1 / 49
プロローグ
しおりを挟む
山本里奈、二十三歳。下町の従業員八人の工場で事務員かつ雑用をしている。
容姿は年齢より幼く見えるらしいけれど、いたってどこにでもいる普通のOLだ。真っ黒で艶のあるストレートな髪を褒められることがあるけれど、顔については褒められたことがない。あっ、でも、「お化粧しないでいいから羨ましい」とよく言われる。これって褒めているの? けなしているの?
化粧代高いから基礎化粧しかできないから、まぁいいか。
いつか画家になりたいから、画材に給料の半分をあてていて貧乏だ。あっちこっちの絵画のコンテスト応募しているけれど入選をしたことがあったが、それ以上は全然ダメだった。
やっぱり美術大出ていないと無理なのかな?
でもプロの画家になれなくても、一人でもいいから自分の絵が好きと言う人がいたら嬉しいから絵を描くことはやめられない。
ときどき特別な画材を買うためにネットでエロマンガを書いている友人のアシスタントをしている。
処女なのにエッチに詳しくなって、自称むっつりスケベだ。でも未経験でスケベって誰得なんだ……。
なにより彼をつくるより絵を描いていたい。それになぜか里奈に付き合ってって言う人は、ロリ好きなオタク君ばっかりだった。里奈の身長は百五十センチで、体重は……平均の日本人女性だよ? やっぱりそんなに童顔なんだろうか? お化粧した方がいいのかな? でもお金ないし。 普段ジーンズとTシャツとスニーカーでデカいカバン姿なのがいけないのかな……。
平日に歩るいていると、必ず補導よくされるし……。
顔についは少し不満があったけれど、それなりに充実している毎日だ、と思っている。
でも周りは里奈のことを悲惨とか不幸とか貶す人ばかりいる。
お母さんはいい年して男にだらしなかった。キャバクラで働いていて、ひっきりなしにヒモの男がアパートに一緒に住んでいた。生まれた時からお父さんなんていない。ヒモたちも「お父さん」と呼ばれるのを嫌ったし、すぐにいなくなる。長い男でも一年もいなかった。
高校を卒業してお母さんに追い出される前までは、ほとんど毎日ボロアパートをの押入れに隠れて、お母さんといろんな男たちのセックスを聞いたり見たりして育った。お母さんのセックスなんて吐き気がするだけなんだけど。処女なのに性に関しては賢者になったよ。さらにエロ本のアシスタントなのに、バンバンエロビデオを見せられたし。
お母さんのヒモたちに何度も襲われて処女を守りに抜いた経験から、当分男と付き合いたい、と思わないまま二十三歳になった。特技もエロ知識が賢者で、逃げ足が速いことだ。
たまに素敵な彼に甘えたいと思うこともある。人肌が恋しいのかな? 親の愛情も知らないのに、彼なんていない処女女が人肌が恋しいって、ほんと変な話だよね。
たまにエロ漫画でねっとりとイケメンたちに体を翻弄されて愛されるとこ見ると、ついつい下半身が熱くなった。
でも決して、自分が違う世界へ行って聖女や乙女ゲーのヒロインや神子になりたい、とか冗談でも思ったことがなかったのに、なんで? どうして?
(……ただいま、多分、絶対に、私、今、異世界にいます……)
「ちょっと、神様、選ぶキャスティング間違えましたよーーー?」
と叫んだけれど、お決まりの神さまが現れなかった。
「いらっしゃいませ。聖女さま。この世界を魔王からお救いください」
と、可愛いい高校生のJKと一緒に怪しい神殿の部屋にいるわけでもない。もちろん里奈はJK聖女おまけ設定だけれどね。。
「おまけでもいい! 間違いでお荷物のモブで可愛いJK聖女のパンツを洗う小間使いでもいい! だからこのさい、悪役令嬢転生でもいいから、ここから助けてーーー」
声が枯れるまで叫んだけれど、返事は『ホーホー』『グルー』と返事の代わりに怪しい獣の声が辺りに響いた。キョロキョロ見渡しても、何度も目を擦って見ても辺り一面生い茂った森だ。
容姿は年齢より幼く見えるらしいけれど、いたってどこにでもいる普通のOLだ。真っ黒で艶のあるストレートな髪を褒められることがあるけれど、顔については褒められたことがない。あっ、でも、「お化粧しないでいいから羨ましい」とよく言われる。これって褒めているの? けなしているの?
化粧代高いから基礎化粧しかできないから、まぁいいか。
いつか画家になりたいから、画材に給料の半分をあてていて貧乏だ。あっちこっちの絵画のコンテスト応募しているけれど入選をしたことがあったが、それ以上は全然ダメだった。
やっぱり美術大出ていないと無理なのかな?
でもプロの画家になれなくても、一人でもいいから自分の絵が好きと言う人がいたら嬉しいから絵を描くことはやめられない。
ときどき特別な画材を買うためにネットでエロマンガを書いている友人のアシスタントをしている。
処女なのにエッチに詳しくなって、自称むっつりスケベだ。でも未経験でスケベって誰得なんだ……。
なにより彼をつくるより絵を描いていたい。それになぜか里奈に付き合ってって言う人は、ロリ好きなオタク君ばっかりだった。里奈の身長は百五十センチで、体重は……平均の日本人女性だよ? やっぱりそんなに童顔なんだろうか? お化粧した方がいいのかな? でもお金ないし。 普段ジーンズとTシャツとスニーカーでデカいカバン姿なのがいけないのかな……。
平日に歩るいていると、必ず補導よくされるし……。
顔についは少し不満があったけれど、それなりに充実している毎日だ、と思っている。
でも周りは里奈のことを悲惨とか不幸とか貶す人ばかりいる。
お母さんはいい年して男にだらしなかった。キャバクラで働いていて、ひっきりなしにヒモの男がアパートに一緒に住んでいた。生まれた時からお父さんなんていない。ヒモたちも「お父さん」と呼ばれるのを嫌ったし、すぐにいなくなる。長い男でも一年もいなかった。
高校を卒業してお母さんに追い出される前までは、ほとんど毎日ボロアパートをの押入れに隠れて、お母さんといろんな男たちのセックスを聞いたり見たりして育った。お母さんのセックスなんて吐き気がするだけなんだけど。処女なのに性に関しては賢者になったよ。さらにエロ本のアシスタントなのに、バンバンエロビデオを見せられたし。
お母さんのヒモたちに何度も襲われて処女を守りに抜いた経験から、当分男と付き合いたい、と思わないまま二十三歳になった。特技もエロ知識が賢者で、逃げ足が速いことだ。
たまに素敵な彼に甘えたいと思うこともある。人肌が恋しいのかな? 親の愛情も知らないのに、彼なんていない処女女が人肌が恋しいって、ほんと変な話だよね。
たまにエロ漫画でねっとりとイケメンたちに体を翻弄されて愛されるとこ見ると、ついつい下半身が熱くなった。
でも決して、自分が違う世界へ行って聖女や乙女ゲーのヒロインや神子になりたい、とか冗談でも思ったことがなかったのに、なんで? どうして?
(……ただいま、多分、絶対に、私、今、異世界にいます……)
「ちょっと、神様、選ぶキャスティング間違えましたよーーー?」
と叫んだけれど、お決まりの神さまが現れなかった。
「いらっしゃいませ。聖女さま。この世界を魔王からお救いください」
と、可愛いい高校生のJKと一緒に怪しい神殿の部屋にいるわけでもない。もちろん里奈はJK聖女おまけ設定だけれどね。。
「おまけでもいい! 間違いでお荷物のモブで可愛いJK聖女のパンツを洗う小間使いでもいい! だからこのさい、悪役令嬢転生でもいいから、ここから助けてーーー」
声が枯れるまで叫んだけれど、返事は『ホーホー』『グルー』と返事の代わりに怪しい獣の声が辺りに響いた。キョロキョロ見渡しても、何度も目を擦って見ても辺り一面生い茂った森だ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる