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13 恋の鞘当て
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翌日は朝から小雨が降っていた。昨日のことを知りたがったアスベルが、朝からヴィヴィアンを迎えに来た。
「昨日は一緒に帰れなくて残念だったよ。それでお茶会は楽しかった?」
「ええ。フローラ・アガサ様もお呼びして、四人でお話をしたわ」
「え?アガサ嬢が?大丈夫だったのかい?」
「ええ。アガサ様はまだ悩まれてると思うけど、マリア様のおかげでとりあえずは大丈夫だったわ。あのね、アガサ様には、文字盤についてお聞きしたかったの。死神が呼び出されたのは文字盤が原因じゃないかって思ったから。あの会の主催者はアガサ様だったのよ」
「そう。それでヴィヴィはその文字盤を探しに行くんだね」
「ええ、そのつもりよ」
「危ないからやめろと言っても行くんだろう?」
「ええ」
アスベルはヴィヴィアンの決意のこもった眼差しを見つめた。そこには普段には見られない頑固な一面が窺えた。
(ヴィヴィは普段はおっとりしているけど、何かを決めたら梃子でも動かないくらい頑なになるんだよね、昔から。)
アスベルはため息を吐いた。
「仕方ないね。じゃあ私も一緒に行くよ。ヴィヴィ、一人で無茶をしないって約束してくれる?」
「ええ、約束するわ」
「じゃあ、今日の放課後、教室に迎えに行くよ」
終業のベルが鳴り、帰り支度をしているとクロードが教室にやって来た。
「やあ、ヴィヴィアン嬢、ご機嫌よう。今日は一段と美しいね。君の隣でずっと見つめていたいよ」
「まあデューク様、恐れ入りますわ」
ヴィヴィアンはポッと頬を染めた。
(さすがデューク様。息を吸うように褒めるなんて!!油断してたら真っ赤になってしまうわ!)
「貴女にはクロードと呼んで欲しいな。カイザーから聞いたが、あの時の文字盤に興味があるんだって?」
「おっ!ヴィヴィアン嬢、まだ教室にいたんだな。デューク、お前、また抜け駆けしたな。俺が教えた情報だろう?俺に譲れよ!」
「まあ!!カイザー様!」
「ヴィヴィアン嬢、旧校舎に行くんだろう?どうか俺に守らせてくれ!」
「まあ、カイザー様。お気持ちはありがたいのですが、アスベル様と参りますので大丈夫ですわ」
「カイザーだなんて他人行儀な!ぜひウォルフと呼んでくれ。それにしてもリシュルドだけじゃあ心配だな。学年で剣技が一番なのは俺だ。俺がついて行こう」
「それでしたら私も学園で5本の指には入りますよ。私がご一緒しましょう」
「いや、俺一人で大丈夫だ。デュークは引っ込んでろ」
「いや、カイザーこそフローラ嬢を大切にされたらいいよ」
「フローラとは婚約破棄をしたんだ」
「まだ正式にはされてないだろう?君がヴィヴィアン嬢の周りをうろつくと、ヴィヴィアン嬢の名誉に傷がつく」
「うっ!それを言われると辛いが、俺は一歩も引かないぞ!」
「あの、お二人ともありがとうございます。ですが、剣が必要なことにはならないと思うので結構ですわ」
なるべく丁寧にお断りしていると、クロードたちとの間に誰かがサッと割り込んだ。その人の影で、ヴィヴィアンは一瞬目の前が暗くなった。
「昨日は一緒に帰れなくて残念だったよ。それでお茶会は楽しかった?」
「ええ。フローラ・アガサ様もお呼びして、四人でお話をしたわ」
「え?アガサ嬢が?大丈夫だったのかい?」
「ええ。アガサ様はまだ悩まれてると思うけど、マリア様のおかげでとりあえずは大丈夫だったわ。あのね、アガサ様には、文字盤についてお聞きしたかったの。死神が呼び出されたのは文字盤が原因じゃないかって思ったから。あの会の主催者はアガサ様だったのよ」
「そう。それでヴィヴィはその文字盤を探しに行くんだね」
「ええ、そのつもりよ」
「危ないからやめろと言っても行くんだろう?」
「ええ」
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「仕方ないね。じゃあ私も一緒に行くよ。ヴィヴィ、一人で無茶をしないって約束してくれる?」
「ええ、約束するわ」
「じゃあ、今日の放課後、教室に迎えに行くよ」
終業のベルが鳴り、帰り支度をしているとクロードが教室にやって来た。
「やあ、ヴィヴィアン嬢、ご機嫌よう。今日は一段と美しいね。君の隣でずっと見つめていたいよ」
「まあデューク様、恐れ入りますわ」
ヴィヴィアンはポッと頬を染めた。
(さすがデューク様。息を吸うように褒めるなんて!!油断してたら真っ赤になってしまうわ!)
「貴女にはクロードと呼んで欲しいな。カイザーから聞いたが、あの時の文字盤に興味があるんだって?」
「おっ!ヴィヴィアン嬢、まだ教室にいたんだな。デューク、お前、また抜け駆けしたな。俺が教えた情報だろう?俺に譲れよ!」
「まあ!!カイザー様!」
「ヴィヴィアン嬢、旧校舎に行くんだろう?どうか俺に守らせてくれ!」
「まあ、カイザー様。お気持ちはありがたいのですが、アスベル様と参りますので大丈夫ですわ」
「カイザーだなんて他人行儀な!ぜひウォルフと呼んでくれ。それにしてもリシュルドだけじゃあ心配だな。学年で剣技が一番なのは俺だ。俺がついて行こう」
「それでしたら私も学園で5本の指には入りますよ。私がご一緒しましょう」
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「いや、カイザーこそフローラ嬢を大切にされたらいいよ」
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「まだ正式にはされてないだろう?君がヴィヴィアン嬢の周りをうろつくと、ヴィヴィアン嬢の名誉に傷がつく」
「うっ!それを言われると辛いが、俺は一歩も引かないぞ!」
「あの、お二人ともありがとうございます。ですが、剣が必要なことにはならないと思うので結構ですわ」
なるべく丁寧にお断りしていると、クロードたちとの間に誰かがサッと割り込んだ。その人の影で、ヴィヴィアンは一瞬目の前が暗くなった。
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