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第四章 宇宙のゆりかご
3 人魚姫のものがたり
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そう。なんだかもう、食べてしまいたいぐらいに可愛い。
放っておいても自然に湧いてくるこの気持ちばかりは、ユーリ自身もどうしようもなかった。
思わず小さな体を抱きよせて、桃色のつやつやした頬に頬ずりし、短くて金色の柔らかい髪をなでてやったら、フランはくすぐったそうに喉を鳴らして笑った。太陽みたいなにこにこの笑顔。本当に嬉しそうだ。
「ああ、地球、ワダツミ……うみ! いきもの! いいなあ。ぼくもいってみたいなー」
「そうだね。いつか、一緒に行けるといいね」
「うん!」
玻璃は間違いなく、こんなユーリの姿を見るのは相当微妙な気持ちだったことだろう。それなのに、基本的には温かな態度とまなざしでずっと二人を見守ってくれている。それどころか、むしろ積極的に二人の会話に加わって、フランの様々な疑問や興味にも答えてやっていた。
彼はユーリたちをとても微笑ましく見てくれているようだ。もっともこれは、ユーリの勝手で能天気な妄想に過ぎないかもしれないけれど。
今、少年の見た目は三、四歳ほどになっている。足取りもしっかりして、好きな所へどんどん駆けていってしまうので、子守りをするのはなかなか体力との勝負だった。
言葉はまだ拙いけれども、聡明な少年であることは明白だ。ユーリやアジュールの言うことやすることをなんでもすぐに吸収し、同じように真似をしたがる。
アジュールははじめのうちこそ心配して一緒にいたが、最近では監視を《サム》に任せてフランをユーリに預けたまま不在であることも多い。もしかしたら地球の艦隊がまた妙な動きをしているのかもしれなかったが、当然ながらそれらのことは一切教えてもらえなかった。
あの忌まわしい首輪とワイヤーから解放されたことで、ユーリはこの頃では小さなフランをつれて、船内のあちこちをぶらぶら歩くことも多くなっている。それでも玻璃と通信が届かない場所までは行かないけれど。
しかし、この宇宙船のどこがどう危険なのかは、ユーリもあまり詳しくない。そんな時は《サム》に安全確認を頼んだ。少しでも危ない場所に近づけば、《サム》がすかさず警告を発してくれる。
それは、フランに対してユーリが話す内容についてもそうだった。アジュールにとって都合の悪い内容については、《サム》が会話に割り込んできて中断させることが多い。日々すさまじい速さで成長していくフランが、時折妙な顔、不満げな顔をすることも多くなっていった。
とはいえ、飽くまでも囚人にすぎないユーリがあまり勝手なことはできない。それでユーリは少年に、アルネリオで聞いたり読んだりしたことのある古い昔話をしてあげることも多かった。
王子さまや王女さまや、魔法使いや小人がでてくる、ふるいふるい物語。「白雪姫」に「おやゆび姫」。「灰かぶり姫」に「眠り姫」。そして「赤ずきん」に「ラプンツェル」。昔ばなしや民話というものにはもともと非常に残酷な展開も多いものだ。それでユーリは、なるべく小さな子供むけに内容を略して話して聞かせた。
そんな中で少年は、「人魚姫」のお話に特に心を惹かれたようだった。
宇宙船内につくられた植物園のなかや《水槽》の前で玻璃と一緒に座り込んで話をしてやると、少年はいつもきらきらと目を輝かせた。
「もっと、もっと。もっとお話しして? ユーリパパ」
せがまれるまま、ユーリは何度でも同じ話を繰り返ししてやった。
ところでユーリは、この「人魚姫」のお話に、ほかの物語に対する以上の親近感を覚えている。それは間違いなく、あの玻璃との出会いを思い出してしまうからだろう。
ふとそんなことを洩らした時、フランはびっくりしたようだった。
「えっ? 玻璃どのは人魚姫なの?」
「いや、もちろん姫じゃないけどね。でも滄海の人たちは、海で暮らすために体を変えて、尾鰭をつけて泳ぎ回ることができるようになっているから。僕が海で溺れたとき、玻璃殿が助けてくださらなかったら、きっと今ここに生きてはいなかっただろうと思うよ」
話の流れでそのままユーリが玻璃と出会った顛末を話して聞かせると、フランはますます興奮したようだった。
「うわあ! 本当に『人魚姫』のお話みたいだね。でも玻璃どのは、ちゃんと言葉も話せるし、エライし、人魚姫みたいに人間のお姫様に負けたりしないし、飛行艇で空も飛べるし。めちゃくちゃかっこいいなー」
「うふふ。そうだね。それは僕もそう思う」
なんとなく《水槽》の玻璃を見返ったら、玻璃はややくすぐったそうな顔で微笑んでいた。珍しく照れておられるご様子である。
「でもぼく、人魚姫ってよくわかんないなー。どうして、王子様にちゃんと気持ちを伝えなかったのかな」
「それはほら、足の代わりに魔女に声をあげちゃって、お話しができなくなってたから──」
「でも、おかしいよ。だって、お手紙も書けなかったの? ぼくだったら絶対書くよ。もしかして、字が書けなかったのかなあ、人魚姫」
「ああ、そうなのかもしれないね」
「ううん……。もしそうだったら……かわいそうだね」
「うん。確かにそうだよね」
王子に気持ちを伝えることもままならず、人間の姫に王子の心を奪われて、最後は海の泡になって消える人魚姫。これは愛と悲劇の物語なのだ。
と、玻璃が突然話しかけてきた。
《俺もフランに同感だな》
「え?」
フランには玻璃の声は聞こえないので、適当に通訳をしてやりながら話を聞く。
《最終的には相手の幸せを願ってのことかも知れぬが、気持ちのひとつも伝えないまま、ただ諦めるという選択肢は俺にはない。やるべきことはやれるだけやって、それでダメなら潔く諦めもしようが》
「ああ、そうですね。玻璃殿はそうですよねー」
苦笑して返したら、玻璃はくふふ、と軽く笑った。
《まあ、そなたの王宮まで即刻出向いて『欲しいものは欲しい』『ユーリ殿を頂戴したい』と、どんどん押しすぎた感は否めぬが》
「玻璃どのったら……」
ユーリも思わず、くすくす笑った。
「いいのですよ。あれはわた……僕も、嬉しかったので。玻璃どのが求めてくださり、奪いにきてくださらなかったら、僕はあのまま父と兄たちのもとで働くだけで、自分の存在意義すら見失っていたことでしょう。自分の仕事に意義は見出していましたが、別に優秀でもなんでもなく、側近には迷惑がられていましたし。僕でなくてもできる仕事ばかりでしたから」
《……そうか》
「はい」
玻璃がゆるりと目を細めた。
ユーリもつられてにっこり笑った。
ユーリの膝の上に座り込んでいたフランが、不思議そうに二人を見比べた。
「……ねえ。ユーリパパと玻璃どのは、ケッコンしてるの?」
「え?」
突然、槍を突きこまれたような気になって少年を見下ろす。
「この間、ぼく《教育プログラム》で勉強したよ。好きな人は、あいしあって、ケッコンするんでしょ? 普通はひとりとひとりでするんだよね。それで、子供を生むんでしょ?」
「あ……うん。色々な事情があって生まない人たちもいるけど、まあそうかなあ」
「じゃあ、アジュールパパは? ユーリパパとケッコンしてないの?」
「あ。ええっと……」
「ケッコンしてないのに、ぼくが生まれたの? どうして? わかんないよ。どういうこと?」
「う……」
完全に答えに窮して、ユーリは思わず助けを求めるように玻璃を見た。玻璃も困った顔になって沈黙している。
と、《サム》の声が遮ってきた。
《フラン様。そのお話は、そこまでになさいますよう。アジュール様の許可のない話題ですので》
「ええっ。なんでだよう!」
少年が、ぷーっと頬を膨らませた。
放っておいても自然に湧いてくるこの気持ちばかりは、ユーリ自身もどうしようもなかった。
思わず小さな体を抱きよせて、桃色のつやつやした頬に頬ずりし、短くて金色の柔らかい髪をなでてやったら、フランはくすぐったそうに喉を鳴らして笑った。太陽みたいなにこにこの笑顔。本当に嬉しそうだ。
「ああ、地球、ワダツミ……うみ! いきもの! いいなあ。ぼくもいってみたいなー」
「そうだね。いつか、一緒に行けるといいね」
「うん!」
玻璃は間違いなく、こんなユーリの姿を見るのは相当微妙な気持ちだったことだろう。それなのに、基本的には温かな態度とまなざしでずっと二人を見守ってくれている。それどころか、むしろ積極的に二人の会話に加わって、フランの様々な疑問や興味にも答えてやっていた。
彼はユーリたちをとても微笑ましく見てくれているようだ。もっともこれは、ユーリの勝手で能天気な妄想に過ぎないかもしれないけれど。
今、少年の見た目は三、四歳ほどになっている。足取りもしっかりして、好きな所へどんどん駆けていってしまうので、子守りをするのはなかなか体力との勝負だった。
言葉はまだ拙いけれども、聡明な少年であることは明白だ。ユーリやアジュールの言うことやすることをなんでもすぐに吸収し、同じように真似をしたがる。
アジュールははじめのうちこそ心配して一緒にいたが、最近では監視を《サム》に任せてフランをユーリに預けたまま不在であることも多い。もしかしたら地球の艦隊がまた妙な動きをしているのかもしれなかったが、当然ながらそれらのことは一切教えてもらえなかった。
あの忌まわしい首輪とワイヤーから解放されたことで、ユーリはこの頃では小さなフランをつれて、船内のあちこちをぶらぶら歩くことも多くなっている。それでも玻璃と通信が届かない場所までは行かないけれど。
しかし、この宇宙船のどこがどう危険なのかは、ユーリもあまり詳しくない。そんな時は《サム》に安全確認を頼んだ。少しでも危ない場所に近づけば、《サム》がすかさず警告を発してくれる。
それは、フランに対してユーリが話す内容についてもそうだった。アジュールにとって都合の悪い内容については、《サム》が会話に割り込んできて中断させることが多い。日々すさまじい速さで成長していくフランが、時折妙な顔、不満げな顔をすることも多くなっていった。
とはいえ、飽くまでも囚人にすぎないユーリがあまり勝手なことはできない。それでユーリは少年に、アルネリオで聞いたり読んだりしたことのある古い昔話をしてあげることも多かった。
王子さまや王女さまや、魔法使いや小人がでてくる、ふるいふるい物語。「白雪姫」に「おやゆび姫」。「灰かぶり姫」に「眠り姫」。そして「赤ずきん」に「ラプンツェル」。昔ばなしや民話というものにはもともと非常に残酷な展開も多いものだ。それでユーリは、なるべく小さな子供むけに内容を略して話して聞かせた。
そんな中で少年は、「人魚姫」のお話に特に心を惹かれたようだった。
宇宙船内につくられた植物園のなかや《水槽》の前で玻璃と一緒に座り込んで話をしてやると、少年はいつもきらきらと目を輝かせた。
「もっと、もっと。もっとお話しして? ユーリパパ」
せがまれるまま、ユーリは何度でも同じ話を繰り返ししてやった。
ところでユーリは、この「人魚姫」のお話に、ほかの物語に対する以上の親近感を覚えている。それは間違いなく、あの玻璃との出会いを思い出してしまうからだろう。
ふとそんなことを洩らした時、フランはびっくりしたようだった。
「えっ? 玻璃どのは人魚姫なの?」
「いや、もちろん姫じゃないけどね。でも滄海の人たちは、海で暮らすために体を変えて、尾鰭をつけて泳ぎ回ることができるようになっているから。僕が海で溺れたとき、玻璃殿が助けてくださらなかったら、きっと今ここに生きてはいなかっただろうと思うよ」
話の流れでそのままユーリが玻璃と出会った顛末を話して聞かせると、フランはますます興奮したようだった。
「うわあ! 本当に『人魚姫』のお話みたいだね。でも玻璃どのは、ちゃんと言葉も話せるし、エライし、人魚姫みたいに人間のお姫様に負けたりしないし、飛行艇で空も飛べるし。めちゃくちゃかっこいいなー」
「うふふ。そうだね。それは僕もそう思う」
なんとなく《水槽》の玻璃を見返ったら、玻璃はややくすぐったそうな顔で微笑んでいた。珍しく照れておられるご様子である。
「でもぼく、人魚姫ってよくわかんないなー。どうして、王子様にちゃんと気持ちを伝えなかったのかな」
「それはほら、足の代わりに魔女に声をあげちゃって、お話しができなくなってたから──」
「でも、おかしいよ。だって、お手紙も書けなかったの? ぼくだったら絶対書くよ。もしかして、字が書けなかったのかなあ、人魚姫」
「ああ、そうなのかもしれないね」
「ううん……。もしそうだったら……かわいそうだね」
「うん。確かにそうだよね」
王子に気持ちを伝えることもままならず、人間の姫に王子の心を奪われて、最後は海の泡になって消える人魚姫。これは愛と悲劇の物語なのだ。
と、玻璃が突然話しかけてきた。
《俺もフランに同感だな》
「え?」
フランには玻璃の声は聞こえないので、適当に通訳をしてやりながら話を聞く。
《最終的には相手の幸せを願ってのことかも知れぬが、気持ちのひとつも伝えないまま、ただ諦めるという選択肢は俺にはない。やるべきことはやれるだけやって、それでダメなら潔く諦めもしようが》
「ああ、そうですね。玻璃殿はそうですよねー」
苦笑して返したら、玻璃はくふふ、と軽く笑った。
《まあ、そなたの王宮まで即刻出向いて『欲しいものは欲しい』『ユーリ殿を頂戴したい』と、どんどん押しすぎた感は否めぬが》
「玻璃どのったら……」
ユーリも思わず、くすくす笑った。
「いいのですよ。あれはわた……僕も、嬉しかったので。玻璃どのが求めてくださり、奪いにきてくださらなかったら、僕はあのまま父と兄たちのもとで働くだけで、自分の存在意義すら見失っていたことでしょう。自分の仕事に意義は見出していましたが、別に優秀でもなんでもなく、側近には迷惑がられていましたし。僕でなくてもできる仕事ばかりでしたから」
《……そうか》
「はい」
玻璃がゆるりと目を細めた。
ユーリもつられてにっこり笑った。
ユーリの膝の上に座り込んでいたフランが、不思議そうに二人を見比べた。
「……ねえ。ユーリパパと玻璃どのは、ケッコンしてるの?」
「え?」
突然、槍を突きこまれたような気になって少年を見下ろす。
「この間、ぼく《教育プログラム》で勉強したよ。好きな人は、あいしあって、ケッコンするんでしょ? 普通はひとりとひとりでするんだよね。それで、子供を生むんでしょ?」
「あ……うん。色々な事情があって生まない人たちもいるけど、まあそうかなあ」
「じゃあ、アジュールパパは? ユーリパパとケッコンしてないの?」
「あ。ええっと……」
「ケッコンしてないのに、ぼくが生まれたの? どうして? わかんないよ。どういうこと?」
「う……」
完全に答えに窮して、ユーリは思わず助けを求めるように玻璃を見た。玻璃も困った顔になって沈黙している。
と、《サム》の声が遮ってきた。
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