかった教室がしーんとしてしまった。チェリーがついに切れたのだ。大人しい子程切れると恐ろしいと言うように、チェリーもまた切れると恐ろしくなる。
「もう、お兄様にはお願いいたしません。私一人で神様の所まで異界人をご案内いたします。クレアさんもそうなりましたので、どうか心配なさらないで下さい」
チェリーは二人を見ながらハッキリとそう言う。怒った口調ではあったが、瞳の奥はどこか寂しげだった。
(お兄様に何を言っても無駄なようです。これ以上クレアさんにご迷惑を掛ける訳にも行きません)
「……わ、分かったわ。でも一人で大丈夫なの?」
チェリーの迫力に負けたのか、クレアの声は小声になる。
親友である彼女にもこんなチェリーの姿を見たことがなかったのだ。どんな時でもチェリーが怒ることなどなかった。
「あたし達も一緒に行こうか?」
更に小声でミミもそう訪ねた。
「有り難うございます。でも二人には学校を休ませる訳にはいきません」
ランバース家は異界人の案内をしている間は、特別学習と言うことで学校や会社などを休むことを許されている。しかしどんな事情があってもランバース家以外の者が案内の付き添いで行くことになろうともそれは許可されない。
「そんなの気にしなくても。もうすぐ長期休暇なんだからね?」
「うん。一週間ぐらい休んだって大丈夫だよ」
しかし二人は、簡単そうに明るく答えた。
ここから北にある神様の所までは、普通で片道半月掛かる。
偶然にも魔法学校は来週から約三ヶ月の長期休暇を迎えることになっていて、学年末試験を終えた今は進級が決まり、もはや授業もなく遊びに登校している状態になっていた。
「良かったな。オレの代わりにこいつらを連れて行けばいい。危なくない場所を通れば問題はないだろう」
「……そうですね。お兄様よりも二人の方が頼りになりますからね」
「なんだと。オレがこいつらよりも頼りないって言うのか?」
「ええ、そうです。この際なので言っておきますが、お兄様はいつだって力任せで解決する自己中心なのです。人間として最低ですよ」
誰もがそう思いながらも恐ろしくて言えなかった言葉を、チェリーはハッキリとカノンの面と向かって言ってしまう。クラス中に重い空気が流れ、全員が思わず息を飲み込んだ。
「それ以上言うと、いくら妹とは言え張り倒すぞ」
「何が張り倒すだって?」
男性の低い声がカノンの背後から、突然聞こえた。するとマジ切れ寸前だったカノンの顔から一気に血の気が引き青ざめていく。
「マ、マルクス先生」
恐る恐るカノンは振り向くと、言葉通りのがたいがいいヴァルセン族であるマルクスがこめかみをピクピクさせ作り笑顔を見せながら立っていた。
カノンも精一杯の作り笑顔をマルクスに見せる。
マルクスはカノン達のクラス担任で、教科は攻撃魔法の実技。この魔法学校で最強の魔力を持っていると言われていた。
「カノン、おはよう。今日も朝から元気がいいね」
「お、おはようございます。それでは、席に戻ります」
「そうしたまえ。もちろん放課後職員室まで来てもらうがな」
「……はい」
潔く諦めたカノンは、覚悟を決めた。これでも最初は逆らっていたカノンではあったが、実力では勝てないと分かった今はこうして逆らうことがなくなった。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる