星のオーファン

るなかふぇ

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第九章 めぐりあひて

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 先ほどから吸いつきたくてたまらなかった彼の胸の尖りを、思うさま舐め上げる。自分の唾液で存分に濡らし、ふやかしてぴんぴんとそれらが空を向くさまを楽しむ。反応のよいアルファのそこは、少し舐めるだけでも彼の体をひくつかせた。
 その白い体にはもうすでに、首といい鎖骨といい、胸といい脇腹といい、ベータのつけた痕が花弁のように散っている。

「あ、……あふ……あうん」

 可愛い声がそれを追いかけてくる。彼の中心はもうとっくに、白い足の間でたらたらと透明な欲望の雫をこぼしていた。
「いい眺めだ。……可愛いぞ、皇子サマ」
「んっ……。そ、そんな……見ないで、くれ……」
「だめだ」

 そう言われると、かえって少しいじめたくなる。ベータはすでに開いている彼の足をさらに広げて持ち上げると、彼の中心とその下のひくついている入り口とをじっくりと眺めた。

「いい色だ。柔らかいし、奥までちゃんと締め付けてくる。物欲しそうに、いつもぎゅうぎゅう絡みついてくるものな。なかなかの名器だ、お前のここは」
「や、……あっ! やめ──」

 彼が真っ赤になって閉じようとする足を逆にもっと広げさせる。先ほど、足の間を必死に隠そうとする彼の手はさっさとベッドの桟に戒めた。頭のうえでひとつにまとめ、ネクタイでゆるりと縛りつけてある。恥ずかしさのあまりであろうか、彼の姿がちらちらと消えたり、現れたりを繰り返している。
 彼が「隠れたい」と思うほど恥ずかしいと感じている、まぎれもない証拠だ。

(……面白い)

 ベータは改めて彼の引き締まった尻に顔を近づけた。ぐちゅりと入口に舌を這わせる。周囲をとりまく襞をゆっくりと舐め広げてから、尖らせた先をその中へと侵入させた。

「っひ……! んあ、だ、だめえっ……!」

 アルファの尻がびくびくと痙攣して、遂に半泣きの声がした。それでも構わず、ベータはそこを舐め回し、入り口付近を十分にぬめらせてやる。
 次にはたっぷりと垂らしたジェルをまといつかせ、指を増やしながらゆっくりとほぐしてやった。
 彼の体のことはもうよく分かっている。どこを押さえ、ひっかいてやればイイ声で啼くのかをだ。
 「だめ、だめ」とうわ言のように言い続けるのを無視してそのまま、ベータは彼のイイ場所を時々掠め、そばをぐりぐりと押しては焦らしを繰り返した。
 彼の体にさあっと朱が走り、また引いてを繰り返す。それがひどく美しかった。

「あひっ……ひいっく、や、や……やああっ……」
 遂にびくん、びくんと彼の体が跳ね、先端から我慢できずに欲望の証が吹き出した。
「これだけでイッたのか? ……感じやすくて何よりだ」
「んあ、あ……っ、あ……ああ」
 きれいな筋肉の走った彼の腹のあたりに、白濁がどろりと流れる。ベータの唾液で濡れて尖った胸の飾りがいやらしく震えている。

「すぐにイッてしまう我慢の足りない皇子サマには、こういうものはどうだろうな?」
 言って、ベータはひょいとベッドの脇からとあるものを取り出した。
「え……」
 まだ射精の余韻でぼんやりした目で、アルファがゆっくりとこちらを見る。

 それはいわゆる大人の玩具おもちゃだった。柔らかめのゴムのような素材でできたそれは複雑な形をしている。それをうまく男性のその部分にとりつけて遊ぶのだ。
 それを取り付けておけば、射精を抑制することができる。
 ベータが器用にくるくると手のひらの上で弄んで見せると、アルファはすうっと青ざめたようだった。
「そ、……それは」
 その顔は間違いなく「知っている」という顔だった。なるほど、こういう「遊び」も散々にさせられていたということらしい。ベータはちらりと胸の奥に針で刺されたような感覚をおぼえた。
「あまりイきすぎてもあとあと困るだろう。少し我慢してみるか」
「……う、いや、それは──あ、あ!」

 彼が戸惑っているうちに、ベータはあっという間に彼のそこに手早くその「玩具」を取り付けてしまった。
 その上で、ぐいと彼の腰を持ち上げる。
 いい加減、こちらの我慢も限界だった。が、手早く自分のそれにまたスプレー・ゴムを噴霧しようとしたときだった。アルファが思わぬことを言った。

「ん、待って……ベータ」
「え?」
「それ……いやだ」
「何?」
 耳を疑って見返せば、彼は真っ赤な顔のまま視線をあらぬ方に彷徨わせている。
「そ、その……。それ……やめて」
 ほとんど蚊の鳴くような声だ。ベータは思わず少し腰をかがめて彼の顔に耳を寄せた。
「なんだって?」
「そのまま……ほしい」
「いや、しかし──」

 そんなやり方をして直接彼の中に注ぐことになってしまえば、そのままという訳には行かない。大抵の場合は腹を壊すし、相手によってはそのまま性感染症の餌食にもなる。何と言っても、後始末が面倒だ。
 ちなみに今の時代、かつて性行為感染症と言われたものの多くは撲滅されている。たとえ罹患したとしても、ほとんどあの医療用カプセルで治療もできる。そもそも自分は感染症のキャリアでもない。従ってそちらの心配だけはなかったが、彼の負担が大きくなることには変わりなかった。
 だが、変な顔になってしまったベータを見返して、真っ赤になりながらも皇子は言った。

「おねがい、だ。後始末は、自分で……するから」

 だから、そのままのベータが欲しい。
 彼はそう言っているのだった。

「……いいのか」

 もちろんこちらも、ごく健康な大人の男だ。そのまましたくないと言えば嘘になる。ましてや彼は、自分が今もっとも抱きたいと思う相手だ。
 こくりと彼が頷いた。
「いいんだ。君を、そのまま……感じたい。あ、でも」
 言って、ちらりとその目が戒められた自分の手首の方を見る。
「これ、外して……くれないか。ちゃんと、その……君を抱きたい、から」
 先ほどから息がきれていて、言葉が舌足らずに訥々と紡がれている。それがひどく可愛く思えた。
「……わかった」

 ベータがしゅるっと彼の腕に掛かったネクタイをほどくと、彼は安心したように息をつき、言葉どおりにその両腕をベータの背中に回してきた。そればかりではない。こちらの腰に足を絡め、自分からまた尻を腰に寄せてくる。

「きて……。ベータ」

 言われるまでもなかった。
 ベータは彼のそこに己のものをあてがうと、ぐっと先端を突き込んだ。

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